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特殊詐欺のリクルーター(勧誘役)の刑事責任|共謀共同正犯とされる範囲

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特殊詐欺のリクルーター(勧誘役)の刑事責任|共謀共同正犯とされる範囲

特殊詐欺のリクルーター(勧誘役)の刑事責任|共謀共同正犯とされる範囲

2026/08/13

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自分は電話もかけず現金も受け取っていないのに、知人を紹介したことで特殊詐欺の共犯として立件される例があります。人を勧誘して受け子や出し子に就かせる役割は、実行行為を直接担わなくても、共謀共同正犯として詐欺罪(刑法246条)の責任を負い得ます。中国籍の方の事案では、留学生や技能実習生のコミュニティ内で「割のいいアルバイト」として紹介したところ、紹介料を受け取っていたことが決め手となる例が見られます。ここでは、勧誘行為がどの範囲で共犯となるか、紹介料の評価、在留への影響を整理します。

本記事の要点

  • 実行行為を担当していなくても、共謀の成立が認められれば共謀共同正犯として詐欺罪の責任を負います。
  • 紹介料の受領は、単なる紹介ではなく組織への貢献と評価される有力な間接事実になります。
  • 紹介した相手が実行した被害についても、共謀の範囲内であれば責任が及びます。
  • 詐欺の共犯として拘禁刑に処せられれば、別表第一の在留資格者は執行猶予でも入管法24条4号の2に当たります。

紹介しただけで共犯になるのはなぜですか

共謀共同正犯は、二人以上の者が特定の犯罪を実現する意思を通じ合い、そのうちの一部の者が実行した場合に、実行しなかった者にも正犯としての責任を認める考え方です。リクルーターは、組織が必要とする実行役を供給することで犯行の実現に不可欠な寄与をしていると評価されやすく、単なる幇助ではなく正犯とされる例が少なくありません。判断では、勧誘の際に仕事の内容をどこまで説明したか、組織の上位者と直接連絡していたか、勧誘の人数と反復性、報酬の受領形態が重視されます。逆に、一度限りで仕事内容の詳細を知らず、報酬も受け取っていない場合には、共謀の成立を争う余地が生じます。

「違法な仕事とは知らなかった」と言えますか

結論として、主張自体は可能ですが、勧誘の態様が説明と整合するかが厳しく検証されます。捜査機関は、勧誘時の文言、報酬額の水準、身分証の写真送付を求めたか、連絡手段に消去機能のあるアプリを指定したかといった事情から、少なくとも違法な仕事かもしれないという認識を推認します。特に、日本語が不自由な相手に対し、業務内容を説明せずに「荷物を受け取るだけ」と伝えていた場合、内容を伏せたこと自体が違法性の認識を示す事情と評価され得ます。したがって、勧誘時のやり取りの記録、紹介の経緯、自らも同様に勧誘された立場であったのかどうかを、時系列で具体的に整理して説明する必要があります。

紹介した人が起こした被害まで責任を負いますか

共謀の射程が及ぶ限り、紹介した相手が実行した詐欺についても責任を負います。実務では、紹介の時点で予定されていた業務の内容、その後も連絡を取り継続的に関与していたか、報酬が被害額に連動していたかによって、責任範囲が画されます。逆に、紹介後に一切関与せず、相手が別の組織で別の類型の犯行に及んだ場合には、共謀の射程外であるとの主張が成り立ち得ます。この切り分けは量刑に大きく影響しますので、共犯者の供述に依拠した広範な認定に対しては、通信履歴や送金記録に基づく客観的な反証が必要です。責任の範囲を争うことは、否認と反省の欠如とは異なりますので、その趣旨を明確にした主張が求められます。

在留と生活の再建はどう考えるべきですか

詐欺の共犯として拘禁刑に処せられた場合、別表第一の在留資格をお持ちの方は、執行猶予であっても入管法24条4号の2の退去強制事由に該当します。したがって、起訴前の不起訴処分が最大の目標となり、被害弁償への協力、勧誘した相手方への対応、組織との関係の断絶を具体的に示す必要があります。加えて、勧誘行為が有償の職業紹介として労働法規に触れる場合もあり、事案の全体像を確認することが重要です。留学生の場合には、資格外活動(入管法19条)の問題が併存することがあります。仮に退去強制手続に進んだ場合には、入管法50条の在留特別許可の可能性と、監理措置(同44条の2以下)による収容回避を検討します。

よくあるご質問

紹介料を受け取っていなければ共犯になりませんか。

報酬の有無は重要な間接事実ですが、それだけで共犯性が否定されるわけではありません。仕事内容の説明、上位者との連絡状況、反復性が総合して判断されます。ただし無償であることは、関与の程度を示す有利な事情として主張できます。紹介の回数と、勧誘の文言をどこまで自分で作成したかも、判断材料となります。

自分も同じように誘われた側です。減軽されますか。

自らも勧誘され、組織の末端で指示を受けていた事情は、量刑上の有利な情状として考慮されます。ただし責任が消えるわけではありません。勧誘された経緯と、自らが得た利益の有無を客観資料で示すことが必要です。勧誘された経緯を示すやり取りは、削除せずそのまま保全しておいてください。

紹介した友人が逮捕されました。今から相談できますか。

捜査が及ぶ前の段階での相談が最も有効です。供述の方針、任意出頭の在り方、保全すべき資料の確認を事前に整理できます。連絡履歴の削除は罪証隠滅と評価される可能性があるため、自己判断での操作は避けてください。事情聴取の日時と内容を記録し、供述の一貫性を保つ準備をしておくことが有効です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 特殊詐欺の出し子とされた20代の依頼者について、指示役からの欺罔的・威圧的状況と犯意の不存在を主張し、不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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