差入れできるもの・できないもの 現金・衣類・書籍と外国語の手紙の扱い
2026/08/13
身柄を拘束されているご本人にとって、差入れは外部とのつながりを実感できる数少ない機会です。しかし、何でも差し入れられるわけではなく、施設ごとに受付の方法も制限も異なります。何度も足を運んだのに受け付けてもらえなかった、という経験をされるご家族は少なくありません。特に外国語で書かれた手紙や書籍は、内容の確認に時間を要し、渡るまでに日数がかかることがあります。本稿では、差入れの基本的な取扱いと、品目ごとの注意点を整理します。
本記事の要点
- 差入れは面会ができない時期でも可能で、受付時間は平日の日中に限られるのが通常です。
- 現金は使途が限られており、一度に差し入れられる額に上限が設けられていることがあります。
- 衣類は紐や金具の有無が確認され、受け付けられない形状のものがあります。
- 外国語の手紙や書籍は内容の確認に時間を要し、本人に届くまで日数がかかります。
差入れの基本的な流れと注意点
差入れは、本人が収容されている警察署の留置施設または拘置所の窓口で受け付けられます。受付時間は平日の日中に限られるのが通常で、昼休みの時間帯は取り扱われないこともあります。窓口では、差し入れる方の身分証明書の提示を求められ、氏名や本人との関係を記載します。品目や数量には制限があり、同じ物を一度に大量に差し入れることはできません。施設によって運用が異なるため、遠方から向かう場合には、事前に電話で受付時間と可否を確認することを強くお勧めします。なお、接見等禁止の決定が付されている場合、物の授受まで禁じられていることがありますので、この点も併せて確認してください。
現金と衣類・日用品について
現金は、施設内で日用品や書籍を購入するために用いられます。一度に差し入れられる金額に上限が定められていることがあり、また使途も限られていますので、多額を一度に届ける必要はありません。衣類については、下着、靴下、シャツ類が中心となります。紐が付いているもの、金具が付いているもの、フードの付いたものは、安全上の理由から受け付けられないことがありますので、購入前に確認してください。季節の変わり目には、上着や防寒用の衣類が必要になります。眼鏡やコンタクトレンズについては、施設の判断により取扱いが分かれますので、必要性を具体的に伝えて相談してください。
書籍と手紙の取扱い、外国語の場合
書籍や手紙は、内容の確認を経たうえで本人に渡されます。ここで外国籍の方に特有の問題が生じます。中国語その他の外国語で書かれた書面は、内容を確認できる体制が整うまで時間を要し、本人の手元に届くまでに日数がかかることがあります。急ぎ伝えたい事柄がある場合には、手紙ではなく、弁護人を通じて伝える方が確実です。また、手紙の内容にも注意が必要です。事件の内容に触れる記述、関係者との連絡を促す記述は、罪証隠滅を疑われる契機になりかねません。日常の出来事や励ましを中心とし、事件に関する具体的なやり取りは弁護人に委ねるのが安全です。
差し入れることができないもの
食品類は、原則として差し入れることができません。衛生上の理由と、異物の混入を防ぐ必要があるためです。医薬品も、原則として差入れの対象外です。持病がある場合には、市販薬を届けるのではなく、薬の名称と服用方法を施設に伝え、施設の医師の診察を通じて対応してもらう流れになります。携帯電話、パソコン、記録媒体などの電子機器も差し入れることはできません。刃物や紐状のもの、金属製の器具も同様です。判断に迷うものについては、持参する前に施設へ確認するか、弁護人を通じて確認してください。無駄な往復を避けることができます。
よくあるご質問
差入れは誰でもできますか
原則として、ご家族以外の方でも差し入れることは可能です。ただし窓口で身分証明書の提示と、本人との関係の記載を求められます。接見等禁止の決定が付されている場合には制限が及ぶことがありますので、事前に施設または弁護人に確認してください。事前の電話確認をお勧めします。
中国語の本を差し入れることはできますか
差入れ自体は可能な場合が多いのですが、内容の確認に時間を要するため、本人の手元に届くまで日数がかかることがあります。急ぎの用件は書籍や手紙ではなく、弁護人を通じて伝える方法をご検討ください。冊数の制限にも注意が必要です。まとめて多数を届けることはできません。
常用薬を差し入れたいのですが可能ですか
医薬品の差入れは原則として認められていません。持病がある場合は、薬の名称、用量、処方元の医療機関を施設と弁護人に伝え、施設の医師の診察を通じて必要な措置を求めることになります。診療情報が分かる資料があると円滑です。服薬が途切れないよう早めにご相談ください。
当事務所のご案内
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。
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本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
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