舟渡国際法律事務所

勾留延長(さらに10日)への対応 やむを得ない事由の争い方と準抗告の実際

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勾留延長(さらに10日)への対応 やむを得ない事由の争い方と準抗告の実際

勾留延長(さらに10日)への対応 やむを得ない事由の争い方と準抗告の実際

2026/08/13

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勾留は原則10日間ですが、検察官の請求により、さらに10日を限度として延長されることがあります。合計すると起訴前の身柄拘束は最大20日に及び、勤務先や学校との関係、家計、そして在留資格の維持に対する負担は一段と重くなります。外国籍の方の事件では、通訳を要する取調べや国外に所在する証拠の確認を理由に、延長が請求される場面が少なくありません。本稿では、延長の要件、外国人事件で延長されやすい背景、そして不服申立ての方法と、延長期間中に進めるべき対応を説明します。

本記事の要点

  • 勾留の延長は、やむを得ない事由があると認められる場合に限り、10日を限度として認められます。
  • 通訳の手配や国外の資料照会を理由とする延長請求は、外国人事件で見られる類型です。
  • 延長決定に対しても準抗告を申し立てることができ、勾留の取消請求という手段もあります。
  • 身柄拘束が20日に及ぶと、勤務先や学校との関係維持が現実的な課題になります。

勾留延長はどのような場合に認められますか

刑事訴訟法は、裁判官はやむを得ない事由があると認めるときに限り、検察官の請求により勾留期間を延長することができ、その期間は通じて10日を超えることができないと定めています。ここでいうやむを得ない事由とは、事件の複雑さ、関係者が多数に及ぶこと、鑑定や資料の収集に時間を要することなど、当初の期間内に捜査を完了することが困難な具体的事情を指します。したがって、単に取調べが済んでいない、あるいは方針が固まっていないという理由だけでは、本来認められるべきものではありません。弁護人は、捜査の進捗と残された必要な捜査の内容を踏まえ、延長の必要性を具体的に争うことになります。

外国人の事件で延長が請求されやすいのはなぜですか

実務上、通訳人を確保したうえで取調べを行う必要があること、供述調書の作成に日本人の事件より時間を要すること、国外に所在する関係者や資料の確認に日数がかかることなどが、延長請求の理由として挙げられる傾向があります。また、共犯者がいる事案では、関係者相互の供述の突き合わせに時間を要するとされます。これらの事情は一般論としては理解できるものですが、本件において具体的にどの捜査が未了で、それがなぜ当初の10日間で完了しなかったのかを検討すると、必要性を欠く場合もあります。弁護人としては、抽象的な理由付けに対し、個別の事実に即して反論することになります。

延長決定に対する不服申立ての方法

勾留延長の裁判に対しても、準抗告を申し立てることができます。あわせて、勾留の理由または必要がなくなったときには、勾留の取消しを請求する方法もあります。実務上効果を持ちやすいのは、延長決定の後に生じた事情の変化を示すことです。たとえば、被害者との示談が成立したこと、押収された資料の解析が終わったこと、共犯者の身柄関係が変化したことなどが挙げられます。また、勾留の理由の開示を請求し、公開の法廷で理由を説明させる手続も、事案によっては意味を持ちます。いずれの手段を選ぶかは、残された捜査の内容と処分の見通しを踏まえて判断します。

延長期間中に在留の面で進行してしまうこと

身柄拘束が20日に及ぶと、在留の面での影響が現実味を帯びます。就労資格の方は、欠勤が長期化することで雇用の継続が難しくなり、退職に至れば所属機関での活動が失われます。留学の在留資格の方は、出席日数の不足から除籍や退学の手続が進みます。いずれの場合も、所定の活動を行わない状態が続けば、入管法22条の4に基づく在留資格の取消しが視野に入ります。したがって、延長期間中であっても、勤務先に休職の扱いを求める、学校に休学の手続を確認するなど、活動の中断を制度上説明できる形に整えておくことが有益です。この手当ての有無が、後の在留の判断において問われることがあります。

よくあるご質問

延長は必ず10日間になるのですか

10日は上限であり、それより短い期間で決定されることもあります。実務では、必要とされる捜査の内容に応じて日数が定められます。弁護人としては、延長そのものを争うほか、必要な日数がより短いことを主張して、期間の短縮を求めることも考えられます。必要な捜査の範囲を具体的に確認することが出発点です。

延長された場合、必ず起訴されるのでしょうか

そうとは限りません。延長は捜査を完了させるための期間であり、その結果として不起訴となる事案も相当数あります。延長期間中も示談や環境調整を進め、検察官に対して不起訴を求める意見を提出することに意味があります。延長期間を諦めの期間としないことが大切です。

20日間も拘束されると仕事はどうなりますか

無断欠勤として扱われれば解雇の理由とされかねません。したがって、本人の同意を得たうえで、弁護人から勤務先に状況を説明し、休職や欠勤の取扱いについて協議することが望まれます。雇用の継続は在留資格の維持にも直結します。休職の扱いは、活動中断の正当な理由を説明する際にも役立ちます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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