舟渡国際法律事務所

監理措置の申請と監理人の選び方|収容によらずに退去強制手続を進める方法

お問い合わせはこちら

監理措置の申請と監理人の選び方|収容によらずに退去強制手続を進める方法

監理措置の申請と監理人の選び方|収容によらずに退去強制手続を進める方法

2026/08/13

この記事の中国語版はこちら(本文的中文版请点击这里)

令和5年の入管法改正により、収容に代わる措置として監理措置の制度が設けられました。監理人による監理のもとで、社会の中で生活しながら退去強制手続を進めることができる仕組みです。従来、収容か仮放免かという選択肢しかなかった状況に比べ、手続の初期から社会内での生活を維持できる道が開かれた点に意義があります。もっとも、監理人には届出や報告の義務が課され、対象者にも遵守すべき条件が付されます。誰を監理人とするかは、申請が認められるかどうかを左右する重要な要素です。ここでは、申請の実務と監理人選びの視点を整理します。

本記事の要点

  • 監理措置は入管法44条の2以下に定めがあり、収容に代わる措置として位置づけられます。
  • 監理人は、対象者の生活状況を把握し、入管への届出や報告を行う立場にあります。
  • 監理保証金の納付や、住居の指定などの条件が付されます。
  • 報酬を受ける活動が認められるかは決定の内容によりますので、必ず確認が必要です。

監理措置とはどのような制度ですか

監理措置は、収容令書または退去強制令書による収容に代えて、監理人の監理のもとで社会内での生活を認める制度です。令和5年の改正により入管法44条の2以下に設けられ、令和6年6月から運用されています。主任審査官が、逃亡や証拠隠滅のおそれの程度、収容による不利益の程度、その他の事情を考慮して決定します。対象者には、住居の指定、呼出しに応じて出頭する義務、監理人への生活状況の報告義務などの条件が付され、監理保証金が定められる場合があります。従来の仮放免が収容を前提とした例外的な解放であったのに対し、監理措置は収容そのものに代わる措置として制度化された点に違いがあります。

監理人にはどのような義務がありますか

監理人は、対象者の生活状況を把握し、入管に対して届出や報告を行う立場に置かれます。対象者が指定された住居を離れた場合や、条件に違反した場合の届出が求められるほか、求めに応じて生活状況を報告することとされています。これらの義務に違反した場合には過料の制裁が定められていますので、形式的に名前を貸すだけでは務まりません。他方、監理人は対象者を監視する立場というよりも、生活を支えながら手続の履行を確保する役割を担うものと理解すべきです。制度の運用にあたっては、監理人の負担が過大にならないよう配慮されるべきであるとの指摘もあり、引受けを検討される方には、義務の内容を正確に説明したうえで判断していただく必要があります。

誰を監理人に選ぶべきですか

選定の基準は、対象者との関係の実態と、義務を果たせる生活基盤があるかどうかです。配偶者や親族、長年の交友関係にある知人、雇用関係にあった事業主、支援団体の関係者、弁護士などが監理人となる例があります。重要なのは、対象者と日常的に連絡が取れること、住居の状況を把握できること、必要なときに入管への届出を確実に行えることです。監理人自身の在留資格が安定していることや、定職があることは、申請の説得力を高める要素となります。逆に、遠方に居住していて日常的な接触がない方、対象者と利害の対立がある方は適しません。候補者が見つからない場合は、支援団体や弁護士に相談する道があります。

申請ではどのような資料を出しますか

中心となるのは、逃亡のおそれが低いことを裏づける客観的な資料です。住居に関しては、賃貸借契約書や同居する家族の状況を示す資料を提出します。生活の維持については、家族の収入や支援者からの援助の見込みを具体的に示します。監理人については、身分関係を示す資料、在留資格や職業に関する資料、対象者との関係の経緯を記載した書面を用意します。健康上の問題がある場合には、診断書により治療の必要性を示します。加えて、これまで呼出しに応じて出頭してきた経緯や、家族が日本で生活している事情は、逃亡のおそれの低さを示す事情となります。決定に不服がある場合の対応も含め、申請前に方針を確認してください。

よくあるご質問

監理措置中に働くことはできますか

認められる場合と認められない場合があります。措置の類型や個別の決定の内容によりますので、就労の可否は必ず決定の内容で確認してください。認められていないのに就労すれば条件違反となり、雇用した側にも不法就労助長罪の問題が生じます。許可の範囲を超える就労は、取消しの事由となり得ます。

監理人になると法的な責任を負いますか

届出や報告の義務があり、違反した場合には過料の制裁が定められています。対象者の債務を負担するわけではありませんが、義務の内容を理解したうえで引き受ける必要があります。不明な点は事前にご相談ください。対象者との関係や連絡の方法についても、あらかじめ整理しておくと安心です。

監理措置と仮放免はどちらを申請すべきですか

手続の段階と事情によって異なります。監理措置は収容に代わる措置として制度化されており、仮放免は収容中の方について健康上の理由等がある場合の措置として位置づけられています。どちらが適切かは個別に検討が必要です。収容の状況や健康状態によって、選択すべき手段が変わることがあります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 不法就労助長罪に問われて退去強制の危機にある依頼者について、「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた入管実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を係属中の事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事の中国語版はこちら(本文的中文版请点击这里)

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。