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器物損壊で被害届を出されたとき|親告罪の意味と在留資格への影響

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器物損壊で被害届を出されたとき|親告罪の意味と在留資格への影響

器物損壊で被害届を出されたとき|親告罪の意味と在留資格への影響

2026/08/13

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他人の物を壊す行為は、刑法261条の器物損壊罪にあたり、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もしくは科料が定められています。飲酒後に路上の看板を倒した、口論の末に相手の携帯電話を投げて壊した、駐車中の車を蹴ったといった事案が典型です。器物損壊罪は親告罪であり、告訴の取下げが得られれば公訴を提起できなくなります。他方で、この罪も入管法24条4号の2が対象とする罪に含まれるため、外国籍の方にとっては在留を左右する事件です。

本記事の要点

  • 器物損壊罪は刑法261条の罪で、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もしくは科料です。
  • 同罪は親告罪であり、告訴がなければ起訴できず、告訴の取下げは不起訴に直結します。
  • 建物の効用を害する程度に至れば、より重い建造物等損壊罪(同法260条)が問題となります。
  • 器物損壊罪は入管法24条4号の2の対象に含まれるため、拘禁刑の回避が在留維持の鍵です。

どのような行為が器物損壊になりますか

器物損壊罪は、他人の物を損壊し、または傷害した場合に成立します。物理的に壊す行為に限られず、その物を本来の用法に従って使えなくする行為も含まれるのが判例の考え方です。飲食店の食器に放尿する、他人の書類を汚損する、動物を傷つけるといった行為も対象となります。他方、建物の壁や扉を破壊し、建物としての効用を害する程度に至れば、5年以下の拘禁刑が定められた建造物等損壊罪(刑法260条)が成立し、評価は一段重くなります。壊した対象が何であったかは、罪名を左右する重要な事実です。

親告罪であることにどのような意味がありますか

器物損壊罪は親告罪であり、被害者の告訴がなければ検察官は公訴を提起できません(刑法264条)。したがって、被害弁償を尽くして示談が成立し、告訴が取り下げられれば、その時点で起訴は法律上不可能となります。これは、外国籍の方にとって決定的な意味を持ちます。拘禁刑に処せられなければ、別表第一の在留資格であっても入管法24条4号の2に該当しないためです。修理費用の見積り、代替品の調達、謝罪の方法を早期に整え、告訴期間内に交渉を開始することが実務上極めて重要になります。

酔っていて覚えていない場合はどうしますか

記憶がない場合であっても、「やっていない」と断定することも、「たぶんやった」と迎合することも避けるべきです。まず、防犯カメラ、目撃者の供述、衣服や手の傷といった客観証拠がどこまで存在するのかを弁護人を通じて把握します。飲酒による記憶の欠落は、責任能力の問題として直ちに認められるものではなく、多くの事案では量刑の一事情として扱われます。他方、事実関係を争わずに弁償を優先すべき事案も多くあります。方針は、証拠の状況と被害者の意向を確認したうえで決めるべきものです。

在留資格にはどう影響しますか

器物損壊罪は、入管法24条4号の2が対象とする毀棄及び隠匿の罪に含まれます。したがって、別表第一の在留資格で在留する方は、この罪で拘禁刑に処せられると、全部執行猶予が付いた場合でも退去強制事由に該当します。罰金や不起訴で終われば同号には該当しません。永住者や日本人の配偶者等といった別表第二の在留資格には同号の適用がなく、同条4号リの1年を超える実刑が問題となる構造ですが、在留期間の更新や永住許可の審査では素行が問われます。告訴取下げによる不起訴が最善の解決です。

よくあるご質問

弁償すれば必ず不起訴になりますか

必ずではありませんが、器物損壊罪は親告罪であるため、示談が成立し告訴が取り下げられれば公訴を提起できません。弁償の申入れが被害者に受け入れられるかが分かれ目ですので、金額の根拠を示し、誠実に交渉することが重要です。

壁への落書きも器物損壊になりますか

落書きは器物損壊罪となり得ますが、対象が建物であり、その効用を害する程度に至れば建造物等損壊罪(刑法260条、5年以下の拘禁刑)が成立します。除去費用が高額になることも多く、弁償額の見通しを早期に確認する必要があります。

被害者が示談に応じない場合はどうなりますか

告訴が維持されれば起訴の可能性が残ります。その場合でも、弁償の申入れを継続した記録、供託、贖罪寄付といった方法により誠意を示すことができます。処分が罰金にとどまれば、入管法24条4号の2の適用は回避できます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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