舟渡国際法律事務所

令和6年後半・大麻取締法違反で執行猶予付き判決でも不許可|薬物事案は執行猶予でも退去強制事由となる(D類型不許可事例)

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令和6年後半・大麻取締法違反で執行猶予付き判決でも不許可|薬物事案は執行猶予でも退去強制事由となる(D類型不許可事例)

令和6年後半・大麻取締法違反で執行猶予付き判決でも不許可|薬物事案は執行猶予でも退去強制事由となる(D類型不許可事例)

2026/08/06

事例の概要

薬物事案では、執行猶予が付いても在留の道が開かれるとは限りません。出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年後半分の事例集のうち、D類型(その他)で在留特別許可がされなかった事例です。違反態様は薬物法令違反、発覚の端緒は関係機関からの通報で、在日期間は約5年7月でした。違反期間は該当欄に斜線が引かれ、記載がありません。刑事処分は、大麻取締法違反により懲役10月、執行猶予3年の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。在留希望の理由は本邦での生活継続で、家族関係や前科の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)の当てはめは次のとおりです。

  • 第2の6(消極):薬物法令違反は、退去強制理由となった事実の反社会性が高いものとして評価されます。
  • 第2の9(積極):発覚は関係機関からの通報であり、自ら出頭したという積極要素はありません。
  • 第2の2(積極):日本人又は別表第二の在留資格者との家族関係に当たる事情の記載はありません。
  • 第2の7(積極):人道上の配慮に当たる事情の記載もありません。
  • 在日期間は約5年7月で、長期の生活基盤や地域社会との関係という積極要素も現れていません。

結論を分けた一線はどこか

在留希望の理由が本邦での生活継続のみであり、ガイドラインが特に考慮する積極要素として挙げる事情が事例集上に現れていません。積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するという第3の枠組みに照らせば、天秤の一方に載せるものがなかったと読めます。同じD類型の許可第3事例は、在日約1年7月という短い期間でしたが、日本国籍を有する実子の監護養育という積極要素があり、自ら出頭していました。在日期間の長さではなく、積極要素の質と発覚の端緒が結論を分けたと考えられます。

弁護士のコメント

まず、号の構造の確認が要点です。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし、全部執行猶予の場合は除かれます。他方、同法24条4号チは薬物に関する法令の違反による有罪を退去強制事由としており、執行猶予が付いても該当します。薬物事案では「執行猶予が付いたから日本に居られる」という説明は成り立ちません。この構造からすると分岐点は起訴前段階にあり、本件も不起訴処分を得ていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ可能性があります。

次に、刑事段階の争い方です。薬物事案では、対象物が規制薬物であることの認識、所持の帰属、共同所持の成否が争点になります。逮捕直後72時間は勾留の判断までの重要な期間であり、早期の弁護人選任と、依頼者本人のために動く通訳の確保が要点です。捜査段階の供述の訳出は、後の公判と入管手続の双方に影響します。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各区分の数件の抜粋にとどまります。薬物事案が不許可側に多く並ぶことは、この類型の重さを示す一方で、あらゆる薬物事案の結論を決めるものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。もっとも、結果をお約束できるものではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しました。薬物事案は在留への影響が最も大きい類型であり、だからこそ刑事段階での争い方が決定的な意味を持ちます。

当事務所は、多くの罪名では執行猶予判決を得ても結果として退去強制となることを踏まえ、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標としています。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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