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令和5年・未成年の子5人でも不許可|覚醒剤取締法違反で執行猶予、在留特別許可歴ありの事例(B類型不許可第4事例)

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令和5年・未成年の子5人でも不許可|覚醒剤取締法違反で執行猶予、在留特別許可歴ありの事例(B類型不許可第4事例)

令和5年・未成年の子5人でも不許可|覚醒剤取締法違反で執行猶予、在留特別許可歴ありの事例(B類型不許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

未成年の子が5人いても不許可となることがあります。出入国在留管理庁が令和6年11月公表の令和5年分事例集のB類型(配偶者が正規在留外国人)不許可第4事例です。

違反態様は薬物法令違反及び不法残留、端緒は警察逮捕。本人と配偶者はいずれも「定住者」でした。在日約20年1月、違反期間は約10月です。婚姻期間約15年、未成年の子が5人います。刑事処分は、覚醒剤取締法違反により懲役1年6月、執行猶予3年の判決で、ほかに前科1件があります(懲役は原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。過去の在留特別許可歴もあります。

この判断は令和5年改正入管法の施行前、かつ現行ガイドラインの改定前のものです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(2)(積極):配偶者の「定住者」は別表第二の在留資格ですので、この積極要素に乗る足場があります。
  • 子の利益(積極):未成年の子が5人おり、家族とともに本邦で生活するという子の利益の保護の必要性が正面から問題になります。
  • その他の事情(積極):在日約20年1月の生活基盤。
  • 第2の6(消極):退去強制理由となった事実の反社会性。薬物法令違反に前科1件が加わっています。
  • 過去に在留特別許可を受けながら再び違反に至った経緯も、素行の評価において重く働きます。
  • 第2の5(消極):約10月の不法在留期間。
  • 第2の9:警察逮捕による発覚のため、自ら出頭したことによる積極要素はありません。

結論を分けた一線はどこか

同じB類型の許可第5事例と並べると、この事例の意味が見えてきます。そちらも覚醒剤取締法違反で懲役1年6月・執行猶予3年、未成年の子は3人、配偶者は別表第二の在留資格でした。子の人数は本件の方が多いのですが、許可事例には前科や在留特別許可歴の記載がありません。

したがって分かれ目は、子が何人いるかではなく、前科があるか、そして過去に在留特別許可を受けながら再び違反に至ったかであったと読めます。ガイドライン注4も、特に考慮する積極要素があることが当然に許可を意味するものではないとしています。家族関係が厚くとも、再犯性の評価がそれを上回りうるということです。

弁護士のコメント

第1に、薬物事件では執行猶予でも退去強制事由が生じます。入管法24条4号チは、麻薬・大麻・覚醒剤等の法令違反により有罪の判決を受けた者を対象とし、執行猶予の場合を除いていません。同号リが1年を超える拘禁刑の実刑を対象とするのと対照的です。本件は執行猶予付きですが、4号チに当たる構造になります。

第2に、在留特別許可歴がある方の事案では、なおさら起訴前の段階が要になります。不起訴処分を得ていれば、有罪判決を要件とする4号チの該当性そのものを生じさせずに済んだ余地がありました。逮捕直後から勾留の判断までの間に、所持や使用の認識、押収手続の適法性といった点を検討し、依頼者本人のために動く通訳を確保しておくことが、その後の入管手続の土台になります。過去に許可を受けたという事情は、二度目の判断では逆風として働きうることを、あらかじめ踏まえておく必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集の掲載は各年20件前後の抜粋にとどまり、実際の判断のごく一部です。厳しい記載が並ぶ類型でも、それは抜粋の中での傾向にすぎません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っています。掲載の傾向は出発点であって、結論ではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠を徹底的に分析し、被告人質問と反対尋問を尽くして無罪判決を得ました。薬物事件では、認識をめぐる事実関係の詰めが結論を分けます。

特殊詐欺の受け子として複数回の再逮捕を受けた事案では、取調べへの対応を徹底し、不当な取調べへの抗議を重ねて、全件について不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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