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自ら入管に出頭申告すべきか|在留特別許可と出国命令の選択を分ける事情

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自ら入管に出頭申告すべきか|在留特別許可と出国命令の選択を分ける事情

自ら入管に出頭申告すべきか|在留特別許可と出国命令の選択を分ける事情

2026/08/13

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在留期間が過ぎたまま日本で生活している方から、自分から入管に出頭した方がよいのかというご相談を受けることがあります。出頭申告は、摘発される前に自ら違反の事実を申し出るもので、その後の判断において有利な事情として考慮され得ます。もっとも、出頭すれば退去強制手続が確実に始まりますので、日本での在留継続を望むのか、円滑な出国を望むのかによって、準備すべき資料も進め方も異なります。ここでは、出頭申告のもつ意味、在留特別許可を目指す場合の準備、出国命令を選ぶ場合の要件を整理します。

本記事の要点

  • 出頭申告は摘発前に自ら申し出るもので、その後の判断における考慮要素の一つとなります。
  • 出頭すれば退去強制手続が始まりますので、目指す結論を決めてから臨む必要があります。
  • 在留継続を望む場合は、家族関係や定着性を示す資料を事前に整えます。
  • 出国命令の要件を満たせば、上陸拒否期間は1年にとどまります。

出頭申告にはどのような意味がありますか

出頭申告は、摘発を待たずに自ら違反の事実を申し出る行為であり、その後の判断において有利に働き得る事情です。在留特別許可の判断では、入管法50条に基づき、家族関係、在留の経緯、素行、人道上の配慮の必要性などが総合的に考慮されますが、自ら出頭した事実は、違反状態を解消しようとする姿勢として評価される余地があります。また、実務上、出頭申告の場合には収容を伴わずに手続が進むことも少なくありません。もっとも、出頭により退去強制手続が確実に開始されますので、準備のないまま出向くことは避けるべきです。何を目指して出頭するのかを定め、それを裏づける資料を揃えてから臨むことが重要です。

在留の継続を目指す場合、何を準備しますか

準備の中心は、日本での生活の実態を示す客観的な資料です。日本人または永住者との婚姻がある場合には、婚姻の実体を示す資料として、同居の状況、家計の共同性、交際から婚姻に至る経緯、双方の親族との関係などを具体的に示します。子がいる場合には、就学状況、日本語の習得状況、本国での生活経験の有無が重要です。在留期間、居住歴、稼働状況、納税や社会保険料の納付状況も、定着性と素行を示す資料となります。他方で、不法就労の事実や、資格外活動の程度については、正確に把握したうえで説明する必要があります。事実に反する説明は、後に発覚した場合、判断を著しく不利にします。

出国命令を選ぶべきなのはどのような場合ですか

早期の出国を選び、将来の再入国を視野に入れる場合です。出国命令の制度は入管法24条の3に定めがあり、不法残留であること、速やかに出国する意思をもって自ら出頭したこと、退去強制歴や出国命令を受けた前歴がないこと、一定の罪により拘禁刑に処せられたことがないこと、速やかに出国することが確実と見込まれることなどが要件とされています。要件を満たして出国命令により出国した場合、入管法5条1項9号の上陸拒否期間は1年となります。これに対し、退去強制令書により送還された場合は1回目でも5年です。日本での在留継続が現実的でない事案では、この差は大きな意味を持ちます。

出頭前に確認しておくべきことは何ですか

確認すべきは、違反の内容と時期、家族の在留状況、そして刑事事件の有無です。不法残留に加えて、偽名での就労、他人名義の在留カードの使用、口座の譲渡といった事実がある場合、刑事事件に発展する可能性がありますので、出頭の前に整理が必要です。家族が同様の状態にある場合、一人の出頭が家族全体の手続を動かすことになりますので、家族としての方針を統一しておくべきです。また、出頭後の生活の見通し、監理措置における監理人の候補者、住居の確保も、あらかじめ検討しておく事項です。出頭は取り消せない行為ですので、目指す結論と準備の状況を確認したうえで、時期を選んで実行してください。

よくあるご質問

出頭したらその場で収容されますか

事案により異なります。住居が定まっており、逃亡のおそれが低いと判断される場合には、収容を伴わずに手続が進むことがあります。監理措置の申請を視野に入れて、住居や監理人の候補をあらかじめ整えておくことが有用です。出頭の日程は事前に調整できる場合がありますので、準備の状況に合わせてください。

出頭申告すれば在留特別許可を受けられますか

自ら出頭したことは考慮要素の一つにすぎず、それだけで許可されるものではありません。家族関係や在留の経緯、素行などが総合的に判断されます。見通しについては、事案の具体的な事情を踏まえて検討する必要があります。見通しが厳しい事案では、出国命令との比較も含めて検討することになります。

家族の中に一人だけ在留資格がない場合はどうしますか

家族全体の在留状況を整理したうえで方針を決める必要があります。一人の手続が他の家族の在留に影響することがありますので、出頭の時期や申告の内容について、家族で共有してから進めることをお勧めします。一部の家族のみ在留が認められる可能性もありますので、優先順位の整理が必要です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 不法就労助長罪に問われて退去強制の危機にある依頼者について、「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた入管実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を係属中の事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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