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初犯・若年・従属的関与をどう主張するか|役割の限定と処分・在留への効果

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初犯・若年・従属的関与をどう主張するか|役割の限定と処分・在留への効果

初犯・若年・従属的関与をどう主張するか|役割の限定と処分・在留への効果

2026/08/13

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同じグループの事件でも、指示を出した者と、指示に従って動いただけの者とでは、責任の重さは大きく異なります。もっとも、日本の実務では、末端で動いた者も共同正犯として起訴されることが多く、「言われたとおりにしただけ」という説明だけでは役割の限定は認められません。初犯であること、若年であること、従属的な立場であったことを処分に反映させるには、それぞれを裏付ける客観的な事実の積み上げが必要です。ここでは、主張の組み立て方と在留資格への影響を説明します。

本記事の要点

  • 従属的関与の主張は、報酬額・関与期間・指示系統の位置を示す客観資料で裏付ける。
  • 幇助にとどまると認められれば、刑法63条により法定刑が減軽される。
  • 初犯であることは有利な事情だが、被害弁償や生活環境の整備と併せて初めて説得力をもつ。
  • 有罪となる罪名によっては、別表第一の在留資格者は執行猶予でも入管法24条4号の2に該当し得る。

「言われたとおりにしただけ」は通用しますか

その説明だけでは、共同正犯としての責任を免れることはできません。日本の刑法では、犯罪を共同して実行した者は全員が正犯となり、実行行為の一部を分担していれば、指示を受けた側であっても共同正犯とされるのが通例です。役割の限定を認めてもらうためには、報酬が固定の少額であったこと、犯行の全体像や被害額を知らされていなかったこと、離脱を申し出た経緯があること、指示を拒否できない状況に置かれていたことなど、具体的な事実を証拠で示す必要があります。逆に、報酬の歩合、他の関与者への指示、道具や口座の手配といった事情があれば、従属性の主張は弱まります。

幇助にとどまるという主張は有効ですか

認められれば量刑上の効果は大きく、検討する価値があります。刑法62条の従犯(幇助犯)は、正犯の実行を容易にしたにとどまる場合であり、同法63条により正犯の刑が減軽されます。実行行為そのものを分担していない場合、たとえば口座や携帯電話を提供したにすぎない場合、現場での見張りにも当たらない周辺的な援助にとどまる場合には、幇助の成立を主張する余地があります。もっとも、犯行計画の共有や継続的な関与があると、共同正犯と評価される傾向にあります。主張の当否は、関与の時期・回数・不可欠性という観点から検討され、通信記録や移動履歴が判断の資料となります。

若年であることはどのように考慮されますか

年齢に応じて、適用される手続と量刑上の評価が変わります。行為時に18歳・19歳であれば少年法上の特定少年として扱われ、原則として家庭裁判所へ送致されたうえで処遇が判断されます。20歳以上であれば通常の刑事手続によりますが、若年であること、社会経験に乏しいこと、生活の困窮や在留上の不安につけ込まれた経緯は、犯情および一般情状として考慮され得ます。ただし、年齢のみで結論が変わるわけではありません。学業や就労への復帰の見込み、家族による監督体制、再犯防止のための具体的な計画を示して、更生可能性を裏付けることが求められます。

役割が限定的でも在留資格を失うことがありますか

役割が従属的でも、有罪となる罪名によっては退去強制の対象となり得ます。入管法24条4号の2は、別表第一の在留資格者が窃盗・詐欺・住居侵入・偽造等の罪で拘禁刑に処せられた場合を対象としており、共同正犯か幇助かを問いません。執行猶予でも除外されない点も同じです。したがって、量刑を軽くする主張と並行して、そもそも起訴を避ける、あるいは対象外の罰条で処理される可能性を検討することが重要です。留学生や家族滞在の若年者の場合、身柄拘束による退学や活動の中断が、入管法22条の4による在留資格の取消しにつながることもあり、学校や勤務先との連絡確保も並行して行う必要があります。

よくあるご質問

初犯なら執行猶予になりますか

初犯は有利な事情ですが、被害額や犯行態様によっては実刑もあり得ます。特に組織的な詐欺では、初犯でも実刑となる例があります。被害弁償、監督者の確保、再犯防止計画を具体的に示すことが不可欠です。更生環境を示す資料は、判決前に提出できるよう早めに整えてください。

報酬をほとんどもらっていない場合はどうですか

利得が少ないことは、従属的な立場や利欲的動機の乏しさを示す事情として考慮され得ます。振込履歴や約束された金額のやり取りなど、報酬に関する客観資料を保全し、関与の全体像とともに示すことが有効です。報酬の約束や受領を示す記録は、削除せずに保全しておくことが大切です。

18歳ですが刑事裁判になりますか

特定少年として原則まず家庭裁判所に送致されます。事案によっては検察官送致となり、公判に付されることもあります。いずれの場合も、在留への影響を見据えて、早い段階から弁護士に相談することが重要です。手続の選択によって在留への影響も変わりますので、方針を確認しておいてください。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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