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令和5年・不法就労助長で罰金30万円、婚姻約30年3月でも不許可|同居の実態が認められなかった事例(A類型不許可第5事例)

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令和5年・不法就労助長で罰金30万円、婚姻約30年3月でも不許可|同居の実態が認められなかった事例(A類型不許可第5事例)

令和5年・不法就労助長で罰金30万円、婚姻約30年3月でも不許可|同居の実態が認められなかった事例(A類型不許可第5事例)

2026/08/06

事例の概要

婚姻期間が30年を超えていても、生活の実体が示されなければ結論は変わりません。出入国在留管理庁が令和6年11月に公表した令和5年分事例集のA類型(配偶者が日本人)不許可第5事例です。

違反態様は不法就労助長、発覚の端緒は摘発です。本人の在留資格は「日本人の配偶者等」でした。在日期間は約29年9月、婚姻期間は約30年3月で、夫婦間に子はありません。刑事処分は、入管法違反(不法就労助長)により罰金30万円の略式命令です。事例集には、婚姻・同居の実態が認められなかったと記載されています。違反期間の欄は原文で斜線です。

この判断は令和5年改正入管法の施行前、かつ現行ガイドラインの改定前のものです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の3(イ)(消極):他の外国人の不法就労や在留資格の偽装に関わる行為。「特に考慮する消極要素」に正面から当たります。
  • 第2の6(消極):退去強制理由となった事実の反社会性。
  • 第2の2(1)(ウ):約30年3月という婚姻期間は本来強力な積極要素ですが、同号は「相当期間共同生活をして相互に扶助し」ていることを求めます。同居の実態が認められなかった以上、この要素は形式だけが残ったことになります。夫婦間に子もありません。
  • 第2の9:摘発による発覚のため、自ら出頭したことによる積極要素はありません。
  • 第2の5:違反期間の記載がなく、不法在留期間の長期化は問題となりません。

結論を分けた一線はどこか

同じA類型の許可第3事例と比べると、対照が鮮明です。そちらも不法就労助長で摘発により発覚しましたが、在日約7年5月、婚姻期間約1年11月という短さで、それでも未成年の子が1人おり、刑事処分の欄は「無」で、許可されています。

本件は在日約29年9月、婚姻約30年3月と期間では大きく上回りますが、同居の実態が認められず、罰金30万円の略式命令を受けています。分かれ目は年数ではなく、家族生活の実体が現に示されたか、そして刑事処分に至ったかであったと読めます。

弁護士のコメント

第1に、不法就労助長の類型では、退去強制事由の立て方そのものを見る必要があります。入管法24条3号の4は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者や、業としてこれをあっせんした者を退去強制事由としており、有罪判決を要件としていません。本件の罰金30万円は、1年を超える拘禁刑を要件とする同条4号リには当たりませんが、それでも退去強制手続が進んでいます。

第2に、そこで故意・過失の問題が正面に出てきます。刑事事件では故意・過失の検討が出発点ですが、入管実務では退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする運用が長く踏襲されてきました。松村大介弁護士は、責任主義の射程を行政処分にどこまで及ぼすかという論点を問う訴訟を係争中です。実務としては、違反調査・違反審査の段階で、就労させた事実の評価と、相手方が就労資格を有しないことの認識を争い、同居の実体を裏付ける資料も整えておく必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集の掲載は各年20件前後の抜粋であり、不法就労助長の類型に不許可が並んで見えるのも、その抜粋の中での話です。当事務所が担当した不法就労助長の事案では在留特別許可を得ており、許可を得た後もなお、違反認定処分そのものの取消しを争っています。同じ類型でも、立証と法律構成の組み方によって結論が動く場面があります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

不法就労助長を理由に退去強制の危機に立たれた女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、あわせて従来の実務を問う訴訟を現在も続けています。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性については、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、起訴前の段階で不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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