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覚醒剤所持で逮捕された外国人|執行猶予でも退去強制となる理由

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覚醒剤所持で逮捕された外国人|執行猶予でも退去強制となる理由

覚醒剤所持で逮捕された外国人|執行猶予でも退去強制となる理由

2026/08/13

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覚醒剤の単純所持は覚醒剤取締法14条1項に違反し、同法41条の2第1項により10年以下の拘禁刑が定められています。中国籍の方にとって特に重いのは、薬物事犯が入管法24条4号チにより執行猶予付き判決であっても退去強制事由となる点です。同じ執行猶予でも、他の罪であれば在留を維持できる場合があるのに対し、覚醒剤事犯では有罪判決そのものが在留の喪失に直結します。したがって、弁護の目標は執行猶予ではなく、あくまで不起訴処分の獲得に置かなければなりません。

本記事の要点

  • 覚醒剤の単純所持は10年以下の拘禁刑で、初犯でも起訴されるのが通例です。
  • 入管法24条4号チにより、薬物事犯は執行猶予付き判決でも退去強制事由に当たります。
  • 退去強制されると、入管法5条1項5号により期間の定めなく上陸を拒否される扱いとなります。
  • 所持の認識、すなわち中身が覚醒剤であると知っていたかが最大の争点になります。

覚醒剤所持罪はどのような場合に成立しますか

覚醒剤所持罪は、覚醒剤を事実上支配していることの認識をもって所持した場合に成立し、覚醒剤取締法41条の2第1項により10年以下の拘禁刑が定められています。営利の目的がある場合は同条2項により1年以上の有期拘禁刑となり、500万円以下の罰金を併科されることがあります。所持とは、身につけている場合に限らず、自宅や車内、預けたバッグの中にあり、支配が及んでいれば足ります。他方、成立には中身が覚醒剤であるという認識が必要であり、他人から預かった荷物や、内容を知らされずに運んだ包みについては、認識の有無が正面から争われます。微量であっても犯罪は成立し、量は主として量刑の問題として扱われます。

逮捕後の手続と初動で何が重要ですか

初動で最も重要なのは、認識に関する供述を安易に固めないことです。捜査は職務質問や宅配便の検査を端緒とすることが多く、所持品の押収に続いて尿の任意提出が求められ、拒否すれば強制採尿令状が請求されます。取調べでは、入手先や共犯関係の解明に重点が置かれ、供述の変遷は不利に評価されます。中国語の通訳を介する場合、預かった、頼まれた、知っていたかもしれないといった表現は微妙な差が結論を分けますので、調書の内容を必ず訳し戻して確認してください。接見が制限される勾留初期こそ弁護人の関与が必要であり、通訳人の質を含めて早期に体制を整えることが求められます。

覚醒剤事犯が在留資格に及ぼす影響はどれほどですか

結論として、薬物事犯は在留に対して最も厳しい効果を持ちます。入管法24条4号チは、覚醒剤取締法等に違反して有罪の判決を受けた者を退去強制事由と定めており、刑の全部の執行を猶予された場合も除外されていません。すなわち、執行猶予判決であっても退去強制の対象となります。窃盗や傷害などの刑法犯を対象とする同条4号の2とは異なり、別表第二の在留資格である永住者や日本人の配偶者等であっても、4号チの適用は排除されません。さらに、退去強制を受けた場合、入管法5条1項5号により、薬物関係法令違反で刑に処せられた者は期間の定めなく上陸を拒否されます。家族が日本にいる場合、同法50条の在留特別許可を求めることになりますが、薬物事犯では極めて厳しい判断がされています。

不起訴処分を目指す弁護活動はどのように行いますか

在留を維持する道は、実質的には不起訴処分に限られます。そのため弁護活動は、所持の認識を否定できる客観的事情の収集に集中します。荷物を預かった経緯、依頼者との関係、報酬の有無、荷物の外形と内容物の関係、通信記録の内容などを精査し、認識がなかったことと整合する事実を積み上げます。押収手続や職務質問の適法性に疑義がある場合、違法収集証拠の主張も検討します。なお、退去強制事由の判断において故意や過失を要するかは入管実務上争いがあり、当事務所も責任主義の射程を問う訴訟を係属させています。結果を約束することはできませんが、刑事と入管の双方を見据えた主張の組立てが不可欠です。

よくあるご質問

覚醒剤所持で執行猶予になれば日本に残れますか

残念ながら困難です。入管法24条4号チは薬物事犯について執行猶予付き判決を除外していないため、執行猶予でも退去強制事由に当たります。在留を維持するには、不起訴処分の獲得か、同法50条の在留特別許可を求める道を検討することになります。家族の在留資格にも波及し得ますので、早期の相談が重要です。

他人から預かった荷物に入っていた場合はどうなりますか

中身が覚醒剤であるという認識がなければ所持罪は成立しません。もっとも、報酬の有無や依頼の不自然さから認識が推認されることが多いため、依頼の経緯や通信記録を早期に確保し、認識がなかったことと整合する事実を示す必要があります。依頼者との関係を示す資料の保全が結論を左右します。

退去強制された後、日本に戻ることはできますか

薬物関係法令違反で刑に処せられた場合、入管法5条1項5号により期間の定めなく上陸を拒否されます。退去強制歴による5年または10年の上陸拒否期間とは異なり、原則として再入国の道は閉ざされる点に注意が必要です。家族の呼寄せや短期の観光目的の入国も見込めなくなります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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