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指定薬物(Rush等)の輸入で摘発された外国人の刑事責任と在留審査

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指定薬物(Rush等)の輸入で摘発された外国人の刑事責任と在留審査

指定薬物(Rush等)の輸入で摘発された外国人の刑事責任と在留審査

2026/08/13

この記事の中国語版はこちら(本文的中文版请点击这里)

亜硝酸イソブチルなど、いわゆるRushと呼ばれる製品に含まれる成分は、医薬品医療機器等法76条の4により指定薬物として製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されています。個人使用目的の輸入でも同法83条の9により3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科の対象となります。中国籍の方にとって重要なのは、指定薬物は覚醒剤や麻薬とは根拠法令が異なり、入管法24条4号チの薬物事犯には含まれないため、在留への影響の構造が異なる点です。

本記事の要点

  • 指定薬物の輸入は薬機法83条の9により3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科です。
  • 業として行った場合はより重く処罰され、関税法上の輸入規制にも触れることがあります。
  • 薬機法違反は入管法24条4号チの薬物事犯に含まれないため、執行猶予で直ちに退去強制とはなりません。
  • もっとも1年を超える実刑は入管法24条4号リに該当し、更新審査でも素行が問われます。

指定薬物とはどのような規制ですか

指定薬物は、中枢神経系の興奮や幻覚の作用を有し、保健衛生上の危害が発生するおそれがある物質として、厚生労働大臣が指定するものです。薬機法76条の4は、医療等の用途を除き、指定薬物の製造、輸入、販売、授与、所持、購入、譲受け、使用を禁止しており、違反には同法83条の9により3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科が定められています。業として違反した場合はさらに重い法定刑が適用されます。麻薬や覚醒剤と異なり、指定は随時追加されるため、購入時点で規制対象であったかどうかの確認が必要です。海外の通販サイトで合法と表示されていても、日本の指定に該当すれば違法となります。

税関で止められた場合、どう対応すべきですか

まず、税関からの通知に対する回答は慎重に行ってください。国際郵便で届いた荷物が指定薬物と疑われる場合、税関から照会や検査結果の通知が届き、その後に警察の捜査へ移行することがあります。ここで、内容物を知らなかったのか、購入したが規制物質であることを知らなかったのかによって、主張の組立てが異なります。故意の対象は、当該物質が指定薬物であることの認識に及ぶと解されるため、商品名しか知らなかった事情、販売サイトの表示内容、価格は重要な資料です。注文履歴やメッセージを保全し、開封や廃棄をせずに弁護人へ相談することをお勧めします。使用目的や入手経路についての説明も、事前に整理しておく必要があります。

在留資格への影響は薬物事犯と同じですか

結論として、同じではありません。入管法24条4号チは、麻薬及び向精神薬取締法、大麻に関する法令、あへん法、覚醒剤取締法、麻薬特例法の違反による有罪判決を退去強制事由としており、薬機法の指定薬物規制はその文言に含まれていません。また、同法24条4号の2は刑法上の列挙罪を対象とするため、薬機法違反は含まれません。したがって、罰金や執行猶予にとどまる限り、これらの規定によって退去強制となることはありません。退去強制が問題となるのは、1年を超える拘禁刑の実刑となって同条4号リに該当する場合です。もっとも、在留期間更新は入管法21条3項の裁量判断であり、薬物類似物質に関する違反は素行面で不利に評価される可能性が高い点に留意が必要です。

不起訴を目指すためにどのような主張が可能ですか

初犯で少量の個人使用目的であれば、起訴猶予の可能性は十分にあります。指定薬物であることの認識を欠いていた事情、たとえば販売サイトが日本への発送を可能と表示していたこと、成分表示が英語のみで理解が困難であったこと、価格が一般的な雑貨と同水準であったことなどを具体的に示します。あわせて、購入先との取引を停止したこと、残余品を任意提出したこと、再発防止の誓約を示します。手続面では、税関検査と押収の経緯を確認します。在留面では、退去強制事由に直結しない類型であることを前提に、更新申請に備えて経緯と改善状況を説明する資料を準備しておくことが有用です。

よくあるご質問

Rushの輸入は覚醒剤と同じ扱いになりますか

なりません。指定薬物は薬機法による規制であり、入管法24条4号チが列挙する麻薬取締法や覚醒剤取締法等の違反には当たりません。そのため、執行猶予や罰金にとどまる限り、同号による退去強制事由には該当しません。適用される法令が異なる点は、在留の見通しを立てるうえで重要です。

個人で使うために少量輸入した場合も違法ですか

違法です。薬機法76条の4は医療等の用途を除いて指定薬物の輸入を禁止しており、個人使用目的でも例外とはされていません。同法83条の9により3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科の対象となります。業として輸入した場合には、より重い法定刑が適用されます。

海外では合法な商品でも処罰されますか

日本で指定薬物に該当すれば、輸入や所持は違法です。販売サイトに合法と表示されていても抗弁にはなりませんが、表示内容は指定薬物であることの認識を否定する方向の事情となり得ますので、記録を保全しておくことが重要です。注文時の画面や商品説明は、印刷や保存によって残しておくことが有効です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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