舟渡国際法律事務所

令和6年後半・不法就労助長・摘発でも在留特別許可|日本人配偶者との婚姻約22年3月・子2人・刑事処分なしで許可された事例(A類型許可第3事例)

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令和6年後半・不法就労助長・摘発でも在留特別許可|日本人配偶者との婚姻約22年3月・子2人・刑事処分なしで許可された事例(A類型許可第3事例)

令和6年後半・不法就労助長・摘発でも在留特別許可|日本人配偶者との婚姻約22年3月・子2人・刑事処分なしで許可された事例(A類型許可第3事例)

2026/08/06

事例の概要

不法就労助長は、公表事例では不許可が並ぶ類型です。そのなかで許可された例が、出入国在留管理庁が令和7年7月に公表した令和6年後半(改正法施行後)の事例集のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第3事例で、結論は許可でした。違反態様は不法就労助長、端緒は摘発です。在日期間は約21年8月、日本人配偶者との婚姻期間は約22年3月、子は2人(うち未成年者1人)で、刑事処分は「無」と記載されています。違反期間の欄は斜線で消され記載がありません。許可内容は「日本人の配偶者等(1年)」でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

枠組みは令和6年3月改定のガイドラインで、改正入管法(令和6年6月10日施行)による申請手続の新設(入管法50条1項)と考慮事情の明示(同条5項)の後の判断です。

  • 積極・第2の2(1)(ウ):日本人との法的婚姻と夫婦間の子。約22年3月の婚姻と子2人は「安定かつ成熟」に正面から当たります。
  • 積極:令和6年改定で明示された子の利益。未成年の子1人がこれに当たります。
  • 消極・第2の3(イ):他の外国人の不法就労に関わる行為。素行不良として明示的に列挙され、最も重く働きます。
  • 消極:端緒が摘発で、「自ら出頭したこと」の積極要素は得られていません。
  • 消極・第2の5は、違反期間の記載がないため評価できません。

結論を分けた一線はどこか

同じA類型の不許可第2事例と並べると輪郭が出ます。そちらも不法就労助長・摘発で、在日約33年8月、婚姻期間約34年2月と期間はむしろ長いのですが不許可でした。違いは、罰金20万円の略式命令があること、子がないこと、配偶者と別居していることの3点です。天秤を傾けたのは期間の長さではなく、家族関係が現に機能していることと刑事処分を伴わなかったことの組合せと読めます。

弁護士のコメント

不法就労助長罪(入管法73条の2)では、雇う側が相手方の在留資格をどこまで認識していたかが常に争点になります。刑事事件では故意・過失の検討が当然の出発点ですが、入管実務では退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないとする運用が長年踏襲されてきました。この運用は責任主義の射程を行政処分にどこまで及ぼすかという根本問題を含み、松村大介弁護士はこの論点を問う訴訟を現に係争中です。結論を述べられる段階にはありませんが、刑事段階から認識の有無を争っておくことが、後の入管手続の主張の土台になります。

本事例で刑事処分が「無」であった点も見逃せません。不起訴処分を得られていれば第2の6の反社会性の評価が変わり得ます。備えるべき資料は、従業員の在留カードの確認記録、雇用の実質的な意思決定者との関係、婚姻の実体(同居・家計・子の在学)です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この類型は公表事例で不許可が目立ちます。もっとも事例集は各期間の抜粋にすぎず、現に本事例は許可された実例です。当事務所が担当した不法就労助長の事案も、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。傾向は出発点にとどまります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に立たれた女性の事案では、退去強制事由には故意・過失が不要とする従来の実務を問い直すべく、責任主義・過失責任主義の射程を正面から問う訴訟を係争中です。この事案では、入管庁の公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型でありながら在留特別許可を獲得し、その後も違反認定処分そのものの取消しを争っています。本記事の類型に最も近い経験です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行は行いません。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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