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かけ子(架電役)で逮捕されたら|組織的詐欺の適用と重い量刑への備え

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かけ子(架電役)で逮捕されたら|組織的詐欺の適用と重い量刑への備え

かけ子(架電役)で逮捕されたら|組織的詐欺の適用と重い量刑への備え

2026/08/13

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被害者に電話をかけて虚偽の説明を行う、いわゆるかけ子は、詐欺の欺罔行為そのものを担うため、特殊詐欺の分担者の中でも重く扱われます。詐欺罪(刑法246条)に加え、団体の活動として組織により反復されたと評価される場合には、組織的犯罪処罰法3条1項による組織的詐欺として、1年以上20年以下の拘禁刑という加重された法定刑が適用されます。近年は、日本国内外の拠点で中国語話者が中国語圏の被害者に架電する形態も摘発されています。ここでは、立証構造、量刑の考え方、在留への影響を整理します。

本記事の要点

  • かけ子は欺罔行為の中心を担うため、受け子・出し子に比べて起訴・実刑の可能性が高い類型です。
  • 組織的犯罪処罰法3条1項が適用されると、法定刑は1年以上20年以下の拘禁刑に加重されます。
  • 架電名簿、通話履歴、マニュアル、勤務表が押収されるため、被害件数の特定は精密に行われます。
  • 詐欺は刑法第37章の罪であり、別表第一の在留資格者は執行猶予でも入管法24条4号の2に該当します。

かけ子はなぜ重く処罰されるのですか

詐欺罪の中核は、人を欺いて錯誤に陥らせる行為であり、かけ子はその実行そのものを担当します。被害者に直接働きかけ、不安をあおって判断を誤らせる役割であるため、犯情は重く評価されます。さらに、拠点に集まり、名簿とマニュアルを用いて反復的に架電していた実態が認められると、組織的犯罪処罰法3条1項の組織的詐欺に問われ、法定刑の下限が1年に引き上げられます。この場合、初犯であっても実刑の可能性が現実的なものとなります。加えて、被害件数が多数に及べば併合罪として処断刑の幅が広がり、量刑は一段と重くなります。したがって、弁護方針は、関与期間と担当件数の正確な確定から出発する必要があります。

自分が担当した被害はどう特定されるのですか

捜査機関は、押収した名簿への書込み、通話履歴、拠点内の座席表や勤務表、支給された端末の解析結果を突き合わせて、誰がどの被害者に架電したかを特定します。中国語で作成されたマニュアルや、SNSの業務連絡グループの履歴も重要な証拠となります。ここで問題となるのは、実際には担当していない被害まで包括して認定されるおそれがあることです。共犯者の供述だけで件数が拡大している場合には、客観証拠との整合性を精査し、担当していない部分を切り分ける主張が必要になります。件数は量刑に直結しますので、被害総額の前提が正しいかどうかの検証は、弁護活動の中でも優先度の高い作業です。

反省と弁償はどこまで意味がありますか

結論として、意味は大きいものの、かけ子の類型では弁償のみで不起訴となることは多くありません。それでも、被害者ごとの弁償、犯行の全容についての正確な説明、組織からの離脱の意思を具体的に示すことは、量刑を左右する重要な事情です。特に、渡航や滞在の経緯において、就労できる在留資格がないまま生活費に窮して勧誘に応じた事情がある場合には、背景事情として説明する価値があります。ただし、生活困窮は責任を否定する事情ではありません。また、組織の指示者に関する供述は、報復への懸念を伴うため、供述の範囲と保護の在り方を弁護人と十分に協議する必要があります。安易な自己保身の供述は、後に信用性を損ないます。

在留手続はどうなりますか

詐欺は刑法第37章の罪ですから、別表第一の在留資格をお持ちの方は、執行猶予付き判決であっても入管法24条4号の2により退去強制事由に該当します。もっとも、かけ子の類型では実刑が見込まれる事案が多く、その場合は1年を超える拘禁刑として同条4号リにも当たり得ます。刑の執行を終えた後、入管の収容手続に移行し、退去強制令書が発付されると、入管法5条1項9号により退去強制の日から原則5年、2回目以降は10年の上陸拒否期間が生じます。家族が日本に定着している場合には、入管法50条の在留特別許可を求める余地がありますが、犯情の重さは不利に働きます。刑事段階から在留を見据えた資料の準備が必要です。

よくあるご質問

台本を読んでいただけでも詐欺になりますか。

台本の読み上げであっても、被害者を欺く行為を実行しているため詐欺の実行行為に当たります。内容が虚偽であるとの認識があれば故意も認められます。ただし、関与の経緯や指示への従属性は、量刑上の重要な情状として考慮されます。担当した架電の件数と期間を客観資料で確定させることが、量刑上の出発点になります。

被害者が中国にいる場合も日本で処罰されますか。

架電行為が日本国内で行われていれば、日本の刑罰法規が適用されます。被害者の所在国は成立自体を左右しません。国際的な捜査共助により被害の裏付けが行われる場合もあり、被害件数の特定方法を確認する必要があります。国外の被害について、被害届や供述の入手方法を確認しておく必要があります。

実刑になった場合、家族の在留はどうなりますか。

ご本人の退去強制と、ご家族の在留資格は別に判断されます。ただし、扶養関係を前提とする家族滞在では、基礎となる在留資格が失われれば影響が及びます。早期に家族の資格変更や生活基盤の維持策を検討する必要があります。配偶者の就労資格への変更が可能かどうかも、早い段階で確認しておくべきです。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 特殊詐欺の出し子とされた20代の依頼者について、指示役からの欺罔的・威圧的状況と犯意の不存在を主張し、不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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