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向精神薬や処方薬を不正に入手した場合に問われる罪と在留への影響

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向精神薬や処方薬を不正に入手した場合に問われる罪と在留への影響

向精神薬や処方薬を不正に入手した場合に問われる罪と在留への影響

2026/08/13

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睡眠薬や抗不安薬などの向精神薬を、医師の処方によらずに入手し、または他人に譲り渡す行為は、麻薬及び向精神薬取締法により処罰されます。加えて、症状を偽って診察を受け薬剤を得た場合には刑法246条の詐欺罪、処方箋を偽造した場合には同法159条の私文書偽造罪が問題となります。中国籍の方にとって重要なのは、麻向法違反が入管法24条4号チの薬物事犯に含まれ、詐欺や偽造が同条4号の2の列挙罪に含まれる点であり、いずれも執行猶予でも在留を失う結果となり得ます。

本記事の要点

  • 向精神薬の不正な譲受けや譲渡は麻薬及び向精神薬取締法により処罰され、3年以下の拘禁刑が定められています。
  • 症状を偽って処方を受ける行為は詐欺罪、処方箋の偽造は私文書偽造罪として重く扱われます。
  • 麻向法違反は入管法24条4号チに該当し、執行猶予でも退去強制事由となります。
  • 詐欺や偽造は入管法24条4号の2の列挙罪であり、別表第一の在留資格者は執行猶予でも該当します。

どのような行為が処罰の対象になりますか

向精神薬については、麻薬及び向精神薬取締法が、免許を受けた者以外による譲渡や、業務目的外での譲受け、所持を規制しており、違反には3年以下の拘禁刑が定められています。個人輸入の形で海外から取り寄せる行為は、薬機法上の規制にも触れます。より重い問題となるのは、入手の方法です。不眠を装って複数の医療機関を受診し、必要のない処方を受ける行為は、医師を欺いて薬剤の交付を受けたものとして刑法246条の詐欺罪に当たり得ます。処方箋の数量を書き換える行為や、医師名義の処方箋を作成する行為は、同法159条の私文書偽造罪および161条の同行使罪となり、法定刑は3月以上5年以下の拘禁刑です。

処方薬の転売や譲渡はどう扱われますか

自分の処方薬であっても、他人に譲り渡せば違法となる場合があります。向精神薬に該当する薬剤を無償で友人に渡した場合でも、麻向法の規制する譲渡に当たり得ますし、対価を得て継続的に販売していれば、薬機法上の無許可販売の問題も生じます。SNSを通じた売買は、投稿や取引履歴が残るため、摘発されると継続性や規模が容易に立証されます。中国籍の方の場合、こうした取引が資格外活動と評価されれば、入管法19条違反として同法24条4号イの退去強制事由に発展するおそれもあります。刑事上の罪名だけでなく、在留活動としての適法性という観点からも検討が必要です。

罪名によって在留への影響は変わりますか

結論として、罪名の組合せによって影響の重さが変わります。麻向法違反として立件された場合、入管法24条4号チにより、執行猶予付き判決であっても退去強制事由に該当し、別表第二の在留資格でも適用は排除されません。詐欺罪や私文書偽造罪で立件された場合は、同条4号の2の列挙罪に含まれるため、別表第一の在留資格をもって在留する方は、執行猶予でも退去強制の対象となります。他方、永住者や日本人の配偶者等の別表第二の在留資格の方には4号の2の適用がなく、1年を超える実刑に至らなければ同条4号リにも該当しません。どの罪名で処理されるかが在留の帰趨を左右するため、初期からの見極めが重要です。

不起訴を目指すために何をすべきですか

まず、依存症の治療に着手することが実質的な意味を持ちます。処方薬への依存が背景にある事案では、専門医療機関での治療開始、家族による服薬管理、かかりつけ医への一本化といった具体的な体制を示すことで、起訴猶予の判断に影響し得ます。次に、罪名の評価を争う余地を検討します。詐欺罪については、症状の申告に虚偽があったといえるか、医師の交付判断に錯誤があったといえるかを精査します。譲渡についても、営利性や継続性がなく一回限りであった事情を示します。在留については、4号チと4号の2のいずれに触れるかで結論が大きく異なるため、処分の見通しと併せて説明を受けることをお勧めします。

よくあるご質問

自分の睡眠薬を友人に渡しただけでも罪になりますか

向精神薬に該当する薬剤であれば、無償の譲渡であっても麻薬及び向精神薬取締法に触れる可能性があります。継続的に対価を得ていれば薬機法上の無許可販売の問題も生じますので、一回限りであった事情の立証が重要になります。一回限りの譲渡であった事情は、処分の判断に影響します。

医師に症状を大げさに伝えた場合も詐欺になりますか

虚偽の申告により処方を受けたと評価されれば、刑法246条の詐欺罪が成立する余地があります。もっとも、実際に症状があった場合には欺く行為の有無が争点となりますので、受診の経緯や診療記録の確認が不可欠です。診療記録の記載は、後の主張の裏付けとなります。

処方薬の事案で在留を維持できる可能性はありますか

罪名によります。麻向法違反であれば入管法24条4号チにより執行猶予でも退去強制となりますが、詐欺や偽造の場合、別表第二の在留資格であれば同条4号の2の適用はありません。不起訴を目指すことが最も確実な方策です。処分の見通しと在留への効果は、早い段階で併せて検討すべきです。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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