舟渡国際法律事務所

令和4年・不法就労助長で罰金20万円でも在留特別許可|警察逮捕で発覚し子もない事案で日本人の配偶者等(1年)が認められた事例(A類型許可第5事例)

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令和4年・不法就労助長で罰金20万円でも在留特別許可|警察逮捕で発覚し子もない事案で日本人の配偶者等(1年)が認められた事例(A類型許可第5事例)

令和4年・不法就労助長で罰金20万円でも在留特別許可|警察逮捕で発覚し子もない事案で日本人の配偶者等(1年)が認められた事例(A類型許可第5事例)

2026/08/06

事例の概要

不法就労助長は不許可事例が目立つ類型ですが、許可例もあります。出入国在留管理庁が公表した令和4年分事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第5事例で、結論は許可、在留資格「日本人の配偶者等」(1年)が認められました。違反態様は不法就労助長、端緒は警察逮捕です。在日期間は約4年11月、婚姻期間は約3年9月で、夫婦間の子はありません。違反期間の欄は原文で斜線となっており、不法残留を伴いません。刑事処分は入管法違反(不法就労助長)による罰金20万円の略式命令で、被退去強制歴の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。

  • 消極・第2の3(イ):他の外国人の不法就労に関わる行為は素行不良の代表例とされ、本件の中核はここです。
  • 消極・第2の6:退去強制理由の反社会性。
  • 消極:端緒が警察逮捕のため、第2の9の自ら出頭したという積極要素は働きません。
  • 積極・第2の2(1):日本人との法律上の婚姻があり、婚姻期間は約3年9月です。子はありませんが、共同生活の相当期間性を支えます。

本件は令和5年改正入管法の施行前、かつガイドライン改定前の判断です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。対比すべきは同じ令和4年A類型の不許可第2事例です。あちらは自己の経営する店で売春の場所を提供し複数の外国人を不法就労させたとされ、執行猶予付きの判決と罰金150万円を受け、配偶者とも別居中でした。本件は罰金20万円の略式命令にとどまり、売春に関わる事情もなく、婚姻の実体が保たれていました。関与の規模と主導性、婚姻の実体が一線だと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、刑事処分の内容が結論に影響したと読めます。罰金20万円は、入管法24条4号リが定める無期又は1年を超える拘禁刑には当たりません。どの退去強制事由に該当するとされたかは事例集から判明しませんが、刑事処分を軽くとどめ、あるいは不起訴を獲得することは、入管手続における消極要素の重さを左右する余地があります。第2に、不法就労助長罪では、雇い入れた外国人の在留資格や就労の可否をどこまで確認したかという故意・過失の評価が実際に争われます。他方、入管実務は退去強制事由の判断に故意・過失を要しないという運用を長年踏襲してきました。松村大介弁護士は、この運用の当否を問う訴訟を係争中です。現時点で結論を申し上げられる論点ではありませんが、刑事段階から故意・過失を争うことが後の主張の基礎になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

各年20件前後の抜粋である以上、事例集は許可された事案の一部を映すにすぎません。同じ事情の許可例が公表資料にないことを、結論と読み替える必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。もっとも、傾向を覆せるという保証ではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を進めております。この事件では、公表事例に不許可が並ぶ不法就労助長の類型でありながら在留特別許可を獲得し、許可後もなお違反認定処分そのものの取消しを争っております。

また、観光目的で来日した相談者が在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案では、交渉によって婚姻・認知を成立させ、過去の許可事例を分析して1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

不法就労助長の事案では、刑事段階で故意・過失をどこまで争えたかが、入管手続の見通しに直結いたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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