舟渡国際法律事務所

令和6年後半・不法残留約34年9月でも在留特別許可|日本人内夫との同居継続で特定活動(1年)が認められた事例(D類型許可事例)

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令和6年後半・不法残留約34年9月でも在留特別許可|日本人内夫との同居継続で特定活動(1年)が認められた事例(D類型許可事例)

令和6年後半・不法残留約34年9月でも在留特別許可|日本人内夫との同居継続で特定活動(1年)が認められた事例(D類型許可事例)

2026/08/06

事例の概要

不法滞在が長期に及んでいても、それだけで諦める必要はないことを示す事例です。出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年後半分の事例集のうち、D類型(その他)で在留特別許可がされた事例です。違反態様は不法残留、発覚の端緒は出頭申告で、在日期間と違反期間はいずれも約34年9月でした。令和6年後半分の掲載事例の中で最も長い期間です。刑事処分はありません。在留希望の理由は、日本人内夫と同居を継続することです。許可内容は特定活動(1年)でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)の当てはめは次のとおりです。

  • 第2の5(消極):不法在留期間の長期化は、令和6年3月改定で明示的に消極要素と位置づけられました。約34年9月は極めて重い消極要素です。もっとも改定後のガイドラインには、その間に日本人や地域社会との関係を構築している場合は別途積極要素として考慮する旨の留保があり、本件はその留保が働いた場面と読めます。
  • 第2の2(1)(ウ)(積極):法的な婚姻ではなく内縁関係であるため、この要素に直接は当たりません。許可内容が特定活動とされたことも、これに対応します。
  • 第2の9(積極):自ら出頭したこと。
  • 第2の6(消極):不法残留という退去強制理由となった事実。

結論を分けた一線はどこか

掲載事例の中で最も長い不法在留という重い消極要素を、自ら出頭したことと日本人内夫との同居の実体が上回ったと読めます。ガイドライン第3の判断は、消極要素を機械的に積み上げるのではなく、その期間の中で築かれた関係を併せて評価するものといえます。同じD類型の不許可第1事例は、在日約21年11月と本件より短く、違反態様が売春周旋で、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反と売春防止法違反により罰金150万円の処分を受けていました。期間ではなく、素行と家族関係の有無が結論を分けたと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例ですので、初動と立証に絞って申し上げます。

まず、長期の不法残留の事案では、出頭申告の準備そのものが弁護活動の中心になります。第2の5が明示的に消極要素とされた以上、その期間の中で何を築いてきたかを能動的に示す必要があります。住民税や国民健康保険の納付、地域の活動、勤務先や近隣の方の陳述書、第三者による支援の申出等が考えられます。

次に、内縁関係の立証です。法的な婚姻がない場合、同居の実体と家計の一体性を客観的な資料で示すことが要点になります。同一住所の記載、賃貸借契約、公共料金や口座の記録、写真、周囲の方の陳述等です。婚姻届を提出できる状況であれば、それを整えることで許可内容が変わり得ます。退去強制令書の発付後の事情変更は原則として考慮されません(ガイドライン注4)。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に載るのは各区分の数件で、実際の判断のごく一部にすぎません。不法在留が長期に及ぶ事案が不許可側に多く見えても、それが一律の結論を意味するわけではなく、本件がその反証になっています。当事務所が担当した不法就労助長の事案も、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。もっとも、結果をお約束できるものではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失が不要とされてきた実務の当否を問う訴訟を進めています。この事案は公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得しており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所は、多くの罪名では執行猶予判決を得ても結果として退去強制となることを踏まえ、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標としています。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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