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退去強制手続の流れ|違反調査から送還までの各段階と反論の機会

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退去強制手続の流れ|違反調査から送還までの各段階と反論の機会

退去強制手続の流れ|違反調査から送還までの各段階と反論の機会

2026/08/13

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退去強制の手続は、入国警備官による違反調査から始まり、入国審査官の審査、特別審理官の口頭審理、法務大臣の裁決という段階を経て進みます。各段階には期限が定められており、不服を述べる機会を逃すと次の段階に進んでしまいます。もっとも、手続の流れを理解していれば、どの時点でどのような資料を出すべきかを計画的に組み立てることができます。とりわけ在留特別許可を求める場合、最終段階でいきなり主張するのではなく、早い段階から事実の記録を積み上げておく必要があります。ここでは、各段階の内容と対応の要点を整理します。

本記事の要点

  • 手続は違反調査、違反審査、口頭審理、法務大臣の裁決の順に進みます。
  • 認定に不服があれば3日以内に口頭審理を請求し、判定に不服があれば3日以内に異議を申し出ます。
  • 令和5年改正により、収容に代わる監理措置が入管法44条の2以下に設けられました。
  • 在留特別許可は入管法50条に基づき、裁決の段階で判断されます。

違反調査から収容まではどのように進みますか

手続は入国警備官による違反調査から始まります。入管法27条以下に基づき、退去強制事由に該当すると疑うに足りる相当の理由がある場合に、事情の聴取や関係先の調査が行われます。調査の結果、容疑が固まると、主任審査官が収容令書を発付し、入国警備官がこれを執行して身柄を収容します。令和5年の改正により、収容に代わる措置として監理措置の制度が入管法44条の2以下に設けられ、監理人による監理のもとで社会内での生活を続けながら手続を進める道が用意されました。この段階での対応として重要なのは、事実関係の正確な把握と、監理措置の申請に向けた資料の準備です。聴取での供述はその後の全段階に影響しますので、慎重に臨む必要があります。

違反審査と口頭審理では何を主張しますか

違反審査では退去強制事由への該当性が、口頭審理ではその認定の当否が審理されます。入国審査官は、収容された方について速やかに審査を行い、退去強制事由に該当すると認定した場合には、その旨を通知します。この認定に不服がある場合、通知を受けた日から3日以内に、特別審理官による口頭審理を請求できます。口頭審理では、証拠の提出や意見の陳述ができ、代理人を立てることも可能です。この段階では、そもそも退去強制事由に当たらないという主張と、仮に当たるとしても在留を認めるべき事情があるという主張の両方を視野に入れます。3日という期限は極めて短いため、あらかじめ請求の意思を決めておくことが不可欠です。

法務大臣の裁決と在留特別許可はどう関係しますか

在留特別許可は、裁決の段階で判断されます。特別審理官の判定にも不服がある場合、通知を受けた日から3日以内に法務大臣に対して異議を申し出ます。法務大臣は異議の理由の有無を裁決しますが、理由がないと認める場合であっても、入管法50条により、在留を特別に許可することができます。令和5年の改正で考慮事情が法律上明示され、家族関係、在留の経緯と期間、素行、人道上の配慮の必要性などが総合的に判断されます。したがって、この段階までに、婚姻や親子関係の実態、日本での生活の定着、納税や社会保険の状況、本国の事情といった資料を整えておく必要があります。裁決後に許可されない場合、退去強制令書が発付されます。

送還はいつ、どのように行われますか

退去強制令書が発付されると、送還に向けた手続が進みます。送還先は原則として国籍または市民権のある国であり、旅券の発給や航空券の手配などの準備が行われます。送還までの間は収容されるか、監理措置または仮放免により社会内での生活が認められることがあります。退去強制を受けた方については、入管法5条1項9号により、上陸拒否期間が定められています。1回目の退去強制であれば5年、2回目以降であれば10年とされ、薬物に関する事由による場合には期間の定めのない類型があります。他方、出国命令により出国した場合の上陸拒否期間は1年とされていますので、どの手続で出国するかは、将来の再入国を左右する重要な選択になります。

よくあるご質問

口頭審理を請求しないとどうなりますか

認定に服する旨を書面で示した場合、直ちに退去強制令書が発付され、送還の手続に進みます。在留特別許可を求める意思があるのであれば、口頭審理を請求し、異議の申出まで手続を進める必要があります。判断は慎重に行ってください。いったん提出した書面を撤回することは容易ではありません。

手続の途中で弁護士を頼めますか

できます。口頭審理では代理人を立てることができ、資料の提出や意見の陳述も可能です。手続の早い段階から関与する方が、資料の準備や供述の整理という点で有利になりますので、収容の連絡を受けた時点でご相談ください。口頭審理の期日までに、通訳の要否についても伝えておくと進行が円滑です。

収容されずに手続を進める方法はありますか

監理措置または仮放免があります。監理措置は令和5年改正で設けられた制度で、監理人による監理のもとで生活を継続できます。いずれも要件と提出資料が定まっていますので、早めに準備を始めることが重要です。健康上の事情がある場合は、その資料を早い段階で提出しておくことが有用です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 不法就労助長罪に問われて退去強制の危機にある依頼者について、「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた入管実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を係属中の事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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