舟渡国際法律事務所

勾留10日間をどう使うか 不起訴に向けた被害弁償・示談と生活環境の整備

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勾留10日間をどう使うか 不起訴に向けた被害弁償・示談と生活環境の整備

勾留10日間をどう使うか 不起訴に向けた被害弁償・示談と生活環境の整備

2026/08/13

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勾留が決定すると、原則として10日間の身柄拘束が始まります。この10日間は、単に取調べを受けて過ごす期間ではありません。検察官が起訴するか不起訴とするかを判断するための材料が形づくられる期間であり、弁護人にとっては被害弁償や示談、生活環境の整備を進める勝負の期間です。外国籍の方の場合、この10日間の使い方が、刑事処分だけでなく在留資格の維持にも直結します。本稿では、勾留期間中に進めるべき事項を、優先順位をつけて説明します。

本記事の要点

  • 勾留の期間は原則10日間で、この間に処分の見通しが大きく形成されます。
  • 取調べへの対応方針は、事実関係と証拠の状況を踏まえて早期に決める必要があります。
  • 被害者との連絡は必ず弁護人を通じて行い、直接の接触は避けなければなりません。
  • 在留資格の維持に必要な資料の収集も、この期間に並行して進めます。

勾留10日間は法的にどのような期間ですか

勾留の期間は、勾留請求をした日から10日間とされています。検察官はこの期間内に起訴するか、不起訴とするか、あるいはやむを得ない事由があるとして期間の延長を請求するかを判断します。したがって、この10日間は処分決定に向けた事実上の審査期間です。弁護人の活動もこの期間に集中させる必要があり、示談交渉の開始、身元引受人の確保、生活環境の調整、そして検察官への意見書の提出を、並行して進めることになります。10日間という期間は、被害者の感情が整理されるには短く、資料を集めるにも短いため、初動が遅れると選択肢が急速に狭まります。

取調べへの対応方針はどのように決めますか

方針は、事実関係、客観的証拠の状況、本人の記憶の確かさ、そして処分の見通しを踏まえて決めます。全面的に供述するか、一部にとどめるか、供述しないかは、事案ごとに判断すべき事柄であり、定型的な正解はありません。重要なのは、方針を決めないまま取調べに臨まないことです。作成された供述調書は、署名押印の前に読み聞かせを受け、内容に誤りがあれば増減変更の申立てをすることができます。通訳を介した調書では、日本語の書面に署名することになりますので、訳し戻して内容を確認することが特に重要です。納得できない調書に署名する義務はありません。

被害弁償と示談はどのように進めますか

被害者の連絡先は、通常、弁護人が検察官を通じて確認します。ご家族や勤務先の方が独自に被害者を探して接触することは、罪証隠滅を疑われるだけでなく、被害感情を悪化させる原因になりますので、避けてください。示談交渉では、謝罪の意思、被害弁償の金額、宥恕の意向の有無が中心になります。宥恕、すなわち処罰を望まない旨の意向が示されると、不起訴の判断において重い意味を持ちます。示談金の原資は、本人の預貯金、家族からの援助、勤務先からの貸付けなどによりますので、送金の手配を早期に始めてください。海外送金の所要日数も見込んでおく必要があります。

在留資格の維持のために並行して行うこと

刑事処分の見通しと並行して、在留資格に関する資料も整えます。具体的には、納税と社会保険料の納付状況、勤務先の在籍と雇用継続の意向、家族の在留状況と扶養関係、住居の維持、子の就学状況といった資料です。これらは、不起訴となった場合の在留期間更新の審査で用いられるほか、万一起訴されて有罪となり退去強制手続へ進んだ場合には、在留特別許可の判断資料となります。あわせて、身柄拘束が長期化する見込みであれば、所定の活動を行わない期間が積み重なることによる入管法22条の4の問題を意識し、勤務先や学校との関係を維持する手当てを講じます。

よくあるご質問

勾留中に家族が面会できる回数に制限はありますか

多くの留置施設では、一日一回、一回あたり15分程度、面会できる人数にも制限があるという運用が採られています。平日の日中に限られる点にも注意が必要です。接見等禁止の決定が付されている場合は、家族の面会自体ができませんので、事前に確認してください。

示談ができれば必ず不起訴になりますか

示談の成立は有力な事情ですが、それだけで不起訴が決まるわけではありません。罪名、被害の程度、前科前歴の有無、常習性の有無など、複数の事情が総合して判断されます。示談と並行して、生活環境の整備や再発防止の具体策も示す必要があります。被害者の処罰感情がなお強い場合には、時間をかけた対応が必要になります。

勾留中に在留期間が満了してしまう場合はどうなりますか

身柄拘束中は本人が窓口に出頭できないため、更新申請の取扱いが問題となります。弁護人から状況を説明し、対応を協議することになりますが、期限の管理は極めて重要ですので、在留期限が近い場合は最初の段階で必ず弁護人にお伝えください。期限を徒過すると、後からの回復は困難になります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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