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暴力行為等処罰法違反で逮捕されたら|数人共同の暴行と退去強制事由の直結に注意

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暴力行為等処罰法違反で逮捕されたら|数人共同の暴行と退去強制事由の直結に注意

暴力行為等処罰法違反で逮捕されたら|数人共同の暴行と退去強制事由の直結に注意

2026/08/13

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複数人で相手に暴行を加えた、集団で店の物を壊したという事案は、刑法の暴行罪や器物損壊罪ではなく、暴力行為等処罰に関する法律違反として立件されます。この法律は、在留外国人にとってとりわけ重い意味をもちます。入管法24条4号の2が、同法1条等の罪を明文で列挙しているため、別表第一の在留資格の方が拘禁刑に処せられれば、執行猶予付きであっても退去強制事由に当たるからです。本稿では、成立要件と在留への直接的な影響を整理します。

本記事の要点

  • 団体もしくは多衆の威力を示し、または数人共同して暴行、脅迫、器物損壊の罪を犯した場合、同法1条により3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となります。
  • 常習として傷害、暴行、脅迫、器物損壊の罪を犯した場合は同法1条の3により加重されます。
  • 入管法24条4号の2は暴力行為等処罰法1条、1条の2第1項および第2項、1条の3の罪を明文で列挙しています。
  • 別表第一の在留資格の方は、執行猶予付きの拘禁刑であっても退去強制事由に該当するため、不起訴処分の獲得が決定的に重要です。

どのような場合に暴力行為等処罰法が適用されますか

適用の中心は、集団性または凶器の使用です。同法1条は、団体もしくは多衆の威力を示し、団体もしくは多衆を仮装して威力を示し、または兇器を示し、もしくは数人共同して、刑法の暴行、脅迫、器物損壊の各罪を犯した者を、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すると定めています。数人共同してとは、二人以上の者が現場において共同して実行することをいい、直接手を出していなくても、現場で共同の意思のもとに加勢していれば含まれ得ます。また、銃砲や刀剣類を用いて人の身体を傷害した場合には同法1条の2により重い刑が定められ、常習として傷害、暴行、脅迫、器物損壊の罪を犯した場合には同法1条の3が適用されます。単独の暴行であれば刑法208条の暴行罪にとどまる行為が、人数がそろうだけで別の法律の適用を受ける点に注意が必要です。

なぜ在留外国人にとってとくに重大なのですか

理由は、入管法24条4号の2が同法の罪を名指しで列挙しているためです。同号は、別表第一の在留資格をもって在留する者が、住居侵入、偽造、賭博、殺人、傷害、逮捕監禁、略取誘拐、窃盗強盗、詐欺恐喝、盗品等、毀棄隠匿の各罪のほか、暴力行為等処罰に関する法律第1条、第1条の2第1項もしくは第2項または第1条の3の罪により拘禁刑に処せられたことを退去強制事由としています。ここで重要なのは、実刑であることが要件とされていない点です。したがって、初犯で被害が軽微であり、執行猶予付きの判決を得たとしても、それだけで退去強制手続に移行し得ます。1年を超える実刑を要件とする同条4号リとは、要件の重さがまったく異なります。この違いを理解せずに刑事手続だけを進めると、判決後に取り返しがつかない事態となります。

別表第二の在留資格の場合はどうなりますか

永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等といった別表第二の在留資格には、入管法24条4号の2の適用がありません。同号が対象を別表第一の在留資格をもって在留する者に限っているためです。したがって、これらの在留資格の方が暴力行為等処罰法違反で執行猶予付きの拘禁刑を受けても、それだけで退去強制事由に当たるわけではなく、1年を超える実刑となった場合に同条4号リが問題となります。もっとも、在留期間の更新や永住許可の審査では素行が評価されますし、永住者であっても更新のない在留資格ではない点に留意が必要です。なお、退去強制事由の判断において行為者の故意や過失をどこまで要するかについては入管実務上議論があり、当事務所は責任主義の射程を問う訴訟に取り組んでいます。

不起訴処分を最優先とする理由と、そのための活動

この類型では、不起訴処分の獲得が在留を守るほとんど唯一の確実な方法です。有罪判決を避けられれば4号の2の要件である拘禁刑に処せられたことがなく、退去強制事由に該当しません。そこで、逮捕直後から被害者との示談交渉に着手します。集団の事案では被害者が複数となることが多く、それぞれとの示談が必要です。同時に、自らの関与の程度を明らかにすることが重要です。現場にいたが加勢していない、制止に回っていたという事情があれば、数人共同の要件そのものを争う余地があります。共犯者との口裏合わせは絶対に避けてください。証拠隠滅と評価され、勾留や保釈で決定的に不利となるうえ、それ自体が別罪となり得ます。供述の方針は、必ず弁護人と協議して決めてください。

よくあるご質問

手を出していないのに共犯とされることはありますか

あり得ます。数人共同してとは、現場において共同の意思のもとに実行することをいい、直接の有形力の行使がなくても、加勢や威圧により共同したと評価される場合があります。逆に、制止していた事情があれば争う余地がありますので、経過を具体的に主張してください。

執行猶予でも強制送還になるのですか

別表第一の在留資格の方については、入管法24条4号の2が実刑であることを要件としていないため、執行猶予付きの拘禁刑でも退去強制事由に当たります。退去強制手続の中で50条の在留特別許可が検討されますが、確実な救済ではありません。不起訴を目指すことが重要です。

被害者が複数います。全員と示談が必要ですか

原則として、被害を受けた方それぞれとの示談が必要です。一部にとどまる場合であっても、成立した範囲は起訴するか否かの判断や量刑において考慮されます。示談の順序や条件、被害者間の公平をどう図るかは事案により異なりますので、弁護人と方針を定めて進めることをお勧めします。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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