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入管収容中に刑事事件が発覚したとき|身柄の移動と退去強制手続の停止

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入管収容中に刑事事件が発覚したとき|身柄の移動と退去強制手続の停止

入管収容中に刑事事件が発覚したとき|身柄の移動と退去強制手続の停止

2026/08/13

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退去強制手続のために入管施設に収容されている間に、別の刑事事件が明らかになることがあります。偽造された在留カードの使用、他人名義の口座の利用、過去の窃盗や詐欺の余罪などが典型です。この場合、警察による逮捕が行われ、身柄は入管施設から警察の留置施設へ移されます。入管手続は事実上停止し、刑事処分が決まるまで送還は行われません。収容中は外部との連絡が制限されるため、弁護人の選任と関係者への連絡が遅れがちです。ここでは、手続の流れと、この段階での防御の要点を整理します。

本記事の要点

  • 収容中に刑事事件が発覚すると、警察に逮捕され身柄が入管施設から移されます。
  • 刑事処分が確定するまでの間、送還は事実上行われません。
  • 在留カードの偽造や行使については、入管法73条の3以下に罰則が定められています。
  • 不起訴となれば入管手続に戻りますので、起訴前の弁護活動が結論を左右します。

収容中に事件が発覚するのはどのような場面ですか

多くは、入管の調査の過程で新たな事実が判明する場面です。違反調査では、入国の経緯、これまでの就労先、使用していた身分証や口座について詳細な聴取が行われます。その過程で、偽造された在留カードを提示して就労していた事実、他人名義の在留カードを用いていた事実、あるいは第三者に口座を譲渡していた事実が明らかになることがあります。また、過去の窃盗や詐欺について、共犯者の供述から関与が判明する場合もあります。入管法62条2項は、公務員が職務上、犯罪があると思料するときの通報等について定めており、入管から警察へ情報が伝わることを前提に考える必要があります。聴取の際の説明は、刑事事件を招く可能性を意識して行うべきです。

身柄と手続はどう動きますか

逮捕されると、身柄は入管施設から警察の留置施設へ移り、通常の刑事手続が進みます。勾留は原則10日、延長を含めて20日を上限とし、その間に検察官が処分を決めます。この間、退去強制手続は事実上進行を止め、送還は行われません。刑事処分が終わった後、改めて入管に身柄が引き継がれ、退去強制手続が再開されるのが通例です。不起訴となった場合も、入管手続そのものは残りますので、在留特別許可を求めるのか、出国の方向で調整するのかという方針決定が必要になります。刑事と入管のどちらの手続が先に動くかによって、家族の生活や仮放免の申請時期も変わってきますので、全体を見通した設計が求められます。

偽造在留カードの事案では何が問題になりますか

行使したことによる刑事責任と、これまでの就労の適法性の双方が問題となります。在留カードの偽造や変造、偽造カードの提供や所持については、入管法73条の3以下に罰則が定められており、事案によっては刑法の偽造罪も問題となります。加えて、偽造カードを用いて就労していた場合、その期間の活動は在留資格に基づかないものと評価され、退去強制事由の判断や在留特別許可の判断に影響します。他方で、本人が偽造であることを知らずに交付を受けていた事案も現実にはあります。誰から、いくらで、どのような説明を受けて入手したのかという経緯は、故意の有無を判断するうえで重要ですので、記憶が新しいうちに具体的に整理しておく必要があります。

この段階で優先すべき弁護活動は何ですか

起訴前の段階で不起訴を目指すことが最優先です。有罪判決を受けると、薬物事犯であれば入管法24条4号チ、1年を超える実刑であれば同条4号リが問題となり、在留特別許可を求める余地はさらに狭まります。すでに退去強制事由に該当している方であっても、有罪判決が加わるかどうかで、その後の判断は変わります。収容施設と留置施設では面会や差入れの手続が異なりますので、家族との連絡体制を早期に整えることも重要です。取調べでは、入管での供述との整合性を問われる場面が生じますが、両手続での説明が食い違えば、いずれの手続でも信用性を疑われます。説明の一貫性を保つため、方針の統一が必要です。

よくあるご質問

入管の収容と警察の留置はどう違いますか

根拠となる法律も目的も異なります。入管の収容は退去強制手続のためのもの、警察の留置は刑事手続のためのものです。面会や差入れの手続、時間帯の運用も異なりますので、身柄が移った際にはご家族への案内が必要になります。移送の連絡は必ずしも迅速ではありませんので、弁護人を通じた確認が確実です。

刑事事件が終われば送還されますか

退去強制令書が発付されていれば、送還の準備が進みます。ただし、その前に在留特別許可を求める手続や、監理措置、仮放免の申請といった対応が考えられます。手続の段階により取り得る方法が異なりますので、早めに確認してください。送還先の国の情勢に関する事情も、主張の対象となり得ます。

収容中に弁護人と自由に会えますか

弁護人との面会は、一般の面会より広く認められています。もっとも、施設ごとに手続や時間の運用が異なりますので、事前の連絡が円滑です。通訳の手配が必要な場合は、その旨も伝えておくとよいでしょう。面会で確認したい事項は、あらかじめ整理しておくと限られた時間を有効に使えます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 不法就労助長罪に問われて退去強制の危機にある依頼者について、「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた入管実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を係属中の事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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