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受け取った現金の使途は量刑にどう影響しますか|報酬・費消・返還と没収追徴の実務

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受け取った現金の使途は量刑にどう影響しますか|報酬・費消・返還と没収追徴の実務

受け取った現金の使途は量刑にどう影響しますか|報酬・費消・返還と没収追徴の実務

2026/08/13

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詐欺の受け取り役や運搬役として関与したと疑われる事案では、手にした現金をどうしたのかが必ず問われます。全額を上位者に渡したのか、報酬として一部を受け取ったのか、生活費に費消したのか、手元に残っているのか。この点は、関与の程度や利得の有無を通じて量刑に影響するだけでなく、没収・追徴の可否や被害弁償の実現可能性にも直結します。本稿では、使途の説明が量刑判断で果たす役割、犯罪収益の没収追徴の枠組み、被害弁償の組み立て方、そして在留資格への影響を整理します。

本記事の要点

  • 受領した現金のうち自己が取得した額は、利得の大きさとして量刑上重視される要素の一つです。
  • 組織的犯罪処罰法は犯罪収益の没収と、没収できない場合の価額の追徴を定めており、費消していても追徴の対象となり得ます。
  • 手元に残っている現金は、早期に被害弁償へ充てることで、量刑上も入管手続上も意味のある事情になります。
  • 使途に関する説明は、故意や共謀の認定と密接に結び付くため、初動での供述の組み立てが結果を左右します。

受け取った金額と自分の取り分は、どちらが重視されますか

両方が見られますが、意味づけが異なります。受け取った総額は被害の規模を示し、自己の取り分は関与の動機と利得を示します。総額が大きくても取り分がごく僅かであれば、組織における立場が末端であったことを示す事情として機能し得ます。逆に、取り分が大きければ、単なる使い走りではなく相応の役割を担っていたと評価される方向に働きます。もっとも、取り分が小さいことのみを強調しても十分ではありません。裁判所は、どのような経緯で関与し、途中で不審を抱いた場面があったか、離脱の機会があったかといった経過を含めて評価します。したがって、金額の多寡だけでなく、募集の経緯や指示の受け方、報酬の決まり方を具体的に説明することが重要になります。

使ってしまった現金も没収や追徴の対象になりますか

なり得ます。組織的犯罪処罰法は、犯罪収益等の没収を定めるとともに、没収すべき財産を没収することができないとき、または相当でないときは、その価額を追徴することができると定めています。すでに費消していても、取得した価額の限度で追徴の対象になり得るということです。また、詐欺罪については、被害者の財産である点で被害回復の要請が強く働き、実務上は被害弁償の有無が量刑判断で重視されます。したがって、手元に残っている金銭があるのであれば、弁護人を通じて早期に被害者への返還や供託を検討すべきです。ご家族が資金を用意される場合も、贖罪の趣旨を明確にした形で行うことが望まれます。金銭の流れを裏づける資料を残しておくことも忘れないでください。

使途の説明は故意の認定にどう関わりますか

使途の説明は、しばしば故意や未必の認識の認定に直結します。たとえば、報酬が業務内容に比して不自然に高額であった、現金を手渡しで受け取る方法が指定されていた、身分を偽る指示を受けていたといった事情は、違法な仕事であるとの認識を推認させる方向に働きます。捜査段階でこれらの点について曖昧に答えると、後から詳細を説明しても、供述が変遷したと評価されかねません。他方、実際に事情を知らずに関与した方も現に存在します。だからこそ初動が重要で、記憶が不確かな部分は不確かなまま述べる、募集時のやり取りが残るアプリの記録を保全する、といった対応が必要です。中国語で微細な言い回しを正確に伝えるためにも、通訳体制の確保された弁護人接見を早期に受けることをお勧めします。

金銭の返還は在留資格の維持に役立ちますか

直接に退去強制事由の有無を左右するものではありませんが、実質的には大きな意味を持ちます。まず、被害弁償が整えば不起訴処分となる可能性が高まり、不起訴であれば入管法24条4号の2にいう拘禁刑に処せられた場合には当たりません。次に、仮に退去強制手続に進んだ場合でも、入管法50条の在留特別許可の判断において、同条5項が定める素行や人道的配慮といった考慮事情の中で、被害回復の努力は積極的な事情として位置づけられます。別表第一の在留資格の方は、詐欺で拘禁刑となれば執行猶予でも退去強制事由に該当しますから、判決を待たずに起訴前の弁償を目指すことが、在留を守るうえで最も現実的な選択です。

よくあるご質問

報酬を受け取っていなければ罪は軽くなりますか

利得がないことは有利な事情として考慮され得ますが、それだけで結論が決まるわけではありません。関与した回数、受け取った総額、組織における役割なども併せて評価されます。無報酬であった経緯を裏づける資料の提出が有効です。

家族が被害弁償をしても本人の情状になりますか

なります。ご家族による弁償も、本人の反省と再犯防止の環境を示す事情として評価されるのが通常です。ただし、本人の謝罪の意思が伴っていることが前提となりますので、謝罪文の作成など併せた対応が望ましいといえます。

被害者の連絡先が分からない場合はどうしますか

弁護人が検察官を通じて示談交渉の意向を伝え、被害者の意向を確認する方法が一般的です。連絡を望まれない場合は、贖罪寄付や供託といった代替手段を検討します。いずれも記録を残すことが重要です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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