舟渡国際法律事務所

令和6年後半・売春周旋で罰金150万円、病気療養を理由とする在留希望が認められず不許可|在日約21年11月でも許可されなかった事例(D類型不許可事例)

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令和6年後半・売春周旋で罰金150万円、病気療養を理由とする在留希望が認められず不許可|在日約21年11月でも許可されなかった事例(D類型不許可事例)

令和6年後半・売春周旋で罰金150万円、病気療養を理由とする在留希望が認められず不許可|在日約21年11月でも許可されなかった事例(D類型不許可事例)

2026/08/06

事例の概要

刑事処分が罰金にとどまっても、退去強制手続はそのまま進むことがあります。出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年後半分の事例集のうち、D類型(その他)で在留特別許可がされなかった事例です。違反態様は売春周旋、発覚の端緒は関係機関からの通報で、在日期間は約21年11月でした。刑事処分は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反、売春防止法違反により罰金150万円で、ほかに前科1件があるとされています。在留希望の理由は本邦での病気療養でした。家族関係の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)の当てはめは次のとおりです。

  • 第2の3(エ)(消極):自ら売春を行い、又は他人に売春を行わせる等、社会秩序を著しく乱す行為は、特に考慮する消極要素として明示されています。本件の違反態様はこれに正面から当たります。
  • 第2の6(消極):退去強制理由となった事実の反社会性。前科1件も併せて評価されます。
  • 第2の9(積極):発覚は関係機関からの通報であり、自ら出頭したという積極要素はありません。
  • 第2の7(1)(積極):難病等で本邦での治療を必要とすることは積極要素です。もっとも疾病の内容や本国での治療の可否は事例集の記載からは判明しません。
  • 第2の2の家族関係に当たる事情の記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

第2の3(エ)は、素行の消極要素の中でも重いものです。これに対し積極要素として置かれたのは病気療養のみで、第2の7(1)が求める「難病等で本邦での治療を必要とする」ことの立証が及ばなかったと読めます。同じD類型の許可第4事例は、在日約34年9月の不法残留という重い消極要素がありながら、自ら出頭し、日本人内夫との同居の実体が認められて許可されました。在日期間の長さではなく、素行の内容と家族関係の有無が両者を分けたと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分は罰金150万円で、入管法24条4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者)には当たりません。それでも手続が進むのは、この類型の退去強制事由が有罪判決を前提としないためと読めます。違反態様が売春周旋とされていることからは、入管法24条のうち、売春に直接関係がある業務に従事する者を退去強制事由とする規定が問題となる場面と考えられます(具体的にどの号に当たるかは、事案ごとに条文に当たって確認する必要があります)。この規定は刑事処分の有無を要件としないため、不起訴処分を得ても該当性が直ちに解消されるとは限りません。業務への従事という事実そのものを、違反審査の段階から争う余地があります。

なおこの規定には、人身取引等により他人の支配下に置かれていた者を除く旨の定めがあります。そうした事情がある方は、公的機関の保護の記録等により早期に明らかにすることが重要です。本件にその事情があったかは判明しません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各区分の数件の抜粋です。掲載された不許可事例に自分と近い罪名があるとしても、それだけで結論が決まるわけではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。行政が許可した先例との差異をどう論じるかが要点です。もっとも結果をお約束できるものではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在等を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。本人が置かれていた立場を丁寧に立証することが、刑事処分とその後の在留の双方を左右します。

当事務所は、多くの罪名では執行猶予判決を得ても結果として退去強制となることを踏まえ、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標としています。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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