舟渡国際法律事務所

令和6年前半・重大な刑罰法令違反で6年の実刑判決、在日約23年6月でも在留特別許可されず|子の監護養育を挙げても不許可となった事例(D類型不許可第4事例)

お問い合わせはこちら

令和6年前半・重大な刑罰法令違反で6年の実刑判決、在日約23年6月でも在留特別許可されず|子の監護養育を挙げても不許可となった事例(D類型不許可第4事例)

令和6年前半・重大な刑罰法令違反で6年の実刑判決、在日約23年6月でも在留特別許可されず|子の監護養育を挙げても不許可となった事例(D類型不許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

在留特別許可では、在留期間の長さや子の存在よりも、退去強制の理由の重さが前面に出ることがあります。出入国在留管理庁が公表した令和6年前半(令和6年1月1日から同年6月9日まで)の事例集のうち、D類型(その他)不許可第4事例です。違反態様は刑罰法令違反、端緒は警察逮捕、在日期間は約23年6月、違反期間は該当欄が斜線で記載がありません。刑事処分は監護者性交の罪により懲役6年の実刑判決です(懲役は事例集の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。希望理由は「本邦に生活基盤がある」「子の監護・養育」でした。事案の性質に配慮し、罪名以外の具体的事実には触れません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

枠組みは令和6年3月改定のガイドラインです。

  • 積極:約23年6月の在留による生活基盤、子の監護養育(子が日本人等の実子なら第2の2(1)(イ)に当たり得ますが、国籍の記載はありません)。
  • 消極・第2の6:退去強制理由となった事実の反社会性。ガイドラインは反社会性の程度に応じて消極要素とし、6年の実刑はその重さを示します。
  • 発覚は警察逮捕で、第2の9の出頭申告には当たりません。

現行法では、1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた者は入管法50条1項ただし書の対象で、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠ける特別の事情がある場合に限り許可されます。本事例は改正法施行前の判断で、当時は申請手続がなく職権による措置でした。

結論を分けた一線はどこか

積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可を検討するというガイドライン第3の枠組みに照らし、本事例では消極要素の重さが決定的だったと読めます。約23年6月の在留と子の監護養育は軽くありませんが、これらをもって釣り合うとは評価されなかったと考えられます。同じD類型の許可第1事例は、同じく子の監護養育を理由としつつ、刑事処分がなく自ら出頭して許可を得ています。この対比は、退去強制の理由となった事実の性質が占める比重の大きさを示しています。

弁護士のコメント

量刑が1年を超える実刑である以上、入管法24条4号リに該当し、退去強制事由の存在自体を争う余地は限られます。この類型では、弁護方針を論じる以前に、消極要素の重さが判断を支配します。もっとも重い罪名で起訴された事件では、事実関係と法的評価を刑事段階で丁寧に争うことが、量刑を通じて後の手続の前提を左右します。逮捕直後の対応と通訳の確保が出発点になります。

現行法では50条1項ただし書の「特別の事情」の有無が枠組みです。公表事例から読み取れるのは生活基盤の安定性、未成年の実子の監護養育、家族関係などの複合ですが、重い刑がある場合に通るかは慎重な検討を要します。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は抜粋であり、掲載されていない許可事例が多数あります。公表分の傾向から結論を先取りせず、まず個別の事情を整理することが大切です。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得た経験があり、その後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しました。裁判員裁判の対象事件や広く報道された重大事件、国際的な刑事事件にも多数対応しており、中国籍の方の重大事件の経験も重ねています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップでご対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。