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技能実習生が事件に関与した場合|失踪・不法残留と実習継続の可否

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技能実習生が事件に関与した場合|失踪・不法残留と実習継続の可否

技能実習生が事件に関与した場合|失踪・不法残留と実習継続の可否

2026/08/13

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技能実習生の事件では、行為そのものよりも、実習先を離れた後の在留状況が処分と在留を左右することが少なくありません。実習先を離脱した時点で在留資格に応じた活動を行わなくなり、期間の満了とともに不法残留の状態に至るためです。また、身柄拘束により実習が継続できなくなれば、事件が軽微であっても帰国を余儀なくされる場合があります。ここでは、技能実習生に特有の構造と、監理団体・実習先との関係、帰国後の再入国までを整理します。

本記事の要点

  • 実習先からの離脱後に在留期間が満了すれば、入管法24条2号の2または4号ロの不法残留が問題となる。
  • 実習を継続できない状態が続くと、入管法22条の4第1項5号による在留資格の取消しの対象となり得る。
  • 窃盗等で拘禁刑に処せられれば、執行猶予でも入管法24条4号の2に該当し得る。
  • 退去強制を受けた場合、入管法5条1項9号により原則5年間は上陸を拒否される。

実習先を離れた後に事件を起こした場合はどうなりますか

刑事責任に加えて、在留資格に関する複数の問題が同時に発生します。実習先を離脱すると、技能実習という在留資格に対応する活動を行っていない状態となり、その状態が3か月以上続けば、入管法22条の4第1項5号による在留資格の取消しが問題となります。さらに在留期間が満了すれば、不法残留として入管法24条2号の2または4号ロの退去強制事由に該当します。この状態で窃盗などの事件を起こすと、刑事処分と入管手続が同時に進行し、不起訴となっても在留の問題は残ります。したがって、離脱の理由、生活の実情、離脱後の就労の有無を、早い段階で正確に把握することが不可欠です。

離脱の背景事情は考慮されますか

考慮の対象とはなりますが、それだけで在留が認められるわけではありません。実習先での賃金の未払、長時間労働、暴力やハラスメント、契約と異なる作業への従事といった事情は、離脱がやむを得なかったことを示す材料となり、量刑や在留特別許可の判断において斟酌され得ます。これらを主張するには、給与明細、勤務記録、相談履歴、同僚の証言などの裏付けが必要です。労働基準監督署や外国人技能実習機構への申告の記録があれば、有力な資料となります。もっとも、離脱の理由に正当性があっても、不法残留の状態それ自体が解消されるわけではないため、並行して入管手続の見通しを立てる必要があります。

事件後も実習を続けられますか

継続は容易ではありませんが、事案によっては道が残る場合もあります。身柄拘束が長期に及べば実習の継続は事実上困難となり、監理団体や実習実施者が受入れを終了する判断をすることが多いといえます。もっとも、不起訴となり、実習先が引き続き受入れを希望し、監理団体の了解が得られる場合には、実習を再開できる例もあります。この場合、実習実施者からの説明書、監理団体の意見書、本人の反省文と再発防止の誓約を整えて、入管に対して活動の継続性を示すことになります。逆に受入れの継続が困難なときは、実習の中止に伴う帰国か、他の在留資格への変更可能性を検討することになります。

帰国した後、再び日本に来られますか

退去強制を受けたか、自主的に出国したかで、その後の扱いが大きく異なります。退去強制令書により送還された場合、入管法5条1項9号により、原則として5年間(過去に退去強制歴があるときは10年間)は上陸を拒否されます。他方、出国命令制度により出国した場合の上陸拒否期間は1年です。また、1年以上の拘禁刑に処せられたことがある場合には、同条1項4号による上陸拒否も問題となります。将来的な再来日を望むのであれば、退去強制ではなく出国命令の要件を満たすように手続を進められるか、また在留特別許可の可能性があるかを、早期に検討することが重要です。

よくあるご質問

失踪したことは犯罪になりますか

失踪それ自体を処罰する規定はありませんが、在留資格に応じた活動を行わない状態となり、資格取消しや、期間満了後は不法残留の退去強制事由につながります。早期に入管や支援機関へ相談することが望まれます。在留期間が満了する前に相談すれば、選択できる手続の幅も広がります。

実習先の未払賃金は請求できますか

請求できます。在留状況に問題がある場合でも、既に働いた分の賃金債権は失われません。帰国が見込まれる場合は、委任状を残して代理人が請求を継続する方法もありますので、証拠となる記録を保全してください。帰国後の請求も可能ですので、雇用契約書や勤務記録を必ず保管してください。

特定技能への変更はできますか

要件を満たせば可能ですが、不法残留や在留資格取消しの事由がある場合には、事実上困難となります。刑事処分の内容と在留状況を整理したうえで、変更の可否を個別に検討する必要があります。手続の順序を誤ると選択肢が狭まるため、早い段階での確認が重要です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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