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あおり運転(妨害運転罪)で摘発された場合の刑事責任と在留への影響

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あおり運転(妨害運転罪)で摘発された場合の刑事責任と在留への影響

あおり運転(妨害運転罪)で摘発された場合の刑事責任と在留への影響

2026/08/13

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令和2年の道路交通法改正により妨害運転罪が新設され、他の車両の通行を妨害する目的で車間距離の不保持、急ブレーキ、割込み、執拗な警音器の使用などを行った場合、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、著しい交通の危険を生じさせた場合は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。中国籍の方の相談では、相手の運転に腹を立てて追走した、幅寄せをしたという経緯が多く見られます。免許取消しに加え、在留期間更新への影響も検討が必要です。

本記事の要点

  • 妨害運転罪は他の車両等の通行を妨害する目的を要件とし、10類型の違反行為が対象とされています。
  • 著しい交通の危険を生じさせた場合は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金となり、免許は取消しとなります。
  • 高速道路上で相手方車両を停止させた場合などは、危険運転致死傷罪が問題となることもあります。
  • 刑法犯ではないため入管法24条4号の2の対象外ですが、更新審査では素行が問われます。

妨害運転罪はどのような行為が対象ですか

妨害運転罪は、他の車両等の通行を妨害する目的で、交通の危険を生じさせるおそれのある方法により一定の違反行為をした場合に成立します。対象となるのは、車間距離不保持、急ブレーキ禁止違反、進路変更禁止違反、追越し方法違反、減光等義務違反、警音器使用制限違反、安全運転義務違反、最低速度違反、高速自動車国道等における駐停車違反、通行区分違反です。法定刑は道路交通法117条の2の2により3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、著しい交通の危険を生じさせた場合は同法117条の2により5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に加重されます。行政処分としても違反点数が高く、原則として免許取消しとなり、一定の欠格期間が設けられます。

捜査ではどのように立証されますか

立証の中心は、妨害する目的があったかどうかです。近年はドライブレコーダーが普及し、被害車両や後続車両の映像が直接証拠となります。映像には車間距離、走行時間、パッシングや警音器の状況が記録され、これが目的の推認に用いられます。したがって、単に前方車両が遅かったので接近したという説明では足りず、進路や速度の選択に合理的な理由があったことを説明する必要があります。相手方が先に危険な運転をしていた場合、その事実は経緯として重要ですが、それだけで違法性が失われるわけではありません。取調べでは、腹が立ったという感情を強調する供述が目的の認定に直結しますので、事実経過を落ち着いて述べることが求められます。

在留資格や免許にはどのような影響がありますか

結論として、在留への影響は量刑の重さと反復性によって変わります。妨害運転罪は道路交通法違反であるため、入管法24条4号の2の列挙罪ではなく、罰金や執行猶予にとどまる限り退去強制事由には当たりません。1年を超える拘禁刑の実刑となった場合に同条4号リが問題となりますが、単独犯行でそこまで至る例は限られます。一方、行政処分としての免許取消しは業務に直結し、運転を要する在留資格該当性、たとえば運送業務に従事する方の在留活動の継続に影響します。在留期間更新は入管法21条3項の裁量判断であり、危険な運転を繰り返した事実は素行面で不利に評価される可能性があります。

不起訴を得るためにはどう対応すべきですか

初犯で人身被害が生じていない事案では、不起訴処分を目指すことが現実的です。妨害の目的が認めがたい事情、たとえば進路変更が交通状況によるものであったこと、警音器の使用が危険回避のためであったことを、映像や走行データに基づいて具体的に説明します。相手方がいる事案では、示談や謝罪も検討します。加えて、運転記録の見直し、安全講習の受講、ドライブレコーダーの常時作動といった再発防止策を示すことが有効です。在留面では、免許取消しにより従前の業務を続けられない場合、勤務先と配置転換を協議し、在留資格に該当する活動を継続できる体制を整えたうえで更新申請に臨むことが望まれます。

よくあるご質問

あおり運転で罰金となった場合、強制送還されますか

罰金刑では退去強制事由に当たりません。道路交通法違反は入管法24条4号の2の列挙罪ではなく、同条4号リも1年を超える拘禁刑の実刑を要件とするためです。ただし更新審査で素行が考慮される点には留意が必要です。反復した場合には、更新の可否に現実的な影響が及ぶことがあります。

相手が先にあおってきた場合も処罰されますか

相手方の先行行為は経緯として量刑や処分に影響し得ますが、こちらの妨害目的が認められれば成立自体は妨げられません。双方の映像を確保し、どちらの行為が危険を生じさせたかを客観的に示すことが重要です。感情的な反応を示す言動は、目的の認定に用いられやすい点にも注意が必要です。

免許が取り消されると在留資格に影響しますか

免許取消し自体が退去強制事由になることはありません。もっとも運転を前提とする業務に従事している場合、在留資格に該当する活動を継続できるかが問題となるため、勤務先との協議による業務内容の調整が必要になります。欠格期間中に運転すれば無免許運転となり、別の刑事責任が生じます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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