舟渡国際法律事務所

令和6年後半・偽造在留カードの行使で執行猶予付き判決、内妻と子がいても不許可|不法入国・退去強制歴ありで許可されなかった事例(D類型不許可事例)

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令和6年後半・偽造在留カードの行使で執行猶予付き判決、内妻と子がいても不許可|不法入国・退去強制歴ありで許可されなかった事例(D類型不許可事例)

令和6年後半・偽造在留カードの行使で執行猶予付き判決、内妻と子がいても不許可|不法入国・退去強制歴ありで許可されなかった事例(D類型不許可事例)

2026/08/06

事例の概要

執行猶予付きの判決でも、退去強制の手続が止まるとは限りません。出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年後半分の事例集のうち、D類型(その他)で在留特別許可がされなかった事例です。違反態様は不法入国及び偽造在留カード行使、発覚は通報で、在日約20年1月、違反約19年10月です。刑事処分は、偽造有印公文書行使、入管法違反により懲役3年、執行猶予5年の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。在留希望の理由は、内妻及び子が日本で生活していること、本邦での生活継続でした。特記事項には退去強制歴があると記されます。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)の当てはめは次のとおりです。

  • 第2の3(ウ)(消極):在留カード等の公的書類の偽変造・不正受交付・行使・所持は、特に考慮する消極要素として明示されており、本件はこれに当たります。
  • 第2の6(消極):不法入国は不法残留より重く評価されやすい態様です。
  • 第2の5(消極):不法在留期間は約19年10月です。
  • 被退去強制歴(消極):退去強制を受けた経歴。
  • 第2の9(積極):発覚は関係機関からの通報であり、自ら出頭したという積極要素はありません。
  • 第2の2(積極):内妻及び子の存在が挙げられていますが、その国籍や在留資格、同居の状況は判明しません。

結論を分けた一線はどこか

消極要素が幾重にも重なり、内妻と子の存在という積極要素がこれを上回らなかったと読めます。とりわけ偽造在留カードの行使は第2の3(ウ)に明示された類型で、退去強制歴も判断を大きく傾けます。同じD類型の許可第2事例は、同じく不法入国で違反期間は約10年7月ですが、自ら出頭したこと、日本国籍を有していた経緯という積極要素がありました。素行と発覚の端緒の違いが結論を分けたと考えられます。積極要素の中身を資料で示せたかも分岐点と読めます。

弁護士のコメント

まず、入管法24条4号リは1年を超える拘禁刑の実刑を対象とし、全部執行猶予は除かれます。執行猶予5年の本件の判決は同号に当たりません。それでも手続が進むのは、違反態様が不法入国であり、同法24条1号の退去強制事由が別途あるためです。執行猶予が在留の可否に直結しない典型で、起訴前段階から不起訴処分を目指す余地があった事案です。

次に、偽造有印公文書行使は、その文書が偽造であることの認識(故意)が争点となり得る類型です。入管実務では退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないとする運用が踏襲されてきましたが、その当否は現在も争われています。松村弁護士も、不法就労助長の事案でこの点を問う訴訟を進めています。刑事段階から認識の有無を争うことが、後の入管手続の主張の基礎になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に載るのは各区分の数件で、掲載されない判断も多数あります。掲載された不許可事例と事情が重なっても、それが結論を決めるものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。類型が同じでも、示せる事情によって結論は動きます。もっとも結果をお約束できるものではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しました。認識の有無が争点となる事案では、捜査段階での供述の記録がその後の入管手続まで影響します。

当事務所は、多くの罪名では執行猶予判決を得ても結果として退去強制となることを踏まえ、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標としています。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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