舟渡国際法律事務所

令和6年前半・偽造在留カードの行使で在留特別許可されず|刑事処分がなく在日約19年4月・病気の治療を挙げても不許可となった事例(D類型不許可第2事例)

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令和6年前半・偽造在留カードの行使で在留特別許可されず|刑事処分がなく在日約19年4月・病気の治療を挙げても不許可となった事例(D類型不許可第2事例)

令和6年前半・偽造在留カードの行使で在留特別許可されず|刑事処分がなく在日約19年4月・病気の治療を挙げても不許可となった事例(D類型不許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

刑事処分を受けていないのに在留特別許可に至らないことがあります。出入国在留管理庁が公表した令和6年前半(令和6年1月1日から同年6月9日まで)の事例集のうち、D類型(その他)不許可第2事例です。違反態様は偽造在留カードの行使、端緒は警察逮捕、在日期間は約19年4月で、違反期間は該当欄が斜線で記載がありません。刑事処分は「無」、前科の記載もありません。在留希望の理由は「本邦に生活基盤がある」「病気の治療」でした。どの退去強制事由に該当するとされたか、病気の内容、家族関係は事例集からは判明しません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

枠組みは令和6年3月改定のガイドラインです。

  • 積極:約19年4月の在留による生活基盤。地域社会との関係や税納付状況も考慮事情です。
  • 積極・第2の7(1):難病等により本邦での治療を必要とすること。もっとも病名の記載がなく、この要素として評価されたかは判明しません。
  • 消極・第2の3(ウ):在留カード等の公的書類の偽変造・行使・所持。偽造在留カードの行使はこの列挙に正面から当たります。
  • 発覚は警察逮捕で、第2の9の出頭申告には当たりません。
  • 刑事処分がないことは積極要素ではありませんが、消極評価を和らげる事情になり得ます。

本事例は改正入管法(令和6年6月10日施行)前の判断で、当時は申請手続がなく法務大臣の職権による措置でした。

結論を分けた一線はどこか

消極要素が勝ったと読めます。第2の3(ウ)は特に考慮する消極要素に位置づけられており、有罪判決の有無とは別に、行為そのものが素行不良として評価されます。約19年4月の在留や治療の必要という積極要素があっても、これを明らかに上回るとは見られなかったと考えられます。同じD類型の許可第3事例は在日約29年8月で生活基盤のみを理由としながら定住者(3年)を得ています。素行面の消極要素があるかないかが、長期在留の評価を左右していると読めます。

弁護士のコメント

偽造在留カードの類型では、偽造であることの認識が問題になり得ます。他人から渡された物を真正と信じていた場合、刑事責任の評価と素行の評価が分かれ得ます。入管実務では退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする運用が長年踏襲されており、松村大介弁護士はこの運用の当否を問う訴訟を現在も争っています。結論の出ている論点ではありませんが、認識の有無を早い段階で記録しておくことは、その後の主張の基礎になります。

治療の必要を積極要素として用いるには、診断書、治療計画、本国で同等の治療を受けられない事情を示す資料が要ります。ガイドライン注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しないため、違反審査の段階で出すべきものです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

同じ類型の不許可事例を見て諦める必要はありません。事例集は、その年の判断から20件前後を抜き出したものにとどまります。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ退去強制の危機に至った女性の事案では、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を続けており、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。在留資格を失った相談者が不法滞在で起訴された事案では、過去の許可事例を分析して1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップでご対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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