舟渡国際法律事務所

刑事手続の終了から入管手続へ 収容・違反審査・在留特別許可までの流れ

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刑事手続の終了から入管手続へ 収容・違反審査・在留特別許可までの流れ

刑事手続の終了から入管手続へ 収容・違反審査・在留特別許可までの流れ

2026/08/13

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刑事事件が終わったのに、その足で入管に収容されてしまう。外国籍の方の事件では、こうした事態が現実に起こります。刑事手続と退去強制手続は別個の制度であり、刑事上の処分が終わったことは、在留が認められることを意味しないためです。本稿では、刑事手続の終了後に始まる入管手続の全体像を、収容、違反調査と違反審査、口頭審理、異議の申出、法務大臣の裁決と在留特別許可という順序に沿って説明し、あわせて収容を避けるための監理措置についても触れます。

本記事の要点

  • 刑事手続と退去強制手続は別個であり、釈放と同時に入管に収容されることがあります。
  • 退去強制手続は、違反調査、違反審査、口頭審理、異議の申出という三審制的な構造をとります。
  • 在留特別許可は入管法50条に基づく判断であり、考慮事情が法律上明示されています。
  • 収容に代えて社会内での生活を認める監理措置が、入管法44条の2以下に定められています。

釈放されたはずなのに入管に収容されるのはなぜですか

刑事手続における身柄拘束と、退去強制手続における収容とは、根拠となる法律も目的も異なります。前者は捜査と裁判のための拘束であり、後者は退去強制事由に該当する疑いのある者について、審査と送還のために身柄を確保するものです。したがって、不起訴となった場合や刑の執行が終わった場合であっても、退去強制事由に該当する疑いがあると判断されれば、収容令書に基づき収容されることがあります。実務上、刑事施設や留置施設から釈放される場面で、入管の職員が待機している例もあります。事前に見通しを立て、収容された場合に誰がどう動くかを決めておくことが、対応の遅れを防ぎます。

退去強制手続はどのような順序で進みますか

手続はまず入国警備官による違反調査から始まり、退去強制事由に該当すると疑うに足りる相当な理由があると判断されれば、収容のうえ入国審査官に引き渡されます。入国審査官は違反審査を行い、退去強制事由に該当すると認定した場合、本人はこれに服して退去するか、口頭審理を請求するかを選択します。口頭審理は特別審理官が担当し、その判定になお不服があるときは、法務大臣に対して異議を申し出ることができます。この異議に対する裁決の段階で、退去強制事由に該当することを前提としつつ、なお在留を認めるべき事情があるかが判断されます。これが在留特別許可です。

在留特別許可ではどのような事情が考慮されますか

在留特別許可は入管法50条に基づく判断であり、令和5年の法改正により、考慮すべき事情が法律上明示されました。在留を希望する理由、家族関係、素行、入国の経緯、在留の期間、本邦における法的地位、退去強制の理由となった事実、そして人道上の配慮の必要性などが挙げられます。したがって、申立てにあたっては、これらの項目を一つずつ、資料を添えて具体的に埋めていく作業になります。日本で生まれ育った子の就学状況、日本人配偶者との婚姻の実体、長期にわたる納税と社会保険の履行、地域での活動などは、いずれも意味を持ちます。抽象的な反省の表明だけでは足りません。

収容を避けるための監理措置とはどのような制度ですか

監理措置は、収容によらずに社会内での生活を認めつつ、監理人による監督のもとで手続を進める制度で、入管法44条の2以下に定められています。監理人は、本人の生活状況を把握し、一定の事由を知ったときは届け出るなどの役割を担います。従来の仮放免とは根拠も要件も異なる制度ですので、どちらの枠組みで対応するのかを整理する必要があります。なお、退去強制事由の該当性判断において、本人の故意や過失をどこまで要するかについては実務上議論があり、当事務所においても責任主義の射程を問う訴訟を提起し、現在係属中です。見通しについて断定的な予測を申し上げることは差し控えます。

よくあるご質問

不起訴になっても入管に収容されることがありますか

あり得ます。退去強制事由は有罪判決を要件とするものばかりではなく、たとえば不法残留や資格外活動は、刑事処分の有無とは別に問題となります。刑事手続が終わった段階で在留状況に問題がないかを点検し、必要な備えをしておくことが大切です。特に在留期限の管理は欠かせません。

退去強制されると二度と日本に来られませんか

入管法5条1項9号により上陸拒否期間が定められており、退去強制歴が1回目であれば5年、2回目以降であれば10年とされています。薬物関係では期間の定めのない類型があります。出国命令により出国した場合は1年とされており、区別して理解する必要があります。

口頭審理は請求した方がよいのですか

事案により判断が分かれます。請求すれば手続は続きますが、その分時間を要します。他方、口頭審理を経なければ主張の機会が限られる面もあります。在留特別許可を求める見込みがどの程度あるかを踏まえ、弁護人と方針を決めてください。本人のご意向を最優先に確認してください。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 不法就労助長罪に問われて退去強制の危機にある依頼者について、「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた入管実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を係属中の事例。
  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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