舟渡国際法律事務所

令和6年前半・実刑4年6月で在留特別許可されず|日本人配偶者との婚姻約14年11月・出国命令歴ありの事例(A類型不許可第3事例)

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令和6年前半・実刑4年6月で在留特別許可されず|日本人配偶者との婚姻約14年11月・出国命令歴ありの事例(A類型不許可第3事例)

令和6年前半・実刑4年6月で在留特別許可されず|日本人配偶者との婚姻約14年11月・出国命令歴ありの事例(A類型不許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

婚姻期間が10年を超えていれば安心なのか。出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年1月1日から6月9日までの事例集A類型(配偶者が日本人)不許可第3事例が一つの答えです。

違反態様は刑罰法令違反、端緒は通報です。在日期間は約14年8月、違反期間は約3年9月、婚姻期間は約14年11月に及びますが、子はありません。刑事処分は強制わいせつの罪により懲役4年6月の実刑で、前科1件もあります(懲役は原典表記で、現行法では拘禁刑に相当します。同罪は令和5年の刑法改正で不同意わいせつ罪に再編されました)。出国命令歴もあります。結論は不許可です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

本事例は令和5年改正入管法の施行(令和6年6月10日)前、在留特別許可が職権による恩恵的措置であった時期の判断です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめます。

  • 第2の2(1)(ウ):日本人と法的に婚姻し約14年11月生活していることは、婚姻の安定性・成熟性を示す積極要素です。子はありません。
  • 第2の9:通報による発覚で、出頭申告の積極要素はありません。
  • 第2の6:実刑4年6月は退去強制理由の反社会性が最も重く評価される水準です。
  • 第2の5:約3年9月の不法在留も消極要素で、前科1件と出国命令歴も素行の消極評価となります。

結論を分けた一線はどこか

天秤が動かなかったのは、実刑4年6月という量刑の重さだと読めます。注4は「特に考慮する積極要素」があっても直ちに許可されないとしており、約14年11月の婚姻も単独では重い量刑を覆さなかったことになります。

同じA類型の許可第2事例は不法入国で在日・違反期間が約12年2月、婚姻期間は約1年9月で子もありませんが、刑事処分がなく出頭申告であったため許可されています。婚姻期間の長短ではなく退去強制理由の性質が結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

入管法24条のどの号が問題になるかを確認します。

同条4号リは「無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者」を退去強制事由とし、全部執行猶予は除外されます。本事例は4年6月の実刑ですので、同号への該当を避ける余地は残っていません。この類型では、起訴を回避できるか、公判で事実関係を争えるかという前の段階が勝負です。不起訴処分を獲得できていれば退去強制事由該当性を生じさせずに済んだ余地はありますが、難易は事案の性質によって異なります。

初動の重要性はとくに大きくなります。逮捕直後の72時間で勾留の可否が決まり、その後の身柄拘束や供述の積み上がり方が公判を左右します。供述調書の訳出のニュアンス一つが刑事の量刑と入管の判断に影響しますので、依頼者のために動く通訳の確保が欠かせません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にすぎません。近い事情の事例が不許可として載っていても、個別の事案の結論を決めるものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型ながら在留特別許可を獲得し、なお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主な注力分野としています。

国際刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績を有し、中国籍の方の重大事件にも多数対応してきました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続後の在留資格の更新・変更は提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

重い量刑が見込まれる事案では、公判の入口に立つ前の段階から入管手続を見据えた活動が必要になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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