舟渡国際法律事務所

令和6年後半・外国籍の取得で日本国籍を失い不法入国となった人に在留特別許可|違反約10年7月でも日本人の配偶者等(3年)が認められた事例(D類型許可事例)

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令和6年後半・外国籍の取得で日本国籍を失い不法入国となった人に在留特別許可|違反約10年7月でも日本人の配偶者等(3年)が認められた事例(D類型許可事例)

令和6年後半・外国籍の取得で日本国籍を失い不法入国となった人に在留特別許可|違反約10年7月でも日本人の配偶者等(3年)が認められた事例(D類型許可事例)

2026/08/06

事例の概要

日本国籍を失ったことに気付かないまま日本で暮らし続けた場合の処理が現れた事例です。出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年後半分の事例集のうち、D類型(その他)で在留特別許可がされた事例です。違反態様は不法入国、発覚の端緒は出頭申告で、在日期間は約16年11月、違反期間は約10年7月でした。刑事処分はありません。在留希望の理由は本邦での生活継続で、特記事項には、外国籍を取得したことにより日本国籍を喪失したものと記されています。許可内容は日本人の配偶者等(3年)でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

現行ガイドライン(令和6年3月改定)の当てはめは次のとおりです。

  • 第2の6(消極):退去強制理由となった事実は不法入国であり、不法残留より重く評価されやすい態様です。
  • 第2の5(消極):不法在留期間は約10年7月に及びます。
  • 第2の9(積極):自ら出頭したこと。
  • 第2の2(積極):許可内容が日本人の配偶者等とされています。この在留資格は日本人の子として出生した者も対象とするため(入管法別表第二)、日本国籍を有していた経緯自体が資格該当性を支えたと読めます。
  • 人道上の配慮(第2の7)に当たる事情の記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

約10年7月の不法在留と不法入国という重い消極要素がありながら、在留期間3年という、掲載事例の中でも長い許可がされています。天秤を傾けたのは、日本国籍を有していたという経緯、別表第二の在留資格に該当する身分関係、自ら出頭したことの組合せと読めます。同じD類型の不許可第2事例は、同じく不法入国で在日約20年1月、違反約19年10月でしたが、偽造在留カードの行使と退去強制歴があり、発覚も関係機関からの通報でした。素行と発覚の端緒が両者を分けたと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例ですので、初動と立証に絞って申し上げます。

まず、国籍喪失の有無そのものを確認する必要があります。国籍法11条1項は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときに日本国籍を失うと定めます。外国籍の取得が本人の志望によるものであったかによって、在留資格取得の申請(入管法22条の2)で足りたのか、退去強制手続に至るのかが変わります。なお同項の合憲性は訴訟でも争われてきた論点であり、断定的な結論を述べるべき場面ではありません。

次に、出頭の際は、戸籍の除籍の記載、外国籍取得の経緯、日本での居住と就労の歴、家族関係の公的書類を揃えて臨むことが考えられます。令書の発付後の事情変更は原則として考慮されません(ガイドライン注4)。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に載るのは各区分の数件だけで、実際の判断はこれをはるかに超える数に及びます。掲載事例と事情が違っても、そのことが結論を決めるわけではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。もっとも、結果をお約束できるものではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失が不要とされてきた実務の当否を問う訴訟を進めています。この事案は公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得しており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所は、多くの罪名では執行猶予判決を得ても結果として退去強制となることを踏まえ、起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標としています。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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