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不正アクセス禁止法違反で捜査を受けたら|罰則と在留資格の関係

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不正アクセス禁止法違反で捜査を受けたら|罰則と在留資格の関係

不正アクセス禁止法違反で捜査を受けたら|罰則と在留資格の関係

2026/08/13

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他人のIDとパスワードを使ってサービスにログインする行為は、不正アクセス禁止法3条に違反し、同法11条の罰則の対象となります。退職後に元勤務先のシステムへ接続した、家族や交際相手のアカウントに無断でログインしたといった事案も少なくありません。本罪は刑法典の外にある特別法違反であるため、入管法24条4号の2との関係が他の財産犯とは異なります。本稿では、罰則の構造と、在留資格に対する影響の違いを整理します。

本記事の要点

  • 不正アクセス行為は同法3条で禁止され、11条により3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
  • 他人の識別符号を不正に取得・保管する行為も、同法12条により処罰の対象となります。
  • 本罪は刑法典外の特別法違反であるため、入管法24条4号の2の列挙対象には含まれません。
  • ログイン後に金銭的利益を得れば電子計算機使用詐欺罪が成立し、こちらは同号の対象となります。

どのような行為が不正アクセスにあたりますか

他人の識別符号、すなわちIDとパスワードなどを無断で入力し、アクセス制御機能により制限されている利用をできる状態にする行為が不正アクセスです。同法3条が禁止し、11条により3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と定められています。実際にデータを閲覧したり操作したりしなくても、ログインが成立した時点で犯罪は既遂となります。セキュリティホールを突いて認証を回避する行為も同様です。加えて、他人の識別符号を不正に取得する行為、不正に保管する行為、フィッシングによって入力を求める行為は、同法12条により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象とされています。パスワードを教えてもらっていた場合でも、名義人の意思に反する利用であれば違法となり得ます。

どのような場面で発覚しますか

アクセスログの解析によって発覚するのが通常です。サービス提供者は接続元のIPアドレス、端末情報、アクセス時刻を保存しており、名義人からの申告を契機に調査が行われます。退職者が在職時のアカウントで社内システムに接続した事案では、人事情報の閲覧履歴から短期間で特定されます。交際関係のもつれから相手方のSNSにログインした事案では、位置情報や端末の機種情報が証拠となります。捜査機関は、被疑者の端末を差し押さえてブラウザの保存パスワードや通信履歴を解析するため、否認しても客観証拠との整合が問われます。取調べでは、いつ、どの端末から、どのような目的でアクセスしたのかを、事実に即して整理して述べることが求められます。

在留資格への影響は他の犯罪と違いますか

入管法24条4号の2は刑法の特定の章の罪を列挙しており、不正アクセス禁止法違反はそこに含まれません。したがって、この罪のみで拘禁刑に処せられても、別表第一の在留資格を理由に同号に該当することはありません。もっとも、1年を超える実刑であれば24条4号リの対象となり、罰金であっても在留期間更新の審査においては素行要件で不利に考慮されます。注意を要するのは、不正アクセスの後に、他人のアカウントを用いて電子マネーを送金したり、ポイントを換金したりした場合です。この場合には刑法246条の2の電子計算機使用詐欺罪が成立し、同罪は第37章に属するため、別表第一の在留資格では24条4号の2に該当することになります。

不正アクセス事案の初動対応の要点は

アカウントの利用について、名義人の許諾の範囲がどこまであったのかを、時系列で整理することが出発点となります。業務上共有されていたアカウントであったか、退職時に権限が明確に停止されていたか、といった事情は、故意や違法性の評価に影響します。会社から民事上の請求を受けている場合には、刑事処分と併せて解決を図る必要があります。被害者が個人である事案では、謝罪と示談によって告訴が取り下げられ、起訴猶予となる例もあります。初動として、端末内のデータを削除する行為は絶対に避けてください。証拠隠滅と評価されるだけでなく、自らに有利な事情を裏づける資料まで失うことになります。取調べ前に弁護人と方針を確認することをお勧めします。

よくあるご質問

パスワードを教えられていた場合も違法ですか

教えられていた事実があっても、名義人の意思に反する時期や目的での利用であれば、不正アクセスにあたる可能性があります。許諾の範囲がどこまでかが争点となりますので、やり取りの記録を保存しておくことが重要です。許諾の時期と目的を具体的に説明できるよう、経緯を整理しておく必要があります。

不正アクセスだけなら在留に影響しませんか

入管法24条4号の2の列挙対象ではありませんので、直ちに退去強制事由となるものではありません。ただし、1年を超える実刑であれば24条4号リが問題となり、更新審査では素行要件で不利に扱われます。併せて成立する罪名によっては、在留への影響が大きく変わる点に注意が必要です。

ログインしただけで何もしていない場合は

アクセス制御機能による制限を解除して利用可能な状態にした時点で既遂となりますので、閲覧や操作をしていなくても犯罪は成立します。もっとも、被害が生じていない事情は、起訴猶予や量刑の判断で有利に働きます。被害者への謝罪と再発防止の約束は、処分の判断において有利に働きます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 海外SNS上での侮辱被害について、国際刑事警察機構(インターポール)を経由した捜査により刑事告訴が受理された事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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