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覚醒剤使用の疑いで採尿された外国人が直面する刑事処分と在留の問題

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覚醒剤使用の疑いで採尿された外国人が直面する刑事処分と在留の問題

覚醒剤使用の疑いで採尿された外国人が直面する刑事処分と在留の問題

2026/08/13

この記事の中国語版はこちら(本文的中文版请点击这里)

覚醒剤の使用は覚醒剤取締法19条が禁じ、同法41条の3第1項1号により10年以下の拘禁刑が定められています。使用事案は尿の鑑定結果という客観証拠が中心となるため、所持事案とは争点の立て方が異なります。中国籍の方にとって深刻なのは、この罪も入管法24条4号チの薬物事犯に含まれ、執行猶予でも退去強制事由となる点です。任意採尿に応じるかどうかの判断、鑑定手続の適正、使用の認識の有無が、刑事と在留の双方を左右します。

本記事の要点

  • 覚醒剤の使用は10年以下の拘禁刑で、所持を伴わない使用単独でも起訴されます。
  • 尿の鑑定結果が中心証拠となり、採尿手続の適法性が争点となることがあります。
  • 自分で使用した認識がなく、飲食物に混入されたなどの経緯があれば、故意が争点となります。
  • 入管法24条4号チにより、執行猶予付き判決でも退去強制事由に該当します。

覚醒剤使用罪はどのように立証されますか

使用罪の立証は、尿から覚醒剤成分が検出されたという鑑定結果を柱として組み立てられます。捜査機関はまず任意での尿の提出を求め、拒否した場合には強制採尿令状を得て、医師により導尿を行います。予試験と本鑑定の結果、採尿から鑑定までの保管の連続性、鑑定人の資格などが、証拠の信用性を支える要素です。もっとも、鑑定で成分が検出されても、自ら使用したという認識までは当然には証明されません。被告人が使用を否認する場合、注射痕の有無、行動の状況、同席者の供述、体内動態に関する専門的知見が検討の対象となります。使用の日時や場所を特定する必要があるため、訴因の特定の在り方も問題になることがあります。

任意採尿を求められたらどうすべきですか

判断は事案によりますが、拒否しても令状により強制採尿が行われるのが通常であり、拒否の事実が有利に働くとは限りません。重要なのは、採尿の前後に行われるやり取りです。職務質問の段階で長時間にわたり留め置かれた場合、その適法性が後に争点となることがあり、時刻や状況を記録しておくことが有益です。また、直前に服用した市販薬やサプリメント、渡された飲料の存在があれば、その事実を早期に伝え、対象物を保全することが重要です。取調べでは、使ったかもしれないという曖昧な表現が使用の自白と受け取られやすいため、記憶に基づき正確に述べる姿勢が必要です。中国語通訳の正確性も併せて確認してください。

使用事案でも在留は失われますか

結論として、有罪判決を受ければ在留は極めて困難になります。入管法24条4号チは、覚醒剤取締法違反により有罪の判決を受けた者を退去強制事由とし、執行猶予の有無を問いません。使用は所持と比べて被害が見えにくい類型ですが、入管法上の扱いに差はありません。別表第一の在留資格に限らず、永住者や日本人の配偶者等の別表第二の在留資格でも同様に適用されます。退去強制手続に入った場合には、入管法44条の2以下の監理措置の可否や、同法50条の在留特別許可の見込みを検討することになりますが、薬物事犯における在留特別許可の判断は極めて厳しく、家族の存在のみで許可されることは期待できません。

不起訴や無罪を目指す場合の主張の組立て方は

使用事案では、鑑定結果そのものを覆すことは容易ではないため、認識の欠如と手続の違法という二つの方向から検討します。飲食物への混入や、他人から成分を知らされずに渡された事案では、その経緯を裏付ける通信記録、同席者の供述、店舗の記録などを収集します。手続面では、職務質問における留め置きの長さ、採尿令状の請求手続、保管過程の記録を精査します。加えて、依存の程度に応じた治療の開始は、処分と量刑の双方で意味を持ちます。在留については、判決の内容が確定した後の手続を見据え、家族の状況や生活基盤に関する資料を早期に整理しておくことが望まれます。

よくあるご質問

尿検査を拒否したらどうなりますか

拒否しても捜査機関は強制採尿令状を請求し、医師による導尿で尿を採取することができます。拒否の事実が有利に評価されるとは限らないため、拒否そのものより、留め置きの状況や手続の適法性を記録しておくことのほうが実益があります。留め置きの状況は、後に証拠能力を争う際の重要な資料となります。

知らないうちに飲まされた場合も有罪になりますか

自ら使用したという認識がなければ故意が認められず、犯罪は成立しません。ただし、その主張が受け入れられるには、当日の行動、同席者、飲食の状況を示す客観資料が必要ですので、早期に証拠を保全することが重要です。同席者の証言や店舗の記録も、経緯を裏付ける資料となります。

初犯で少量なら在留は維持できますか

刑事処分としては執行猶予となる可能性がありますが、入管法24条4号チは執行猶予を除外していないため、在留の維持は困難です。維持を目指すのであれば、不起訴処分の獲得を第一の目標に据える必要があります。在留特別許可を求める道はありますが、薬物事犯では極めて厳しい判断がされています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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