舟渡国際法律事務所

令和5年・永住者の配偶者との婚姻約10月で在留特別許可|子がなく不法残留約1年9月でも許可された事例(B類型許可第2事例)

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令和5年・永住者の配偶者との婚姻約10月で在留特別許可|子がなく不法残留約1年9月でも許可された事例(B類型許可第2事例)

令和5年・永住者の配偶者との婚姻約10月で在留特別許可|子がなく不法残留約1年9月でも許可された事例(B類型許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

婚姻期間が1年に満たず、お子さんもいない。そうした事情でも許可された例があります。出入国在留管理庁が令和6年11月に公表した令和5年分の事例集のB類型(配偶者が正規在留外国人の場合)許可第2事例です。

違反態様は不法残留、発覚の端緒は出頭申告。在日期間は約4年7月、うち違反期間は約1年9月です。配偶者との婚姻期間は約10月で、夫婦間に子はありません。配偶者の在留資格は「永住者」でした。刑事処分はなく、「永住者の配偶者等(1年)」が許可されました。

この判断は令和5年改正入管法の施行前、かつ現行ガイドラインの改定前のものです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(2)(積極):別表第二の在留資格を有する者との家族関係で、同項(1)に準じるもの。配偶者の「永住者」は別表第二の在留資格ですので、この積極要素に乗ります。
  • 第2の2(1)(ウ)の準用の場面では、相当期間の共同生活と相互扶助、婚姻の安定性・成熟性が問われます。同号が挙げる「夫婦間に子があるなど」は例示であり、子の不存在それ自体が結論を決めるものではありません。
  • 第2の9(積極):不法滞在の事実を申告するため自ら出頭したこと。
  • 第2の5(消極):約1年9月の不法在留期間。
  • 素行不良(第2の3)に当たる事情や刑事処分の記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

婚姻期間約10月、子なし、不法在留約1年9月という組合せは、積極要素として決して厚いものではありません。それでも許可されたのは、配偶者が永住者であるという第2の2(2)の足場と、自ら出頭したという第2の9が重なり、他方で消極要素が素行面に及んでいなかったためと読めます。

同じB類型の不許可第3事例と比べると分かりやすくなります。そちらは在日約17年10月、婚姻約1年10月で、婚姻期間はむしろ本件より長いのですが、子がなく、退去強制歴があり、不許可でした。分かれ目は婚姻期間ではなく、退去強制歴という消極要素の有無であったと読めます。

弁護士のコメント

第1に、出頭の判断です。不法在留が約1年9月の段階での出頭であり、第2の5の消極要素がまだ大きく積み上がっていません。長期化してから出頭する場合と比べると、天秤の傾きが違います。在留期間の満了に気付いた時点で、出頭の是非と準備の順序を含めてご相談いただく意味は大きいものです。

第2に、子がいない場合の立証です。第2の2(2)の足場があっても、共同生活と相互扶助の実体が示されなければ足りません。同居期間を示す住民票の履歴、賃貸借契約書、家賃や公共料金の支払記録、家計の一体性を示す資料、双方の親族による陳述書などを、違反審査の段階から積み上げておく必要があります。あわせて、配偶者の在留資格が別表第二であることを示す資料も揃えておきます。有効な資料は事案ごとに異なりますので、一般的な例示としてお読みください。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表される事例は各年20件前後で、行政が選んだ抜粋です。ご自身と同じ組合せの許可例が見当たらないとしても、それは掲載されていないという以上の意味を持ちません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

観光目的で来日された方が在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案では、不受理とされた婚姻と認知を当局と交渉して成立させ、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。

不法就労助長を理由に退去強制の危機に立たれた女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、あわせて従来の実務を問う訴訟を現在も続けています。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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