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捜査に協力して供述すると量刑は軽くなりますか|共犯者供述と協議・合意制度

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捜査に協力して供述すると量刑は軽くなりますか|共犯者供述と協議・合意制度

捜査に協力して供述すると量刑は軽くなりますか|共犯者供述と協議・合意制度

2026/08/13

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組織的な事件で逮捕された方から、上位者について話せば刑が軽くなるのかというご質問をいただくことがあります。日本には、一定の犯罪について検察官と被疑者・被告人が協議し、他人の刑事事件に関する供述等をする代わりに不起訴や求刑の軽減を得る制度がありますが、対象犯罪は限定されています。それ以外の場面では、捜査への協力は量刑事情の一つとして考慮されるにとどまります。本稿では、協議・合意制度の枠組み、供述することの利益と危険、そして在留資格の観点から見た判断のポイントを整理します。

本記事の要点

  • 刑事訴訟法350条の2以下の協議・合意制度は、薬物銃器関係や財政経済関係の特定犯罪に対象が限定されています。
  • 制度の対象外であっても、捜査に協力した事実は、反省の態度や再犯防止の観点から量刑上考慮され得ます。
  • 供述の内容が変遷すると、かえって信用性を疑われ、自らの関与についても不利に評価されるおそれがあります。
  • 供述による量刑の軽減が執行猶予にとどまる場合、別表第一の在留資格の方は入管法24条4号の2の適用を免れません。

日本に司法取引の制度はありますか

限定された形で存在します。刑事訴訟法350条の2以下が定める協議・合意制度は、被疑者または被告人が、他人の刑事事件について供述したり証拠を提出したりすることに協力する見返りに、検察官が不起訴や特定の訴因での起訴、軽い求刑などを行うことを合意する仕組みです。ただし、対象となる特定犯罪は、薬物銃器関係の犯罪や、租税・金融商品取引法違反などの財政経済関係の犯罪等に限られており、すべての事件で利用できるわけではありません。また、合意には弁護人の同意が必要とされ、弁護人が関与しない協議は認められません。自分の事件が対象となるかどうかは、罪名だけでは判断できないことがありますので、まずは弁護人に確認することが出発点になります。

制度の対象外でも協力すれば有利になりますか

量刑事情として考慮される余地はありますが、制度としての保証はありません。裁判所は、被告人が事実を率直に述べ、事件の解明に資したことを、反省の程度や更生の可能性を示す事情として評価することがあります。もっとも、その評価は他の事情との総合判断の中に埋もれやすく、どの程度の減軽につながるかは予測が困難です。他方、上位者について供述することには現実的な危険も伴います。共犯者やその関係者から圧力を受けるおそれがある場合、身体の安全や家族への影響を考慮しなければなりません。したがって、協力するか否かは、期待できる効果と負担を具体的に比較したうえで、弁護人と相談して決める事柄であり、取調べの場で即断すべきものではありません。

供述するときに注意すべきことは何ですか

記憶に基づき、確実な範囲で述べることが最も重要です。捜査機関の想定に沿って話を合わせてしまうと、後に客観証拠と矛盾が生じ、供述全体の信用性が崩れます。とりわけ、自分が直接見聞きしていない組織の構造や資金の流れについて、推測を交えて述べることは避けるべきです。また、中国語での取調べでは、伝聞と体験の区別、確信の度合いを表す表現が訳出の過程で失われやすく、断定した供述として記録されることがあります。読み聞かせの際に少しでも違和感があれば、その場で訂正を求めてください。供述の対価として何らかの約束があったと理解している場合には、その内容を弁護人に正確に伝えることが不可欠です。

協力による軽減は在留資格を守れますか

軽減が不起訴に至るのであれば大きな意味がありますが、執行猶予にとどまる場合には注意が必要です。別表第一の在留資格の方が詐欺・窃盗・傷害・住居侵入・偽造等で拘禁刑に処せられた場合、執行猶予が付いても入管法24条4号の2により退去強制事由に該当します。薬物に関する事犯であれば、同法24条4号チにより、やはり執行猶予でも該当し、上陸拒否は期間の定めなく及びます。したがって、協力の結果として求刑が軽くなっても、それが有罪判決である限り、在留の面では救済にならない類型が存在します。この点を踏まえると、協力の目的は量刑の軽減ではなく不起訴処分の獲得に置くべきであり、その見通しを立ててから判断することが合理的です。

よくあるご質問

上位者の名前を話せば釈放されますか

釈放と供述内容は直接には結び付きません。勾留の判断は罪証隠滅と逃亡のおそれによりますので、供述したからといって当然に釈放されるわけではありません。釈放を求める主張は、住居や身元引受の状況を軸に組み立てる必要があります。

協議・合意をしたのに検察官が約束を守らない場合はどうなりますか

合意は書面によって行われ、内容に違反があった場合の効果も法律に定められています。弁護人の関与が要件とされていますので、まずは弁護人に経緯を伝え、合意書の記載に照らして対応を検討することになります。

共犯者が先に自分について供述している場合はどうすべきですか

共犯者供述は利害が対立する立場からのものであり、そのまま信用されるわけではありません。慌てて内容に合わせるのではなく、客観証拠との整合性を検証し、矛盾点を具体的に示していく対応が有効です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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