住居侵入で捜査を受けたら|元交際相手宅への立入りとストーカー規制の関係
2026/08/13
他人の住居に無断で立ち入る行為は、刑法130条の住居侵入罪にあたり、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金が定められています。同居していた部屋に別れた後で立ち入った、合鍵を使って室内に入った、話し合いを求めて玄関先まで入ったといった事案では、居住者の承諾の有無が中心的な争点となります。付きまとい行為を伴う場合には、ストーカー行為等の規制等に関する法律の問題も生じ、在留資格への影響も重くなります。
本記事の要点
- 住居侵入罪は刑法130条の罪で、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。
- かつて同居していた住居であっても、居住者の承諾を失った後の立入りは侵入となり得ます。
- 付きまといを伴う場合、ストーカー規制法に基づく警告や禁止命令の対象となることがあります。
- 住居を侵す罪は入管法24条4号の2の対象であり、拘禁刑は退去強制事由に該当します。
元の自宅に入ることも住居侵入になりますか
なります。住居侵入罪の保護法益は、住居に誰を立ち入らせるかを決める居住者の自由であるとするのが判例の理解です。したがって、以前は自分も居住していた部屋であっても、別居や別れによって居住の実態を失い、現在の居住者が立入りを望んでいない場合には、鍵を持っていたとしても侵入となり得ます。荷物を取りに行く必要があるときは、必ず事前に連絡し、日時を決めて、可能であれば第三者の立会いのもとで行ってください。無断での立入りは、後の紛争で不利に働きます。
承諾があったかどうかはどう判断されますか
承諾の有無は、明示のやり取りだけでなく、直前までの関係、連絡の内容、立入りの時間帯、立入り後の行動から総合的に判断されます。以前は自由に出入りしていたという事情は、現在の承諾を推認させるものではありません。むしろ、居住者が鍵を交換していた、来訪を断る連絡をしていた、警察に相談していたといった事情があれば、承諾がなかったことの有力な根拠となります。メッセージの履歴は双方向で残りますので、自分に有利な部分だけを示すのではなく、全体を弁護人に開示して検討することが大切です。
ストーカー規制との関係はどうなりますか
同一の相手に対する反復した接触は、ストーカー行為等の規制等に関する法律のつきまとい等に該当し、警告や禁止命令の対象となることがあります。禁止命令に違反すれば刑罰の対象となり、住居侵入罪とは別に処罰される可能性が生じます。また、警告を受けた事実は捜査記録に残り、後の在留審査でも素行の評価に影響し得ます。相手方から接触を拒まれている場合には、直接の連絡を控え、必要な連絡は弁護人を通じて行うことが、刑事と在留の双方の観点から安全です。
在留への影響と示談の意味
住居侵入罪は入管法24条4号の2の対象に含まれますので、別表第一の在留資格の方は、拘禁刑に処せられれば執行猶予が付いても退去強制事由に該当します。目指すべきは不起訴、次善として罰金です。この類型では、被害者が処罰を強く求めることが多く、示談交渉は感情面の配慮を要します。弁護人が窓口となり、接触しない旨の誓約、転居の予定、再発防止のための具体的措置を示すことが、示談成立の現実的な条件となることが少なくありません。早期の着手が結果を分けます。
よくあるご質問
合鍵を持っていれば入っても問題ありませんか
鍵の所持は立入りの正当性を意味しません。現在の居住者が立入りを望んでいない状況で入れば、住居侵入罪が成立し得ます。荷物の引取りが必要な場合は、事前に日時を調整し、可能であれば第三者の立会いのもとで行ってください。
玄関の前まで入っただけでも罪になりますか
集合住宅の共用廊下や戸建ての敷地内であっても、居住者の生活の平穏に関わる範囲であれば住居侵入罪が成立し得ます。とりわけ深夜の立入りや繰り返しは、成立に傾く事情として評価されます。
相手に直接謝罪してもよいですか
直接の接触は避けてください。謝罪の意図であっても、接触自体が新たなつきまといと評価される危険があります。謝罪と弁償の申入れは弁護人を通じて行い、経過を記録に残す形で進めるのが安全です。
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舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。
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本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
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