中国籍の方が空き巣(住居侵入・窃盗)の疑いで逮捕されたら|ご家族が知っておきたい初動対応
2026/09/12
先日、千葉県内で中国籍の男性2名が住居侵入・窃盗の疑いで逮捕されたとの報道がございました。他人の住居に立ち入り金品を持ち去ったとされる、いわゆる「空き巣」の被疑事実です。個別事案の詳細に立ち入ることは差し控えますが、同種の類型は在日中国人の方が巻き込まれる刑事事件として決して珍しくございません。突然の逮捕の知らせを受け、どうしたらよいか分からず不安を抱えていらっしゃるご家族の方も多いのではないかと存じます。本稿では、住居侵入・窃盗事件における刑事手続の概略と、外国人事件特有の在留資格上のリスク、そして初動対応で押さえておきたい点を解説いたします。
想定される刑事手続の流れ
住居侵入罪(刑法130条)・窃盗罪(刑法235条)の被疑事実で逮捕された場合、警察は逮捕から48時間以内に事件を検察官に送致するかどうかを判断し、送致を受けた検察官はさらに24時間以内に勾留請求の要否を判断いたします。裁判官が勾留を認めれば、原則10日間、やむを得ない事由があればさらに10日間、身柄拘束が続くことになります。合計しますと、逮捕から起訴・不起訴の判断まで、最長で23日間程度の身柄拘束が生じ得るということでございます。この間に、被害弁償・示談が成立するか否か、余罪の有無、前科前歴の有無などを踏まえ、検察官が起訴するか不起訴とするかを判断いたします。初犯で被害が軽微、被害弁償が成立している場合には、不起訴(起訴猶予)となる可能性も十分にございますが、それは自動的に得られるものではなく、弁護活動の内容によって左右される点に留意が必要でございます。
外国人事件特有のリスク
住居侵入・窃盗の事案であっても、外国人の方の場合は、刑事手続の帰趨がそのまま在留資格の帰趨に直結する点に、日本人の事件とは異なる特有の重みがございます。入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由と定めており、常習性が認められる窃盗や被害額の大きい事案では、この1年超の拘禁刑という水準に至る可能性がございます。他方、執行猶予が付されたとしても、同号は執行猶予の有無を区別せずに規定されているため、「執行猶予が付いたから安心」とは限らないという点は、外国人事件特有の落とし穴として繰り返し強調されるべき事柄でございます。また、たとえ不起訴・微罪処分となった場合でも、在留期間更新時に「素行不良」と評価され、更新が拒否されるリスク(入管法21条3項)が併存いたします。
不起訴処分の重要性
上記のとおり、執行猶予付き判決を獲得しても在留資格を失うおそれが残る類型である以上、弁護活動の最優先目標は、起訴前段階における不起訴処分の獲得に置かれるべきであると当職は考えております。被害者との示談交渉、被害弁償の実現、再犯防止に向けた環境整備(身元引受人の確保等)を通じて、検察官に対し起訴猶予相当であることを具体的に説明する意見書を提出することが、実務上有効な弁護活動となります。特に、初犯であり、被害が軽微で、被害者の宥恕が得られている事案では、示談の成立が不起訴獲得の決定的な要素となることが少なくございません。
初動対応で押さえておきたい3つのポイント
第一に、取調べにおいては黙秘権を行使する権利があることを忘れないでいただきたいと存じます。不慣れな環境の中で不用意に供述してしまうと、後の弁護活動に支障を来すことがございます。第二に、できる限り早期に弁護人を選任することが重要でございます。逮捕直後は当番弁護士制度を利用することもできますが、外国人事件・入管関係に精通した私選弁護人への早期の切替えをお勧めいたします。第三に、通訳の質にも十分な注意を払っていただきたく存じます。捜査機関が用意する通訳と、弁護人が独自に手配する通訳とでは、依頼者の利益を守る立場が異なります。供述調書の正確性は、後の公判・入管手続の双方に影響を及ぼします。
当事務所のご案内と解決事例
当事務所(舟渡国際法律事務所・東京都豊島区)の松村大介弁護士は、中国籍の依頼者を中心に、外国人刑事事件について豊富な実績を有しております。たとえば、観光目的で来日し日本人女性との間に子をもうけた依頼者について、婚姻・認知の手続が未了であったという困難な事情のもとでも、入管当局との交渉と過去の許可事例の分析を通じて、難関とされる在留特別許可を一度の申請で獲得した事例がございます(弁護士ドットコム掲載)。また、特殊詐欺の受け子行為で複数回にわたり再逮捕された事案において、取調べへの適切な対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した実績もございます(弁護士ドットコム掲載)。
これらの実績は罪名こそ異なりますが、いずれも「起訴前段階からの不起訴獲得」「万一の場合の在留資格防御」という点で、住居侵入・窃盗事案にも共通する弁護方針でございます。当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行は行っておりません。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のための通訳をご利用いただけます。万一、退去強制手続に進んでしまった場合にも、入管庁が公表する許可事例を踏まえた在留特別許可の獲得実績を踏まえ、一体的な弁護活動を提供いたします。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更についても、提携の行政書士と連携し、ワンストップで対応可能でございます。
結語
住居侵入・窃盗の被疑事実であっても、外国人の方にとっては在留資格の存続に直結し得る重大な事件でございます。逮捕の知らせを受けたご家族の方は、まず落ち着いて、できる限り早期に弁護人へご相談いただくことが何よりも重要でございます。なお、本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。本記事は2026年9月時点の情報に基づく。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
中文版(简体字):中国籍人士因涉嫌入室盗窃(住宅侵入・窃盗)被捕|家属须知的初期应对
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------