舟渡国際法律事務所

令和4年・他人名義旅券での不法入国と退去強制歴で不許可|在日18年2月・日本人配偶者と婚姻2年10月でも許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

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令和4年・他人名義旅券での不法入国と退去強制歴で不許可|在日18年2月・日本人配偶者と婚姻2年10月でも許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

令和4年・他人名義旅券での不法入国と退去強制歴で不許可|在日18年2月・日本人配偶者と婚姻2年10月でも許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

刑事処分がないのに不許可となった事例です。出入国在留管理庁公表の令和4年分事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)不許可第4事例です。違反態様は不法入国、端緒は警察逮捕でした。在日期間は約18年2月、違反期間は約2年6月、婚姻期間は約2年10月で、子はありません。配偶者は日本人、刑事処分はなく、被退去強制歴があります。事例集は、ブローカー経由で入手した他人名義の旅券を行使して不法入国したこと、退去強制歴があることを挙げます。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。

  • 積極・第2の2(1):日本人との法律上の婚姻が約2年10月あります。もっとも子はなく、家族関係の裏付けは限られます。
  • 消極・第2の6:他人名義の旅券の行使を伴う不法入国(入管法24条1号)。公的書類の不正な使用が絡む点で、第2の3(ウ)が挙げる在留カード等の不正使用に類する性質を帯びます。
  • 消極・第2の6:一度退去強制を受けた後に再び入国したという経過。
  • 消極・第2の5:不法在留期間約2年6月。
  • 消極:端緒が警察逮捕のため、第2の9の出頭申告は働きません。

本件は令和5年改正入管法の施行前、かつガイドライン改定前の判断です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。対比すべきは同じ令和4年A類型の許可第4事例です。そちらも不法入国で、違反期間は約10年6月と本件より長かったのですが、自ら出頭し、夫婦間に子があり、退去強制歴もありませんでした。本件は在日期間が約18年2月と長い一方で、入国の手段に他人名義の旅券とブローカーが介在し、退去強制歴も重なっています。不法入国という入口が同じでも、入国の手段と発覚の端緒、家族関係の厚みで結論が分かれると読めます。

弁護士のコメント

第1に、刑事処分がなくても退去強制の危険は残ります。本件は刑事処分の記載がありませんが、不法入国は入管法24条1号の退去強制事由そのものです。不起訴処分の獲得は重要な目標ですが、それだけで在留が確保されるわけではありません。第2に、退去強制歴のある方の申請では、なぜ再び入国したのか、その後どのような生活を築いたのかを、資料で説明する作業が避けられません。第3に、その作業は違反審査と口頭審理の段階で完了させておくべきです。ガイドラインの注4は、退去強制令書の発付後の事情変更を原則として考慮しないとしており、あとから事情を足す発想は通りにくい構造になっています。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

各年20件前後の抜粋である以上、事例集は許可された事案の一部を映すにすぎません。同じ事情の許可例が公表資料にないことを、結論と読み替える必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。これは傾向を覆せるという保証ではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された相談者の事案では、交渉によって婚姻・認知を成立させました。国籍国が発行する公的書類がほとんど存在しない状況でも有利な証拠を集め、過去の許可事例を分析して1度の申請で在留特別許可を獲得しております。書類が揃わない事案での立証の組み立てを得意としております。

国際的な刑事事件、裁判員裁判対象事件、世界的に報道された事件への対応実績もあり、中国籍の方の重大事件も多数扱っております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

退去強制歴と不法入国が重なる事案では、生活の実体をいつ、どの段階で示すかが結論を左右いたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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