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旅券偽造・他人名義の旅券使用で摘発されたら|罰則と在留への影響

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旅券偽造・他人名義の旅券使用で摘発されたら|罰則と在留への影響

旅券偽造・他人名義の旅券使用で摘発されたら|罰則と在留への影響

2026/08/13

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他人名義の旅券を用いて入国し、あるいは偽って旅券の交付を受ける行為は、旅券法23条の罰則や刑法の文書偽造の罪の対象となり、同時に入管法上の不法入国として退去強制事由にもあたります。旅券は国籍と身分を証明する基本文書であるため、その真正を害する行為は一貫して厳しく扱われます。本稿では、旅券をめぐる罰則の全体像、不法入国との関係、そして退去強制と上陸拒否期間の帰結を整理します。旅券法と入管法が交錯するため、手続の見通しを早期に立てることが求められます。あわせて初動の注意点も述べます。

本記事の要点

  • 偽りその他不正の手段により旅券の交付を受ける行為は、旅券法23条1項の罰則の対象です。
  • 他人名義の旅券を行使すれば、事案に応じて刑法の文書偽造・行使の罪としても評価されます。
  • 偽造旅券で入国した場合、有効な旅券を所持しない者として入管法24条1号の不法入国が問題となります。
  • 文書偽造の罪は刑法第17章であるため、別表第一の在留資格では入管法24条4号の2にも該当し得ます。

旅券に関する行為はどの法律で処罰されますか

中心となるのは旅券法の罰則です。同法23条1項は、偽りその他不正の手段により旅券や渡航書の交付を受けた者などを、5年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科と定めています。他人名義の申請書を用いて旅券を取得する行為、写真を差し替えた旅券を使用する行為などが対象です。加えて、旅券の記載を改ざんすれば刑法の文書偽造の罪として、これを提示すれば行使罪として評価される場合があります。日本の官公署が作成した旅券であれば公文書として刑法155条の対象となり得る一方、外国政府が発行した旅券の取扱いには解釈上の議論があるため、実際の適用条文は事案ごとに検討を要します。いずれにせよ量刑は重くなる傾向があります。

偽造旅券で入国した場合の入管法上の扱いは

有効な旅券を所持せずに入国した者として、入管法24条1号の不法入国に該当します。上陸許可の証印を受けていても、その基礎となった旅券が他人名義や偽造であれば、適法な上陸とは評価されません。この場合、在留期間の経過を待つまでもなく、当初から在留の根拠を欠く状態が続いていたことになります。したがって、退去強制手続では、在留期間の長短よりも、入国の経緯や日本での生活実態、家族関係が主要な検討対象となります。入管法50条の在留特別許可を求める場合には、不法入国という違反態様の重さを正面から受け止めたうえで、日本で形成された生活基盤や子の就学状況といった人道的事情を具体的に主張立証する必要があります。

刑事処分と退去強制はどのような順序で進みますか

通常は刑事手続が先行し、判決の確定または不起訴の決定を経て、身柄が入管に引き継がれて退去強制手続に移ります。刑事段階での主な争点は、旅券の入手経路、偽造であることの認識、入国の目的です。ここで述べた内容は、後の違反調査や口頭審理でも参照されますから、当初の供述内容が最終的な結論に長く影響します。別表第一の在留資格を有していた方が文書偽造の罪で拘禁刑に処せられた場合には、執行猶予付きであっても入管法24条4号の2に該当し得ます。退去強制が確定すると、入管法5条1項9号により原則5年間、2回目以降は10年間、上陸が拒否されます。出国命令の対象となれば1年に短縮されますが、不法入国事案では通常その対象とはなりません。

初動で注意すべき点は何ですか

旅券の入手経路について、ブローカーから購入したのか、家族や知人を通じて取得したのかを、記憶に忠実に整理しておくことが重要です。この点は量刑にも、後の在留特別許可の判断にも影響します。日本での在留を希望される場合には、刑事手続の段階から、日本での稼働状況、納税、家族の状況を裏づける資料を保全しておくことが有益です。取調べでは、旅券法と入管法という二つの制度が交錯するため、質問の趣旨を取り違えたまま供述してしまう危険があります。中国語の通訳を介する場合、渡航書、上陸許可、在留資格といった用語の訳語が一定せず、供述の意味がずれることがありますので、弁護人の同席や事前の打合せを活用してください。

よくあるご質問

名義を借りただけで入国した場合も不法入国ですか

有効な自己名義の旅券を所持していない以上、入管法24条1号の不法入国に該当します。上陸許可の証印を受けていたとしても、その前提が偽られていた場合には適法な上陸とは認められないのが実務の扱いです。入国の経緯に関する供述は、後の在留特別許可の判断にも影響しますので慎重を要します。

旅券法違反は罰金で終わることもありますか

旅券法23条1項は罰金刑を定めていますので、事案によっては罰金となる余地があります。もっとも、組織的な関与や反復性が認められる場合には拘禁刑となる可能性が高く、いずれにせよ入管手続は別途進行します。いずれの処分となっても、退去強制手続への備えは並行して進める必要があります。

日本人配偶者がいる場合、在留の余地はありますか

不法入国は違反態様が重いものの、入管法50条の在留特別許可が一切認められないわけではありません。婚姻の実体、同居の状況、子の有無や就学状況などを具体的に立証し、人道的配慮を求める余地があります。婚姻の実体を示す資料は、早い段階から計画的に収集しておくことが有益です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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