舟渡国際法律事務所

令和6年後半・配偶者が「技術・人文知識・国際業務」でも在留特別許可|在日9月・出頭申告で「家族滞在」(10月)が許可された事例(B類型許可第2事例)

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令和6年後半・配偶者が「技術・人文知識・国際業務」でも在留特別許可|在日9月・出頭申告で「家族滞在」(10月)が許可された事例(B類型許可第2事例)

令和6年後半・配偶者が「技術・人文知識・国際業務」でも在留特別許可|在日9月・出頭申告で「家族滞在」(10月)が許可された事例(B類型許可第2事例)

2026/08/06

事例の概要

配偶者が就労の在留資格で日本にいる場合、在留特別許可は望めないのか。よくいただくご質問です。出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年後半(改正入管法施行の令和6年6月10日以降)の事例集のうち、配偶者が正規在留外国人である類型(B類型)の許可第2事例が、その場合に許可が出た例です。本人は不法残留で、自ら出頭して申告し発覚しました。在日期間は約9月と短く、違反期間は事例集の該当欄が斜線で判明しません。婚姻期間は約15年3月に及び、未成年の子2人は本邦外にいます。刑事処分はなく、許可は「家族滞在」(在留期間10月)でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 配偶者の「技術・人文知識・国際業務」は入管法別表第一の二の表の在留資格です。ガイドライン(令和6年3月改定)第2の2(2)が特に考慮する積極要素とするのは別表第二(永住者・特別永住者・定住者等)との家族関係であり、本件はこれに直接は当たりません。
  • 積極要素として、第2の9の、自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 消極要素として、第2の5の不法在留期間の長期化。ただし在日期間が約9月にとどまり、小さいと読めます。
  • 子2人は本邦外におり、第2の2(3)の教育機関での就学も、令和6年改定で明示された子の利益も現れていません。許可された「家族滞在」は別表第一の四の表の在留資格であり、第2の9が積極要素に挙げる別表第一の一の表・二の表の在留資格該当性にも当たりません。

結論を分けた一線はどこか

本件の特徴は、「特に考慮する積極要素」に掲げる家族関係に直接当たらないまま許可された点です。天秤を傾けたのは、在日期間が約9月と短いこと、自ら出頭したこと、婚姻が約15年3月続いたことの組合せと読めます。同じB類型の不許可第3事例は、配偶者が同じ「技術・人文知識・国際業務」で、同じく出頭申告、刑事処分もありませんでしたが、在日約15年4月の不法入国であり、在留諸申請で虚偽の内容を申告して不許可となりました。配偶者の在留資格が同じでも、滞在の長さと申告の正確さが結論を分けたと考えられます。

弁護士のコメント

配偶者が別表第一の在留資格である場合、日本人配偶者や永住者配偶者の事案と同じ発想では組み立てられません。積極要素の表に直接乗らない分、他の事情を積み上げる必要があります。

第1に、出頭の早さです。在留資格を失ったことに気づいた段階で早期に出頭すれば、第2の5の消極要素を小さく保てます。年数が重なるほど不利になる構造です。

第2に、違反審査の段階での立証です。婚姻が約15年3月続いた実体、配偶者の在留資格と就労の継続性、扶養の実態は、認定・判定の段階で提出すべき事柄です。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。本邦外の子については、送金や渡航の記録が家族の一体性を示す資料になり得ます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

本件のように、積極要素表に正面から乗らない事情でも許可された例があります。事例集は各年20件前後の抜粋で、実際の許可件数のごく一部です。似た事情の許可例が見つからないことは、可能性がないことと同じではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ました。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っています。

不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を進めています。この事件では、入管庁の公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、許可を得た後もなお違反認定処分そのものの取消しを争っています。

多くの罪名では執行猶予判決を得ても結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先の目標に据えます。松村弁護士は接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行は行いません。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を確保します。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更についても、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

配偶者が就労資格である場合こそ、どの事情を積極要素として組み立てるかを早い段階で見極めることが結論を左右します。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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