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売春防止法違反で摘発されたとき|勧誘・周旋・管理売春と在留資格

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売春防止法違反で摘発されたとき|勧誘・周旋・管理売春と在留資格

売春防止法違反で摘発されたとき|勧誘・周旋・管理売春と在留資格

2026/08/13

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売春防止法は、売春行為そのものを処罰する規定を置いていません。同法3条は何人も売春をし、またはその相手方となってはならないと定めていますが、これに罰則はなく、処罰されるのは公衆の目に触れる方法での勧誘、周旋、場所の提供、そして管理売春といった周辺行為です。したがって、どの条文で立件されているかによって法定刑が大きく異なり、在留資格への影響も変わります。中国籍の方の場合、刑事処分に加えて、そもそも従事していた活動が在留資格の範囲内かという資格外活動の問題が同時に生じることが少なくありません。

本記事の要点

  • 売春行為自体に罰則はなく、勧誘(5条)、周旋(6条)、場所提供(11条)、管理売春(12条)などが処罰対象です。
  • 管理売春は10年以下の拘禁刑および30万円以下の罰金と、同法で最も重い法定刑が定められています。
  • 売春防止法違反は刑法各章の罪ではないため入管法24条4号の2の対象外ですが、1年を超える実刑は同条4号リに該当します。
  • 就労資格の方は、風俗関係の業務に従事していた事実自体が入管法19条の資格外活動として問題になり得ます。

売春防止法はどの行為を処罰していますか

処罰対象は売春の周辺行為であり、行為態様ごとに法定刑が大きく異なります。同法5条は、公衆の目に触れるような方法での客待ちや勧誘を6月以下の拘禁刑または1万円以下の罰金とし、同法6条は売春の周旋を2年以下の拘禁刑または5万円以下の罰金、業として行った場合は3年以下の拘禁刑および10万円以下の罰金としています。同法11条は売春の場所を提供する行為を3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金とし、これを業とした場合は7年以下の拘禁刑および30万円以下の罰金と加重されます。そして同法12条の管理売春、すなわち人を自己の占有する場所に居住させて売春をさせる業を営む行為は、10年以下の拘禁刑および30万円以下の罰金という、同法で最も重い法定刑が定められています。どの条文で立件されるかが、その後の見通しを決めます。

在留資格への影響はどのように判断されますか

刑の重さと、従事していた活動の性質という二つの側面から判断されます。売春防止法違反は特別法犯であり、刑法各章の罪を列挙する入管法24条4号の2には含まれません。そのため、別表第一の在留資格をお持ちの方でも、執行猶予付き判決や罰金であれば、同号による退去強制はありません。他方、管理売春のように法定刑が重い類型で1年を超える実刑となれば、在留資格の種類を問わず入管法24条4号リの退去強制事由に該当します。さらに見落とせないのが資格外活動の問題です。技術・人文知識・国際業務や留学の在留資格で在留する方が接客や風俗関係の業務に従事していた場合、入管法19条1項に違反する活動として、専従性の程度により同法24条4号イの退去強制事由や、22条の4第1項5号による在留資格取消しの検討対象となり得ます。

不起訴を目指す際の着眼点はどこにありますか

自らの関与がどの類型に当たるのかを正確に切り分けることが出発点です。この分野の捜査では、店舗の従業員、受付、送迎の運転手、広告担当など、周辺的な立場の方が一律に管理売春の共犯として取り調べられることがあります。しかし、実際の職務内容が単なる清掃や事務にとどまる場合、売春をさせる業を営むという構成要件に該当しないことも十分にあり得ます。給与体系、指示系統、収益の分配方法、勤務実態を客観的な資料で示し、関与の程度を正しく位置付けることが、嫌疑不十分による不起訴、あるいは軽い条文への切替えにつながります。とりわけ、日本語能力が十分でないまま雇用され、事業の全体像を認識していなかった方については、故意の有無そのものが争点になり得ます。

取調べで気を付けるべきことは何ですか

組織全体の話と自分の行為を切り分けて答えることが重要です。この類型では、店舗の組織構造や収益の流れについて広範な質問がなされ、伝聞にすぎない事柄まで自分の認識として調書化されることがあります。とくに、自分は下働きだったという趣旨で述べた説明が、店の仕組みを全部知っていたという内容に整えられてしまうと、共謀の認定に直結します。したがって、事実を認める部分と認識のなかった部分を明確に区別し、通訳を介する場合には調書の読み聞かせの際に一文ずつ確認してください。また、この分野では被害者的立場に置かれている方も少なくありません。渡航費や紹介料の名目で債務を負わされ、退店の自由を奪われていた事情があれば、それは処罰を左右する重要な事実ですので、早期に弁護人へ伝えるべきです。

よくあるご質問

売春をした本人は処罰されますか

売春行為そのものには罰則が定められていませんので、行為をしたこと自体で刑事処罰を受けることはありません。ただし、公衆の目に触れる方法で客待ちや勧誘をした場合は同法5条により処罰されます。また、就労資格の方は資格外活動として在留上の問題が別途生じ得ます。

店で受付をしていただけでも共犯になりますか

受付業務が売春の周旋や管理売春を実現するための不可欠な役割を果たしていたと評価されれば共犯となり得ますが、単なる来客対応や清掃にとどまる場合には否定される余地があります。勤務実態、指示内容、報酬の性質を具体的に示すことが判断を分ける要素となります。

在留資格の更新にはどのように影響しますか

処分の内容に加え、風俗関係の業務に従事していた事実そのものが資格外活動として評価され得ますので、更新審査は厳しくなります。就労先の変更、活動実態の是正、届出の履行状況を整えたうえで、申請の時期と説明の内容を慎重に検討する必要があります。必要に応じて、所属機関等に関する届出の履行状況も確認してください。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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