恐喝罪で捜査を受けたとき|正当な請求との境界と在留への影響
2026/08/13
人を脅して金銭や物を交付させる行為は、刑法249条の恐喝罪にあたり、10年以下の拘禁刑が定められています。罰金刑の定めがないため、起訴されて有罪となれば拘禁刑を免れません。貸した金を強い言葉で取り立てた、事故の示談交渉で高額を要求したといった場面でも、手段が相当な範囲を超えれば恐喝罪となり得ます。別表第一の在留資格の方は、執行猶予が付いても在留を失う危険がありますので、不起訴処分の獲得が最大の目標となります。
本記事の要点
- 恐喝罪は刑法249条の罪で、法定刑は10年以下の拘禁刑であり、罰金刑の定めがありません。
- 権利のある請求であっても、手段が社会通念上相当な範囲を超えれば恐喝罪が成立し得ます。
- 反抗を抑圧する程度の暴行脅迫に至れば、より重い強盗罪(同法236条)となります。
- 恐喝罪は入管法24条4号の2の対象であり、拘禁刑は執行猶予付きでも退去強制事由です。
どのような行為が恐喝になりますか
恐喝罪は、人を畏怖させて財物を交付させ、または財産上の利益を得た場合に成立します。脅迫の内容は、暴力の予告に限られません。勤務先や家族に事実を告げる、インターネット上に公表する、といった内容であっても、相手を畏怖させるに足りるものであれば足ります。反抗を抑圧する程度に至れば強盗罪となりますので、恐喝罪は、相手方になお交付するかどうかの選択の余地が残されている点に特徴があります。交付を受けていなければ恐喝未遂となり、未遂であっても処罰の対象です。
正当な請求でも罪になることがありますか
あります。判例は、権利の行使であっても、その方法が社会通念上相当と認められる範囲を超える場合には恐喝罪が成立するとしています。貸金の返還請求、交通事故の損害賠償請求、労働債権の請求など、請求そのものに理由がある場合でも、深夜に多数で押しかける、職場に連日押しかける、家族に危害を加えるかのような言辞を用いるといった手段をとれば、恐喝罪となり得ます。請求権があるという意識が強いほど、この境界を見誤りやすいので、交渉は弁護士に委ねるのが安全です。
取調べで気をつけるべき点は何ですか
気をつけるべきは、自分が用いた具体的な言葉と、その場の状況を正確に述べることです。恐喝事件では、同じ趣旨の発言であっても、語調、繰り返しの回数、同席者の有無によって畏怖させる程度の評価が変わります。録音が残っている事案も多く、記憶と食い違う供述をすると信用性を損ないます。また、相手方との間に金銭の貸借や紛争の経緯がある場合には、その事実関係が権利行使の相当性の判断に関わりますので、契約書、送金記録、やり取りの履歴を早期に整理して弁護人に提供してください。
在留資格を守るための方針は
方針の中心は、起訴前の示談による不起訴処分の獲得です。恐喝罪は刑法249条に罰金刑の定めがないため、起訴されて有罪となれば拘禁刑となり、別表第一の在留資格の方は、執行猶予が付いても入管法24条4号の2により退去強制事由に該当します。つまり、公判で執行猶予を得ても在留の危機は残るという構造です。したがって、被害弁償、受領した金銭の返還、謝罪、今後接触しない旨の誓約を早期に整え、検察官の終局処分の前に示談を成立させることが決定的に重要になります。
よくあるご質問
貸した金を強く催促しただけでも恐喝になりますか
権利の行使であっても、手段が社会通念上相当な範囲を超えれば恐喝罪が成立し得ます。深夜の訪問、多人数での押しかけ、家族への言及などは相当性を失わせる事情です。請求に理由がある場合ほど、交渉は弁護士に委ねるのが安全です。
お金を受け取っていない場合はどうなりますか
恐喝未遂として処罰の対象になります。もっとも、財産的被害が生じていない点は量刑上有利な事情であり、謝罪と再発防止の姿勢を示すことで起訴猶予による不起訴処分を目指す余地が広がります。早期の対応が重要です。
恐喝で執行猶予がつけば在留できますか
別表第一の在留資格では、執行猶予が付いても入管法24条4号の2により退去強制事由に該当します。恐喝罪には罰金刑の定めがないため、起訴されること自体を避ける、すなわち不起訴処分を得ることが最優先の目標となります。
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舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。
当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。
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本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
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