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供述調書に署名を求められたら|訂正の申立てと署名押印を拒む権利

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供述調書に署名を求められたら|訂正の申立てと署名押印を拒む権利

供述調書に署名を求められたら|訂正の申立てと署名押印を拒む権利

2026/08/13

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取調べの最後に、捜査官が作成した書面を読み聞かせられ、間違いがなければここに署名してください、と求められます。これが供述調書です。調書は捜査官が要旨をまとめて作成するもので、ご本人が話した言葉そのままとは限りません。とりわけ通訳を介する場合、微妙な言い回しが日本語の定型表現に置き換えられ、実際よりも強い認識を認めたような文章になっていることがあります。この記事では、調書がどのように作られるのか、内容に納得できないときの訂正の申立て、署名押印を拒む権利、そして調書の一文が在留に及ぼす影響について説明します。

本記事の要点

  • 調書は捜査官が要旨をまとめたものであり、話した言葉がそのまま記載されるとは限りません。
  • 内容に誤りがあるときは、増減変更の申立てをすることができます(刑事訴訟法198条4項)。
  • 署名押印は義務ではなく、拒むことができます(同条5項)。
  • 認識や関与の程度に関する記載は、後の量刑と在留審査を左右しますので、特に慎重に確認してください。

供述調書はどのように作られますか

供述調書は、取調べの内容を捜査官が文章にまとめ、これをご本人に読み聞かせたうえで、署名押印を求める方式で作成されます。刑事訴訟法198条3項は、被疑者の供述は調書に録取することができると定め、同条4項は、調書を被疑者に閲覧させ、または読み聞かせて、誤りがないかを問い、被疑者が増減変更を申し立てたときは、その供述を調書に記載しなければならないと定めています。重要なのは、調書が一問一答の逐語録ではなく、要旨をまとめた文章であるという点です。そのため、話した順序や強調点が整理され、結論的な表現が加わることがあります。読み聞かせは早口で行われることもありますが、納得できるまで確認を求めてください。

内容が違うときはどうすればよいですか

違うと感じた箇所を具体的に指摘し、増減変更を申し立ててください。この申立てがあれば、捜査官はその供述を調書に記載しなければなりません。実務上は、修正に応じてもらえる場合もあれば、この表現で問題ないと説得される場合もあります。ここで妥協しないことが重要です。とりわけ、知っていた、分かっていた、了解したといった認識に関する表現、および、何度も、繰り返し、といった頻度に関する表現は、後の評価を大きく左右します。通訳を介している場合には、通訳人に対して、その部分を中国語で正確に訳し直すよう求めてください。訂正が反映されないまま署名を求められたときは、次に述べる署名押印の拒否を検討することになります。

署名を拒むことはできますか

できます。刑事訴訟法198条5項は、被疑者が署名押印を拒絶した場合には、この限りでないと定めており、署名押印は義務ではありません。署名押印のない調書は、被告人の供述を録取した書面としての証拠能力が原則として認められませんので、内容に納得できないまま署名することの危険を考えれば、拒否は正当な選択肢です。もっとも、拒否したことにより、取調べが長時間に及ぶ、態度が悪いと評価されるといった圧力を受ける場合もあります。そのため、あらかじめ弁護人と方針を決め、どのような場合に署名し、どのような場合に拒むかを確認しておくことが有効です。迷ったときは、弁護人と相談してから返答したいと述べてください。

調書の記載が在留にどう影響しますか

調書の記載は、起訴するかどうか、どの範囲で起訴するかを検察官が判断する基礎になります。認識を認めた記載があれば故意の立証が容易になり、有罪判決に近づきます。別表第一の在留資格の方は、窃盗や詐欺、傷害、住居侵入などで拘禁刑に処せられれば、執行猶予でも入管法24条4号の2に該当し得ますので、調書の一文が退去強制手続の入口を開くことがあります。また、調書の内容は、後の在留特別許可を求める場面でも参照され得ます。入管法50条による在留特別許可の判断では、素行や在留の経緯が考慮されますので、事実に反する重い記載が残ることは、その後の手続にも影響します。読み聞かせの数分間が、その後の人生を左右し得ると考えて臨んでください。

よくあるご質問

読み聞かせが速くて理解できません

ゆっくり読み直すよう求めてください。通訳を介する場合は、段落ごとに訳してもらうよう申し出ることもできます。理解できないまま署名すると、後に内容を争うことが著しく困難になります。読み聞かせの際に、どの段落について訂正を求めたかを覚えておくと、後の説明が具体的になります。

署名を拒むと不利になりますか

拒否それ自体を理由に不利益な事実を認定することは許されません。ただし、捜査官から説得を受けることはあります。方針を弁護人と決めておけば、その場で迷わずに対応できます。拒否した場合でも、取調べの経過自体は捜査報告書として記録されることがあります。

既に署名した調書を取り消せますか

取消しはできませんが、公判で任意性や信用性を争うことは可能です。作成時の状況、通訳の様子、訂正を求めたのに応じてもらえなかった経緯などを、記憶が新しいうちに弁護人へ伝えてください。通訳人が交代した場合には、その時期も記録しておくと、内容の検証に役立ちます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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