舟渡国際法律事務所

令和4年・夫婦間に子がなくても在留特別許可|日本人配偶者と婚姻約9月・不法残留1年8月で出頭申告した事例(A類型許可第3事例)

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令和4年・夫婦間に子がなくても在留特別許可|日本人配偶者と婚姻約9月・不法残留1年8月で出頭申告した事例(A類型許可第3事例)

令和4年・夫婦間に子がなくても在留特別許可|日本人配偶者と婚姻約9月・不法残留1年8月で出頭申告した事例(A類型許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

夫婦間に子がない事案でも、在留特別許可は出ています。出入国在留管理庁が公表した令和4年分事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第3事例で、結論は許可、在留資格「日本人の配偶者等」(1年)が認められました。違反態様は不法残留、発覚の端緒は出頭申告です。在日期間は約2年3月、うち違反期間は約1年8月で、日本での生活の大半が不法残留の状態でした。婚姻期間は約9月、子はありません。配偶者は日本人で、刑事処分はなく、被退去強制歴と属性の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。

  • 積極・第2の2(1):日本人との法律上の婚姻があります。ただし同項は婚姻の安定・成熟の例として夫婦間に子があることを挙げており、子のない本件はこの例示に当たりません。
  • 積極・第2の9:不法滞在を申告するため自ら官署に出頭したこと。
  • 消極・第2の5:不法在留期間約1年8月。令和6年改定で明示的な消極要素とされました。
  • 消極・第2の6:不法残留(入管法24条4号ロ)という退去強制理由そのもの。

本件は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前、かつガイドライン改定前の判断です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。子という分かりやすい裏付けがない本件で天秤が傾いたのは、違反期間が1年8月にとどまり、自ら出頭し、婚姻の実体が疑われなかったことの組合せだと読めます。同じ令和4年A類型の不許可第2事例は、婚姻期間が約3年8月と本件よりずっと長く、やはり子はありませんでしたが、配偶者と別居中で、自己の経営する店で売春の場所を提供し複数の外国人を不法就労させたとされて不許可でした。子の有無より、同居の実体と素行が効いていると考えられます。

弁護士のコメント

子がない事案では、婚姻の実体をどう示すかが正面の課題になります。第1に、出頭のタイミングと準備です。第2の9の出頭申告は積極要素ですが、手ぶらで出頭すると、婚姻の実体を確かめる資料がないまま調査が進みます。第2に、示すべき対象は生活の共同性です。同居を示す住民票や賃貸借契約、家計を一つにしていることが分かる口座や送金の記録、交際から婚姻に至る経緯を示す通信の記録、双方の親族や勤務先の陳述などが手がかりになります。第3に、これらは違反審査と口頭審理の段階で出しておくべきです。ガイドラインの注4は、退去強制令書の発付後の事情変更を原則として考慮しないとしています。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に載るのは各年20件前後で、許可された事案のすべてが載るわけではありません。公表資料に自分の類型が見当たらないと感じても、そこで結論を決める必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が続く類型でありながら在留特別許可を得ており、許可を得た後も違反認定処分の取消しを争っております。ただし、同じ結果をお約束できるものではございません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、婚姻と認知が未了として一旦受理されなかったところ、交渉によって婚姻・認知を成立させ、過去の許可事例を分析して1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

国際的な刑事事件、裁判員裁判対象事件、世界的に報道された事件への対応実績もあり、中国籍の方の重大事件も多数扱っております。

当事務所は、不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えております。多くの罪名では、執行猶予判決を得ても結果として退去強制に至るためです。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

子のない婚姻で申請する場合は、生活の共同性を示す資料を早い段階から積み上げておくことが結論を左右いたします。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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