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技能実習法違反で捜査を受けたら|受入企業・監理団体の刑事責任と実習生の在留への影響

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技能実習法違反で捜査を受けたら|受入企業・監理団体の刑事責任と実習生の在留への影響

技能実習法違反で捜査を受けたら|受入企業・監理団体の刑事責任と実習生の在留への影響

2026/08/13

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技能実習をめぐる刑事事件は、実習実施者(受入企業)や監理団体が捜査対象となる類型と、技能実習生本人が入管法違反などで立件される類型に大きく分かれます。前者では技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)の罰則が、後者では資格外活動や不法残留が問題となります。いずれの場合も、刑事処分の見通しと在留資格への影響は切り離せません。本稿では、条文に即して刑事と入管の両面を整理し、初動で何をすべきかを具体的に述べます。

本記事の要点

  • 技能実習法は、暴行・脅迫・監禁による実習の強制のほか、旅券や在留カードの保管、私生活の自由を不当に制限する旨の告知を、それぞれ独立の犯罪として処罰しています。
  • 技能実習生本人については、実習先を離れた後の不法残留(入管法24条2号の2・4号ロ)や資格外活動(同法19条、24条4号イ)が中心的な問題となります。
  • 技能実習法違反は入管法24条4号の2が列挙する罪に含まれないため、拘禁刑を受けても直ちに退去強制事由とはなりませんが、1年を超える実刑は同条4号リに該当します。
  • 実習の中止から3か月以上活動を行わない状態が続くと、有罪判決を待たずに在留資格取消し(同法22条の4第1項5号)の対象になり得ます。

技能実習法違反として処罰されるのは、どのような行為ですか

技能実習法が独自の罰則を置いているのは、実習生の身体の自由と生活の自律を侵害する行為です。まず、暴行、脅迫または監禁その他精神もしくは身体の自由を不当に拘束する手段によって技能実習を強制した者は、1年以上10年以下の拘禁刑または20万円以上300万円以下の罰金に処せられます(同法46条)。次に、実習生の旅券または在留カードを保管する行為(同法48条1項)、外出その他の私生活の自由を不当に制限する旨を告知する行為(同条2項)については、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています。さらに、許可を受けずに監理事業を行った場合にも、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となります。賃金不払いや違法な長時間労働は、これとは別に労働基準法・最低賃金法違反として立件され、実務上は労働基準監督署や外国人技能実習機構の実地検査が端緒となる例が多くみられます。

技能実習生本人が刑事責任を問われるのは、どのような場面ですか

実習生側で問題となるのは、多くの場合、技能実習法ではなく入管法違反です。実習先を離れた後に在留期間を経過して残留すれば不法残留となり、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科の対象となります(同法70条1項5号)。また、資格外活動許可を受けずに報酬を得る活動を行えば同法19条違反となり、これを専ら行っていると明らかに認められる場合には、より重い法定刑が定められています。偽造された在留カードを用いて就労した場合には、入管法上の別罪として重く処断される例があります。実習先での賃金不払いや暴力から逃れざるを得なかったという経緯は、犯罪の成否そのものを左右しないとしても、起訴・不起訴の判断や量刑、後述する在留特別許可の判断において重要な事情となりますので、早い段階で客観資料とともに主張しておく必要があります。

技能実習法違反は退去強制事由になりますか

技能実習法違反そのものは、入管法24条4号の2が列挙する罪には含まれていません。同号が列挙するのは、住居侵入、通貨・文書・有価証券・支払用カード電磁的記録の偽造、賭博、殺人、傷害、逮捕監禁、略取誘拐・人身売買、窃盗・強盗、詐欺・恐喝、盗品等、毀棄隠匿の各罪と、暴力行為等処罰法1条等の罪です。したがって、別表第一の在留資格である技能実習の方が技能実習法違反で執行猶予付きの拘禁刑を受けても、それだけで直ちに同号に該当するわけではありません。もっとも、1年を超える拘禁刑の実刑であれば同条4号リに該当します(全部執行猶予付きは除かれます)。また、実習が中止され、在留資格に対応する活動を継続して3か月以上行っていない状態になれば、刑事処分とは別に22条の4第1項5号による在留資格取消しの手続が進み得る点に注意が必要です。

不起訴処分を目指す弁護活動と、初動で気を付けること

目標は、まず不起訴処分(嫌疑不十分または起訴猶予)の獲得に置きます。執行猶予付きの判決であっても、在留期間更新の場面では素行が善良であることが問われ、更新不許可となれば結局は帰国を余儀なくされるからです。企業側であれば、機構の実地検査や労基署の調査の段階から、未払賃金の清算、旅券・在留カードの返還、寮の生活規則の是正といった具体的な改善を記録に残すことが有効です。実習生側であれば、取調べで安易に迎合しないことが重要です。技能実習の事件では、監理団体、実習計画、失踪、資格外活動といった制度用語が通訳を介して行き交いますので、通訳人の訳出が正確かを弁護人が確認する必要があります。取調べに応じるか否かを含め、供述の方針は早期に選任した弁護人と決めてください。

よくあるご質問

会社が在留カードを預かっていただけでも罪になりますか

技能実習法48条1項は、実習実施者や監理団体、その役員・職員が実習生の旅券または在留カードを保管すること自体を禁じており、違反には6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています。本人の同意があったとの説明だけでは免れにくく、預かった経緯と返還の状況を客観資料で示すことが必要です。

実習先から逃げて別の場所で働いていました。すぐ帰国になりますか

直ちに帰国が確定するわけではありません。不法残留や資格外活動は退去強制事由に当たりますが、退去強制手続の中では入管法50条の在留特別許可が検討され、逃げざるを得なかった事情や本国の事情も考慮対象となります。もっとも判断は個別的ですので、経緯を裏付ける資料を早期に整えることが重要です。

罰金で終われば在留に影響はありませんか

退去強制事由の多くは拘禁刑に処せられたことを要件としますので、罰金のみであれば直ちに退去強制とはなりません。ただし在留期間の更新や在留資格の変更では素行が審査され、罰金前科も不利に働きます。次回の申請を見据え、不起訴を目指すこと、やむを得ない場合でも経緯を説明できる資料を残すことが大切です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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