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保釈保証金の準備と保釈条件|外国人被告人が旅券提出を求められる理由

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保釈保証金の準備と保釈条件|外国人被告人が旅券提出を求められる理由

保釈保証金の準備と保釈条件|外国人被告人が旅券提出を求められる理由

2026/08/13

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起訴されると保釈を請求できるようになりますが、外国人の被告人の場合、国外への出国が可能であることを理由に、逃亡のおそれが強く主張される傾向があります。そのため、保釈を実現するには、保証金の額だけでなく、住居や身元引受け、連絡体制といった条件面での説得材料を整える必要があります。裁判所からは、旅券を提出する条件や、被害者および関係者との接触を禁じる条件が付されることが一般的です。また、在留資格を失っている方の場合、保釈が許可されても入管の収容に移ることがあります。ここでは、準備すべき事項を順に整理します。

本記事の要点

  • 起訴後は権利保釈が原則ですが、罪証隠滅や逃亡のおそれがあると除外されます。
  • 保証金は現金納付のほか、保釈保証書の制度や立替えを利用できる場合があります。
  • 外国人の事件では、旅券の提出や住居制限などの条件が付されることが一般的です。
  • 在留資格を欠く方は、保釈されても入管の収容手続に移行することがあります。

保釈はどのような場合に認められますか

起訴後の被告人については保釈が原則とされていますが、法律が定める除外事由に当たると認められません。刑事訴訟法89条は、重い罪に当たる事件、常習として同種の罪を犯した場合、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある場合、被害者等に危害を加えるおそれがある場合、住居が不定である場合などを権利保釈の除外事由として列挙しています。これらに該当する場合でも、同法90条により、裁判所は逃亡や罪証隠滅のおそれの程度、身体拘束の継続による不利益の程度などを考慮して、裁量により保釈を許すことができます。外国人の事件では、国外に生活基盤があること自体が逃亡のおそれの根拠として主張されやすいため、この点への具体的な反論が鍵となります。

保証金はいくら必要で、どう用意しますか

金額は法律で定額が決まっているわけではなく、犯罪の性質、証拠の状況、被告人の資力を考慮して裁判所が定めます。保証金は、被告人が出頭しない場合に没取される可能性によって出頭を担保する趣旨のものですので、資力に比して低額であれば担保として機能しないと判断されます。用意の方法としては、現金を裁判所に納付するのが基本ですが、弁護士会の関連団体が発行する保釈保証書を用いる方法や、保釈保証金の立替えを行う団体を利用する方法もあります。海外の親族から送金を受ける場合は、着金までの日数と送金理由の説明資料が必要となることがありますので、請求前から準備を始めてください。保証金は判決確定後、原則として返還されます。

どのような保釈条件が付きますか

条件は、逃亡と罪証隠滅を防ぐ目的で個別に定められます。外国人被告人の事件で典型的なのは、旅券を裁判所または弁護人に提出させる条件、住居を特定して指定した場所に居住する条件、旅行や転居に裁判所の許可を要する条件、被害者や共犯者とされる者、証人となり得る者との接触を禁じる条件です。制限住居を離れる場合の届出義務が課されることもあります。これらの条件に違反すると、保釈が取り消され、保証金の全部または一部が没取されます。就労を継続する必要がある場合は、勤務先の所在地と通勤経路を具体的に示し、日中の所在が把握できる体制を説明することで、条件の設定が現実的なものになります。

保釈が認められても入管に収容されることがありますか

在留資格を失っている方については、その可能性があります。刑事手続における身体拘束の解放と、入管法上の収容は別個の制度です。在留期間が経過している場合や、退去強制事由に該当すると判断されている場合、入国警備官が違反調査を進め、収容令書による収容がなされることがあります。この場合、身柄は刑事施設から入管の収容施設へ移ることになり、保釈の実質的な意味が変わってきます。したがって、保釈請求の準備と並行して、在留の状況を確認し、必要であれば監理措置や仮放免の申請を見据えた資料を整えておく必要があります。入管法63条は刑事手続と退去強制手続との関係について定めを置いており、両手続は並行して進み得ます。

よくあるご質問

保釈保証金は判決後に返ってきますか

条件に違反せず手続に出頭していれば、原則として返還されます。逆に、指定された期日に出頭しない、制限住居を無断で離れるなどの違反があれば、保釈が取り消され、全部または一部が没取されることがあります。没取された場合、その後の手続で新たな保証金が必要となることもあります。

旅券を提出すると帰国できなくなりますか

保釈中は出国が制限されますので、事実上帰国はできません。裁判が終了した後の取扱いは、判決の内容と在留の状況によって異なります。退去強制の手続に移る場合は、旅券の返還も含めて入管との調整が必要になります。旅券の返還時期は、手続の進行状況に応じて個別に判断されます。

身元引受人は日本人でなければいけませんか

国籍は要件ではありません。重要なのは、被告人と一定の関係があり、日常の所在を把握でき、出頭を確保する意思と能力があることです。安定した在留資格と定職があることは、説得力を高める要素となります。複数の身元引受人を立てることで、監督の体制を厚く示す方法もあります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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