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暗号資産で報酬を受け取った場合の刑事責任|追跡・没収と在留資格への影響

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暗号資産で報酬を受け取った場合の刑事責任|追跡・没収と在留資格への影響

暗号資産で報酬を受け取った場合の刑事責任|追跡・没収と在留資格への影響

2026/08/13

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USDTやビットコインで報酬を受け取っていたとしても、匿名性が保たれるとは限りません。取引所の本人確認情報、送金経路の解析、端末に残るウォレットの記録から、受領の事実と金額は相当程度まで特定されます。受け取った資金が詐欺や薬物取引に由来するものであった場合には、組織的犯罪処罰法上の犯罪収益等収受罪などが問題となり、没収・追徴の対象にもなります。ここでは、暗号資産による報酬受領がどう立件されるか、初動での注意点、在留資格への影響を整理します。

本記事の要点

  • ブロックチェーン上の送金は追跡可能で、取引所の本人確認情報と結び付けて特定される。
  • 犯罪収益と知って受け取った場合、組織的犯罪処罰法11条の犯罪収益等収受罪が成立し得る。
  • 受け取った暗号資産は没収・追徴の対象となり、換価済みでも価額の追徴を受け得る。
  • 原因となる犯罪が詐欺等であれば、別表第一の在留資格者は入管法24条4号の2に該当し得る。

暗号資産の受け取りはどうやって特定されるのですか

取引所の記録とチェーン解析の突合により、受領者はかなりの精度で特定されます。国内外の交換業者は本人確認を義務付けられており、送金時には送付元・送付先の情報を通知する枠組みも整備されています。捜査機関は、被害金が交換業者に入金された経路をたどり、アドレス間の送金をたどるチェーン解析を行い、最終的な出金先の口座名義や登録情報に到達します。加えて、押収した端末に残るウォレットアプリ、シードフレーズを撮影した画像、取引所からの通知メールなども有力な証拠となります。「取引所を使わず個人間で受け取った」場合でも、相手方の記録や換金時の現金授受から把握されることがあります。

受け取った資金が犯罪由来だと知らなかった場合はどうなりますか

知情性、すなわち犯罪収益であるという認識の有無が最大の争点になります。組織的犯罪処罰法11条の犯罪収益等収受罪は、情を知って犯罪収益等を収受した場合に7年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)を定めており、確定的な認識までは要せず、未必の故意で足りると解されています。そのため、報酬が労務の対価として不自然に高額である、送金元が頻繁に変わる、身分証の提示を求められない、現金化を急ぐよう指示されるといった事情が積み重なると、認識があったと推認されやすくなります。反対に、正規の業務委託契約、請求書、成果物の実在といった資料は、対価性を裏付ける方向に働きます。

取調べや資産の扱いで注意することは何ですか

ウォレットの操作と資産の移動を自己判断で行わないことが重要です。捜査が始まった後に残高を別のアドレスへ移す、取引所の口座を解約するといった行為は、証拠隠滅や犯罪収益の隠匿と評価され、勾留の理由にも、新たな罪の嫌疑にもなり得ます。取調べでは、送金履歴という客観証拠が先に存在するため、金額や回数について記憶に反する説明をすると信用性を損ないます。他方、資金の性質に関する認識は評価を含む事項ですから、質問の趣旨を確かめずに肯定すべきではありません。通訳を介する場合、「知っていた」「気づいていた」「疑っていた」の区別は訳出で曖昧になりやすく、調書化の際の確認が欠かせません。

在留資格にはどのように影響しますか

適用される罰条によって、退去強制事由の該当性が分かれます。組織的犯罪処罰法違反は、入管法24条4号の2が列挙する刑法上の罪には含まれないため、同号による退去強制の対象とはなりません。もっとも、原因となる犯罪が詐欺や窃盗であり、その共犯として拘禁刑に処せられれば、別表第一の在留資格者は執行猶予でも同号に該当し得ます。また、資金が薬物取引に由来し麻薬特例法違反に問われた場合には、24条4号チにより執行猶予でも退去強制事由となります。1年を超える実刑であれば24条4号リも問題となるため、どの罰条で処理されるかを早期に見極める必要があります。

よくあるご質問

海外取引所を使えば追跡されませんか

追跡されないとはいえません。海外の交換業者にも本人確認や送金情報の通知の枠組みが広がっており、国際的な捜査共助や送金経路の解析により、受領者に到達する例は多くあります。追跡困難を前提に説明を組み立てることは避けるべきです。追跡の可否を前提とせず、事実関係と認識の有無を正確に整理することが結局は近道です。

受け取った暗号資産はどうなりますか

犯罪収益と認定されれば没収の対象となり、すでに換金や送金をしていても価額の追徴を受け得ます。任意に返還や供託をした事実は量刑上考慮されますので、処分の見通しを踏まえて弁護人と方針を決めるのが適切です。残高の移動や口座の解約は、隠匿と評価される危険があるため、独断で行わないでください。

報酬額が少額でも起訴されますか

金額のみで決まるものではなく、認識の程度、関与の回数、組織における役割、被害の規模などが総合考慮されます。少額かつ一回的な関与で、被害弁償や説明資料が整っていれば、起訴猶予となる余地はあります。関与の期間や回数を示す客観資料を整えることが、処分の判断に影響します。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 特殊詐欺の出し子とされた20代の依頼者について、指示役からの欺罔的・威圧的状況と犯意の不存在を主張し、不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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