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刑事手続の通訳費用は誰が負担するのか|取調べ・法廷・接見での違い

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刑事手続の通訳費用は誰が負担するのか|取調べ・法廷・接見での違い

刑事手続の通訳費用は誰が負担するのか|取調べ・法廷・接見での違い

2026/08/13

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日本語を十分に理解できない方が刑事手続に巻き込まれた場合、通訳は権利を守るための生命線です。しかし、どの場面の通訳が公の費用で賄われ、どの場面が自己負担になるのかは、意外に知られていません。取調べや法廷での通訳と、弁護人と接見する際の通訳とでは、費用の扱いが異なります。また、有罪判決を受けた場合の訴訟費用の負担という問題もあります。この記事では、場面ごとの費用負担の考え方、通訳の質に問題があると感じたときの対応、そして通訳の正確さが在留の帰趨にまで影響する理由を整理します。

本記事の要点

  • 捜査機関の取調べと公判廷の通訳は、公の費用で手配されます。
  • 弁護人が接見に通訳人を同行させる場合、その費用は原則として依頼者の負担です。
  • 有罪判決の場合、訴訟費用の負担を命じられることがありますが、通訳料の扱いには配慮がなされています。
  • 通訳の不正確さは供述調書の内容を歪め、刑事処分と在留審査の双方に影響します。

取調べや法廷の通訳は誰が手配しますか

取調べの通訳は捜査機関が、公判廷の通訳は裁判所がそれぞれ手配し、費用は公の負担で賄われます。刑事訴訟法175条は、国語に通じない者に陳述をさせる場合には通訳人に通訳をさせなければならないと定めており、これは被告人の防御権を実質的に保障するための規定です。したがって、通訳を付けてもらうために費用を心配する必要はありません。もっとも、手配されるのは通訳人であって、その人選や専門性についてご本人が選ぶことはできません。法律用語や事件特有の言い回しについて、必ずしも十分な訓練を受けた通訳人が付くとは限らないという実情がありますので、通訳の内容に疑問を感じたときは、遠慮せずその場で申し出ることが重要です。

弁護人と話すときの通訳費用はどうなりますか

弁護人が接見に通訳人を同行させる場合、その費用は原則として依頼者の負担となります。接見は捜査機関の手続ではなく、弁護人と依頼者の打合せだからです。国選弁護の場合には、一定の範囲で通訳費用が国から支給される仕組みがありますが、回数や時間に制約があります。私選の場合は、委任契約の中で通訳費用の扱いを定めるのが通常です。中国語に対応できる弁護士が担当する場合や、事務所内に中国語のスタッフがいる場合には、外部通訳を都度手配する必要がなくなり、費用面でも打合せの機動性の面でも利点があります。委任契約を結ぶ前に、接見のたびに通訳費用がかかるのかどうかを確認しておいてください。

有罪になったら通訳料を払わされますか

訴訟費用の負担を命じられる場合はありますが、通訳に要した費用については配慮がなされています。刑事訴訟法181条1項は、刑の言渡しをしたときに訴訟費用の全部または一部を被告人に負担させることができると定めていますが、同条の運用上、国語に通じないことにより生じた通訳の費用まで被告人に転嫁することは、防御権の保障の趣旨に照らして適切でないと考えられています。実務上も、通訳料を被告人に負担させない扱いが一般的です。なお、訴訟費用の負担を命じられた場合であっても、貧困のため完納することができないときは、その執行の免除を申し立てることができます。金銭的な不安から通訳を辞退するようなことは、決してしないでください。

通訳の質が在留にまで影響するのはなぜですか

通訳の不正確さが供述調書の内容を左右し、その調書が刑事処分を通じて在留の可否を決めるからです。たとえば、認識の有無や関与の程度に関する微妙な表現が、日本語の定型的な言い回しに置き換えられると、実際よりも重い関与を認めた形の調書ができあがることがあります。窃盗、詐欺、傷害、住居侵入などで拘禁刑に処せられれば、別表第一の在留資格の方は執行猶予でも入管法24条4号の2に該当し得ますし、薬物事犯であれば同法24条4号チにより執行猶予でも退去強制事由になります。調書の一文の違いが、退去強制手続に進むかどうかを分けることがあるのです。読み聞かせの際に納得できない箇所があれば、増減変更を申し立て、それでも直らなければ署名押印を拒む選択もあります。

よくあるご質問

通訳人を自分で選べますか

捜査機関や裁判所が手配する通訳人を指名することは原則としてできません。ただし、通訳の正確性に疑義があるときは、弁護人を通じて交代を求めたり、公判で通訳の適否を争ったりすることが可能です。交代を求める場合は、どの発言がどのように訳されて違和感を覚えたのかを具体的に説明してください。

方言や専門用語が通じないときはどうしますか

その場で分からないと明確に伝えてください。通訳人が理解していない可能性もあります。理解できないまま調書に署名すると、後で内容を争うことが難しくなりますので、曖昧なまま進めないことが大切です。理解できないまま進めば、後に供述の任意性や信用性を争う際にも不利な状況が生じます。

入管の手続でも通訳は付きますか

違反調査や口頭審理の場面では通訳が用意される運用ですが、提出書類の作成や母語の資料の翻訳は自己負担になるのが通常です。在留特別許可を求める書面では翻訳の正確さが重要ですので、専門家に依頼することをお勧めします。翻訳文には原文を添えて提出することで、内容の正確性を担保しやすくなります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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