舟渡国際法律事務所

令和6年前半・不法就労助長で罰金20万円でも在留特別許可|永住者配偶者との婚姻約29年9月・在日約27年3月の事例(B類型許可第2事例)

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令和6年前半・不法就労助長で罰金20万円でも在留特別許可|永住者配偶者との婚姻約29年9月・在日約27年3月の事例(B類型許可第2事例)

令和6年前半・不法就労助長で罰金20万円でも在留特別許可|永住者配偶者との婚姻約29年9月・在日約27年3月の事例(B類型許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

不法就労助長は公表事例では不許可が並ぶ類型です。その中で許可された例が、出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年1月1日から6月9日までの事例集B類型(配偶者が正規在留外国人)許可第2事例です。

違反態様は不法就労助長、端緒は通報です。在日約27年3月、違反期間の欄は斜線です。配偶者は「永住者」、婚姻期間は約29年9月、成年の子が2人います。刑事処分は入管法違反(不法就労助長)による罰金20万円の略式命令です。結論は許可、「永住者の配偶者等」(1年)が認められました。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前、在留特別許可が職権による恩恵的措置であった時期の判断です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。

  • 第2の2(2):配偶者の「永住者」は入管法別表第二の在留資格です。約29年9月の婚姻と成年の子2人は同号の積極要素に当たり、在日約27年3月の生活基盤も積極に評価されます。
  • 第2の3(イ):他の外国人の不法就労に関わる行為は「特に考慮する消極要素」に明示され、本事例の違反態様はここに直撃します。
  • 第2の9・第2の6:通報による発覚で出頭申告の積極要素はなく、退去強制理由の反社会性も問題ですが、刑は罰金20万円です。

結論を分けた一線はどこか

天秤を傾けたのは、約29年9月という婚姻の長さと約27年3月の在日期間に築かれた生活基盤だと読めます。第2の3(イ)という強い消極要素があっても、家族関係の厚みがこれを上回ったと読めます。

同じB類型の不許可第2事例も不法就労助長・通報による発覚で、配偶者は別表第二の「永住者の配偶者等」でした。しかし婚姻期間は約2年5月、在日期間は約16年5月で子もなく、罰金は30万円でした。同じ罪名でも家族関係の年数と刑の重さの差が結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

第1に、退去強制事由の条文です。不法就労助長は入管法24条3号の4の退去強制事由(事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせる行為等を行い、唆し、又は助けた者)として扱われます。この号は行為そのものを退去強制事由とし、刑事処分や量刑を要件としていません。罰金の略式命令でも不起訴処分でも、行為があったと認定されれば該当性は別に判断されます。

第2に、故意・過失の要件論です。入管実務では退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないという運用が長年踏襲されてきました。雇用した相手の就労の可否について認識がなかった場合にまで同じ扱いをするのが妥当かは、責任主義の射程を行政処分にどこまで及ぼすかという問題を含みます。松村大介弁護士は不法就労助長の事案でこの論点を問う訴訟を係争中です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にすぎません。不法就労助長では不許可事例が目につきますが、本事例のように許可された例も存在します。当事務所が担当した不法就労助長の事案も、公表事例では不許可が並ぶ類型ながら在留特別許可を獲得し、なお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主な注力分野としています。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得しました。あわせて、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否について、責任主義・過失責任主義の射程を問う訴訟を係争中です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となりますので、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続後の在留資格の更新・変更は提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

不法就労助長では、刑の軽重と退去強制事由該当性が別に判断されることを踏まえた対応が必要です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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