舟渡国際法律事務所

令和6年前半・虚偽文書作成で摘発、在留特別許可されず|婚姻約11年11月・未成年の子1人・配偶者が「経営・管理」の事例(B類型不許可第4事例)

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令和6年前半・虚偽文書作成で摘発、在留特別許可されず|婚姻約11年11月・未成年の子1人・配偶者が「経営・管理」の事例(B類型不許可第4事例)

令和6年前半・虚偽文書作成で摘発、在留特別許可されず|婚姻約11年11月・未成年の子1人・配偶者が「経営・管理」の事例(B類型不許可第4事例)

2026/08/06

事例の概要

婚姻10年超で未成年の子もいるのに不許可となったのが、出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年1月1日から6月9日までの事例集B類型(配偶者が正規在留外国人)不許可第4事例です。

違反態様は虚偽文書作成、端緒は摘発です。在日約4年10月、違反期間は斜線です。配偶者は「経営・管理」、婚姻期間は約11年11月、未成年の子が1人います。刑事処分はありません。結論は不許可で、判断の理由も虚偽文書の内容も事例集の記載からは判明しません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前、在留特別許可が職権による恩恵的措置であった時期の判断です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。

  • 第2の2(2):同号が「特に考慮する積極要素」とするのは別表第二の在留資格者との家族関係です。配偶者の「経営・管理」は別表第一であり、これに直接当たりません。
  • 子の利益:未成年の子について「家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性」が働きますが、これは令和6年3月改定で明示された要素です。
  • 第2の3(ウ)・第2の9:公的書類の偽変造・不正受交付等は「特に考慮する消極要素」に明示され、虚偽文書作成もこれに類します。摘発による発覚で出頭申告の積極要素もありません。

結論を分けた一線はどこか

天秤が動かなかったのは、書類の記載に関する消極要素と摘発による発覚です。注4は「特に考慮する積極要素」があっても直ちに許可されないとしており、約11年11月の婚姻と未成年の子でも足りませんでした。

同じB類型の許可第3事例は婚姻期間が約4月で子もなく、在日・違反期間はいずれも約30年11月でしたが、端緒は出頭申告で配偶者は別表第二の「永住者」であり許可されています。家族関係の年数では本事例が上回るのに結論が逆であり、端緒、素行の評価、配偶者の在留資格が結論を左右したと読めます。

弁護士のコメント

第1に、故意・過失の要件論です。入管実務では退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないという運用が長年踏襲されてきました。書類の作成を第三者に委ね記載内容の誤りを認識していなかった場合にまで同じ扱いをするのが妥当かは、責任主義の射程を行政処分に及ぼす範囲の問題です。松村大介弁護士は不法就労助長の事案でこの論点を問う訴訟を係争中です。

第2に、違反審査の段階から何を争うかです。その前提として退去強制事由該当性そのものを争う場面があり、書類の作成経緯や認識の有無はこの段階で主張すべき事項です。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しないため、認定・判定に不服を留保せずに従うと争点が封じられることがあります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にすぎません。近い事情の事例が不許可として掲載されていても、個別の事案の結論を決めるものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型ながら在留特別許可を獲得し、なお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主な注力分野としています。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型ながら在留特別許可を獲得しました。あわせて、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否について、責任主義の射程を問う訴訟を係争中です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続後の在留資格の更新・変更は提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

書類の記載が問題となる事案では、誰がどこまで関与し、何を認識していたかを早い段階で整理しておくことが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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